トップ > おいしい店リスト > さとなおの行った店リスト【東京】〜洋食系(フレンチ、イタリアン、カレー、洋食…)
さとなおの行った店リスト 東京
洋食系(フレンチ、イタリアン、カレー、洋食…)
このコーナーは、ボクが実際に行ったレストランを記録したものです。
個人サイトの個人的食べ歩き記録です。ガイドでも評価でもありません。
ですので、読みやすさなどを考えずざっと一覧してあります。コメントも短く散漫なものです。ご了承ください。
ただ、この記録を利用して、あなたが行った店の感想とボクの感想とを比較することができます。そうして趣味嗜好がボクと合うか合わないかを調べ、趣味嗜好が近かった方は「さとなおの好きな店リスト」をご覧ください。店の選択により便利になっています(「このコーナーの使い方」参照)。
なお、自分の好き嫌いを相対化するために、店をラブ度で表しています。ボク個人の「お気に入り度」の目安として参考にしてください(味の評価でも店の優劣でもありません)。
また、古い訪問年月日の感想も出てきます。それはその時の感想。その後、当然、店は変化しています。それはご自分でお確かめください。住所・電話・営業時間などについても変わっている可能性があります(閉店した店もあります)。ご注意ください。
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| フレンチ |
パストラル(銀座)
東京都中央区銀座1-11-2ホテル西洋銀座2F
フレンチ。銀座の超高級ホテル「ホテル西洋」のメインダイニングというより、ソムリエ世界一の田崎真也氏が勤めるレストランといったほうが通りがいいかもしれない。田崎氏は超多忙ゆえやっぱりいなかったが、彼が管理しているワインリストは意外に貧相な装丁でがっかり。そろっているワインは良いものばかりだが、ほとんどが2万円以上。安くておいしいワインを紹介するのが私たちの仕事とまで言い切っている田崎氏らしくないワインリストである。若いソムリエは一所懸命ではあったがものすごく高いワインばかり勧める。4万とか7万とかのものを平気で勧める。どういう感覚なのだろう。サービスは全体になんかちぐはぐでスムーズさに欠けて感じられる。料理もちぐはぐ。工夫が随所に見られるわりにそれがインパクトにつながっていない。思い出に残る強さがないのが残念。
おしなべてこのレストランは印象が弱く中途半端だ。上品だが上級というわけでもないし、丁寧だが洗練されているというわけでもない。料理もサービスも環境もどこか腰が引けている。高い値段を取る高級店なのだからきちんとインパクトを出してほしい。なお、メニューの構成はおもしろかった。「カルト・ポーション」と「メニュー・ポーション」があり(ポーション=量)、少食の女性などはメニューポーションで構成できる。これは他店もまねしてほしいサービスだ。96年11月。※閉店
ベル・フランス(銀座)
東京都中央区銀座3-5-3銀座カネボウシグナスビル8F
フレンチ。この店のコンセプトは「繊細さ」だと思う。上品で美しい盛り付け。線が細すぎると感じることもある味付け。壊れものを扱うようにサービスする給仕人達。かゆいところに手が届きすぎるメニューとその説明…。すべて「繊細さ」を追及しているように感じる。ただそれがややもすると「弱さ」につながることがある。全体の印象、特に味の印象が「弱い」と感じた。新鮮な野菜を効果的に使った料理は歯触りもちゃんと計算してあり美味しいが、味の収束点が分散してしまっている。サービスは少々かしこまりすぎとはいえ気持ち良く優雅。もう少し砕けてくるとかなりいい。特筆すべきはデザート。「終わりよければすべてよし」、久しぶりに感動。チーズも20種類以上置いているしワインリストもなかなかのもの。繊細で美しい時間を過ごしたい大人のカップルにうってつけのレストランとしてお勧めしたい。もっとカップルが増えたらもっともっといいレストランになることだろう。96年8月。
※98年閉店。現在、シェフ、メートル共に「ラ・ロシェル南青山店」に移って元気に料理を作っている。
レカン(銀座)
東京都中央区銀座4-5-5ミキモトビルB1F/03-3561-9706/11.30〜14.30/17.30〜22/日休/20000円〜
フレンチ。8年ほど前に行った時より格段によくなった。特筆すべきはサービスで優雅だが適度にカジュアルで客を寛がせてくれる。気軽に声をかけてくれるし、こちらから声をかけやすい雰囲気なのだ。マニュアル的でないサービスも随所にみられ印象深かった。料理は力強く濃厚。かなりの美味。ただ「あ〜、うまかった!」と店は出たのだが帰りの電車で「ところで今日どんな料理食べたんだっけ」と思い出せないところがある。もうちょっと料理の印象が強いと完璧。古びて見えた内装も改善されたし、今が旬のフレンチレストランだと思う。96年7月。
ロテスリー・レカン(銀座)
東京都中央区銀座5-11-4中央区銀座5-11-4 銀座クレストビル1F/03-5565-0770/11〜23/日休/5000円〜
フレンチ。ロテスリーとは「ロースト料理専門店」のこと。高級フレンチ「銀座レカン」の姉妹店として1999年にオープンしたレストランだが、ロースト料理に的を絞り、昼から夜までぶっ通しで営業し、昼も夜も同じコース・同じ価格にし(正確に言うと昼はデザートがつくが)、と、かなり野心的かつ冒険的「志」で好ましい。高級店の二号店的に、単に値段を落とし看板で売る、みたいな店が多い中、このきちんとしたコンセプトワークは評価できるのではないだろうか(追記:このような形態を真似する店も増えた)。
料理もかなりしっかりしている。メニューは組み合わせ自由のプリフィックス・スタイルで、1皿2300円、2皿3800円、3皿5300円といった明朗な構成。2皿コースでも量は十分かもしれない。メインで選んだ「3種類の肉のロティ盛り合わせ」など、その火の通り方の完璧さにうなったほどである。高級店でもなかなかこうはいかない。2皿3800円のコースにしたが、かなり安く感じた。
サービスは「レカン」の教育の延長のような心地よさを感じた。手は足りてないようだが、捕まえさえすれば洗練された受け答えが待っている。高級すぎずカジュアルすぎず、ちょうどいい振る舞い。店内、かなり広く、開放感溢れている。全体に詰め込みすぎな感はあるが、この値段なら仕方ないだろう。ワインをコースの値段と同じくらいなものをもう少し置いてくれれば申し分ない。このような店が11時から夜11時までいつでも楽しめるようになったことに、フレンチの全体の潮流の変化を感じる。00年8月。
ビストロ・ヴォージュ(銀座)
東京都中央区銀座6-4-16花椿ビル2F/03-3574-2075/12〜14/17〜23/日祝・第2土休/5000円〜/http://vosges.cside.com/
フレンチ。2002年春に出来たばかりの小さなレストラン。カウンターとテーブルひとつしかなく12人で満席。とてもとても小さくて親密なので、わりと常連さんが陣取って居酒屋代わりに使っていたりする。料理はなかなかおいしいし、ご主人も暖かく接客してくれるので、確かに行きつけになったらとてもいい店かもしれない。スペシャリテの子羊のローストが1000円と値段も破格的に安い。ビストロだけどパスタもあったりする。わりと入り口がわかりにくいのも隠れ家風。花椿ビルの外堀通り側からは入れない。裏の数寄屋通りから入ろう。02年3月。
オストラル(銀座)
東京都中央区銀座6-8-7 交詢ビル5F
フレンチ。上質なサービスと高レベル安定型の料理、落ち着いたインテリアで、銀座で人に安心して勧められる高級レストランである。メートルの佐藤氏がいた頃の抜きんでたサービスはいまはないし、料理は悪く言えば無難に近いものだし、インテリアも豪華と言うほどではないし、すべてにおいて一時の「オストラル神話」は影を潜めているのだが、それでもやっぱり平均的に高得点なレストランであることは間違いはない。フレンチ初心者でも安心して楽しい時間を過ごせるだろう。ランチは3500円から。夜はアラカルトのみだが、ハーフポーション(値段は1/3)をオーダーできるのがうれしい。並木通り沿い。01年6月。
※バーニーズニューヨークが入っているビルの6Fに移転した。移転してからは未訪。ランチは4200円からとなった模様。
銀座ストック(銀座)
東京都中央区銀座7-2-14/03-5537-1145/11〜16/17.30〜23/日祝休
ビストロ。「野菜の晩餐」というショルダーコピーがついている小さなビストロ。2003年11月19日に閉店した伝説の名バー「クール」(最後の日、ボクも飲みに行った)の跡地に出来た店で、クールの内装とカウンタートップを残してある。「クール」の跡地はラーメン屋なども手を挙げたという中、「クール」の価値をわかっているオーナーが店を出したということで、まずは拍手。ストックという店名にも「銀座の文化を少しでもストックしたいという気持ちが込められている」とあり、この場所の意味は継承されているようだ。実際、内装の一部とカウンターは「クール」のまま残っているが、店内はまるで違う設え。もう少し雰囲気を残した方が逆に良かったとは思うが、それは勝手な願いなのだろう。料理は少し線が細く、この店ならではの特徴があまり出ていない段階。野菜の丸ごとグリルとかあって野菜にこだわっているのはよくわかるが…。「クール」の跡としてプレッシャーはあるだろうが、なんとかこの店からまた文化を発信してほしい(それにはいまのままでは弱いと思うが)。昼はカレーも出す。04年9月。
ロオジエ(銀座)
東京都中央区銀座7-5-5/03-3571-6050/12〜14.30/17〜21:30/日祝休/25000円
フレンチ。1982年のMOF(フランス国家最優秀料理人賞)を受賞しているジャック・ボリーシェフの料理が食べられる銀座の名店。でもなぜか勢いがまったく感じられず全体に古いホテルみたいな眠たい感じが漂っている。
料理は素晴らしい。穏やかで静かに主張していて上品だ。年季のなせる技か。若手のシェフには出し得ない上品さ。落ち着き。それをおとなしいと呼ぶ人もいるだろうが、ボクは好きな料理群。特に魚のメインでいただいた「甘鯛のエテュヴェ ポテトのブーランジェール風」は忘れられない味となった。舌の上で決して暴れない、だけどこんなにも力強い…名品でした。サービスはそれに比べて無難で眠たい。ホテルでよく見受けられるサービスだ。丁寧だけどビジネスライクで心が弾まない。ひとつひとつのサービスは洗練されているように思えるしお皿を出すタイミングなど文句のつけようがない。が、楽しさがなかった。そのうえ寂しかったのは出店時。いままでテーブルにあまり来なかったギャルソンがひとり仏頂面でエレベーター前に来ただけ。せめてテーブル付きの人がくるべきだ。全体に「もてなし」が感じられずがっかりした。96年10月。
※以上は資生堂パーラーのビルにあった頃の評価。99年秋に資生堂本社ビル2Fに引っ越し営業再開。かなり評判いいので再訪したい。
ラ・マリー・ジェンヌ(銀座)
東京都中央区銀座7-12-5 貝新ビルB1F/03-3545-2060/11.45〜13.30(月〜金)/18〜22.30/22.30〜24(バータイム)/日休/5000円〜/http://www.lamariejeanne.com/
ビストロ。2003年9月末に開店したビストロ。銀座屋酒店にいた人やオザミ・デ・ヴァンにいた人などが開いたワイン重視の格安店だ。前菜1300円。メイン2000円程度、かつワインは3900円のものが中心という野心あふれるレストランだが、単なる安い店と思って油断してると痛い目にあう。料理もサービスもなかなかのレベル。銀座で格安でおいしいディナーを食べたかったらここはおすすめ。料理は安いなりに工夫とバリエーションがあり、ちゃんと楽しめる。ただし、量は値段なりともいえるが少し少なめ。ワインが安いし、品揃えもちゃんと考えてあるし、料理もきちんとしているので、普段使いっぽく使うのが正解。グラスワインも10種ほど揃えているので、ワインバーみたいにカジュアルに一杯という手もいい。04年10月。
マルディ・グラ(銀座)
東京都中央区銀座8-6-19B1F/03-5568-0222/18〜24/6000円〜
フレンチ。銀座のワインバー「グレープ・ガンボ」で腕をふるっていた和知シェフが開いた店。「グレープ・ガンボ」でカウンターに座って彼の調理を見るのが好きだったボクとしては見逃せない店だ。
シェフのガツン系の力強い料理は健在で、前の店からあるメニュー(例えば香菜爆弾)に、タジンやクスクス、ピンチョスなど、フレンチの枠を越えたメニューが加わり、食べ好き達には応えられない「うまいもの屋」に仕上がっている。量も多い。前菜にフォカッチャとピンチョスとフライドポテトを取ったら、小食のヒトならそれでお腹いっぱいになるかもしれない。魅力的なメニューがずらりと並んでいるのでいろいろ食べたい向きはサービス人とよーく相談して決めよう。サービスは個人的にはちょっとニューヨークを感じて心地よい。ユニフォームのせいかな。狭い店なのだが食べる快感に溢れており、食べるのを楽しむ人とわいわい乱雑に食べたい感じ。ちなみにワインの品揃えは「グレープ・ガンボ」に比べると見劣りがする。選択肢がもう少しあるといいなぁと贅沢を思う。なお、マルディ・グラとは英語で言うと「Fat Tuesday」。謝肉祭の最終日のことらしい。「さぁ腹一杯食べろ!」と言わんばかりのネーミングで良いね。02年9月。
4ヶ月ぶりに訪れたら各皿の量が少しずつ減っていた。気のせいかな。ドドンと豪快に盛られているイメージがあるだけにちょっと残念。03年1月。
味的に以前の迫力が感じられない。少し残念。06年4月。
パプリカ(銀座)
東京都中央区銀座8-10-4 和孝銀座ビルB1F/03-5568-5667/18〜26/月祝休/コースは2100円から。おまかせコース6300円。
ビストロ。La Carbonade et Bar A Vin PAPRICA。誠実な炭火焼きビストロ&ワインバーで、全体に赤めのブラウンのインテリアがクラブ的なイメージを醸し出しているが、わりと落ち着く。元クラブを居抜きで借りたのかも。料理は、比内地鶏、豚肉、仔羊、魚介、有機野菜などの炭火焼きの他、クスクス、コパなども揃う。アミューズの白エビ、前菜で食べた白レバー、ブラウン・マッシュルームや塩トマト焼き、タスマニアの仔羊や比内鶏、どれもとても丁寧な調理でおいしい。炭火焼きは特に注意深く焼いているのがカウンターから見え、食欲をそそるし、料理人に対する信頼感も出る。ワインは料理に合うものがセレクトされていて、相談しながら頼むと良い感じだが、もう少し値付けが安くてもいいかもしれない(銀座という立地上仕方ないという説もある)。コの字型カウンターで全30席弱。ディナーコースはデザートつきで5000円を切り、おまかせも6000円ちょっととリーズナブル。深夜までやっているので、二軒目使いにも良い。05年1月。
マノアール・ダスティン(銀座)
東京都中央区銀座8-12-15/03-3248-6776
フレンチ。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
ポトフ(築地)
東京都中央区築地7-15-11(97年4月16日より)/11:30〜14:00/18:00〜21:30/日昼・月休/10000円
フレンチ。以前、新宿のフジテレビ下通りにあり、フジテレビ関係者を相手にしてきたレストランのようだ。フジテレビ移転に伴い築地7丁目に移転。メートルがほとんど一人でサービスに当たる。そのぶっきらぼうで率直すぎる語り口は常連さんには気持ちがいいかもしれないが、一見の身としてはかなりとまどうものがある。コースも「7500円のにしてくれ」という態度が見え見えで5000円のにしたら露骨に嫌な顔をした。コースのメインは選べるのに聞いてこず、勝手に子羊に決められていた(鴨が食べたかったのに)。ワインリストは華やかで立派な品揃えなのに実は店に置いているワインは数少なく「前日に言っていただければご用意できます」とのたまう。で、ワインリストに値段が書いていない。…全体に「この店に慣れていない客の方が悪い」って感じ。かなり印象が悪い。料理は、焼き加減はなかなか上手のようだがソースなど特に工夫しているわけでもなく新鮮味は薄い。ま、良くも悪くもメートルの彼を気に入るか入らないかで店の印象は大きく分かれることだろう。97年3月。
築地に移転して初めて行ったが、メートルを気に入るかいらないかで印象が大きく分かれる店であるのは相変わらず変わらない。ただ、ランチの質と量は値段に比して抜群。味も焦点がちゃんと来ていた。メートルも少しアクが抜けたかな。全体にいい方に変化している印象を受ける。01年10月。
備長kan(新富町)
東京都中央区新富1-5-6/03-3551-5727/12〜14/17.30〜24/日祝休/7000円〜
フランス料理&焼き鳥。新富町の路地にひっそりとある古い一軒家を利用した店。フランス国旗が目印で、フランス料理を標榜しているのだが、焼き鳥屋でもある不思議な店だ。一階はカウンターと小さな座敷、二階にも座敷がある。座敷があることでわかるようにほとんど和食な感じ。フォークも出ずお箸で食べる。焼き鳥は山形産「蔵王紅花」を備長炭で焼き上げた焼き鳥をホイップしたワサビと一緒に食べるのだが、なかなかうまい。夜のコースをおまかせで組んでもらったが、鴨・豚・馬の薫製で始まるそれは、スフレやらリゾットやらが出たあと、焼き鳥が始まり、最後は鯛を丸ごとグリルしたものが出たりして、意外性はあるがちょっとバランスが悪い構成だった。ただし「これで4000円のコース!?」と驚くくらいは量も質も高い。飲み物にワインを薦めるわりに品揃えは少なく高いのが難。料理は安いのにワインを飲むと結局高くなってしまうのだ。志が高く冒険心のあるご夫妻が楽しんで経営しているようだが、焦点をぼかしケレンが勝ちすぎるといい客がつかない気がする。新しく変わったことが好きな客は集まるだろうが。有楽町線新富町駅2番出口から徒歩3分。02年4月。
シェ・イノ(京橋)
東京都中央区京橋2-4-16 明治製菓ビル1F/03-3274-2020
フレンチ。以前は長く「京橋3-2-11第百生命ビル1F」にあった有名店で、弟子を多数輩出している井上旭シェフの旗艦店でもある。1996年ころ、まだ第百生命ビルにあったころに訪れたことがあったが、その時の印象が悪すぎてずっと再訪していなかった。典型的社用族用のレストランでどうにも気分が悪かったのだ。でも、京橋2丁目の明治製菓ビルに移ってとてもよくなったと聞き、2005年8月に再訪。そして驚いた。とても良い店になっていたのである。
インテリアはサロンからグランドメゾン系になり、クラシックな料理は味に磨きがかかり、いまひとつだったサービスは改善され(まだちょっと余所余所しいけど)、社用族ばかりだった客層も変わった。「トリュフ入りラビオリ マロンの香り」や「フォアグラのパイ包み」、「仔羊のパイ包み焼き マリアカラス」などの名作も相変わらずめちゃくちゃうまい。というか、世の中が全体に淡い味付けになった今、逆にここまでどっしりクラシカルな方がエッジが立って感じられる。
天井の高いホールは(席にも寄るけど)とても気持ちがいい。華美すぎず無機質すぎず、ちょうどいい感じ。サービスも秀逸。グランドメゾン系の慇懃無礼もなく、親しみが持てるものだった。96年7月。05年8月。
京橋ドンピエール(京橋)
東京都中央区京橋2-3-4/03-3242-0141/11:30〜14:00/17:30〜21:00/日休/6000円〜
フレンチ。フレンチと洋食屋の中間って感じの店。コースを食べると完全にフレンチ。でもオムライスなども給するところが洋食屋っぽい。日本人独自の欧米食の楽しみ方を丁寧に考えた結果と思われる。そこらへんの視線がとても温かいレストランだ。料理も古典的なものをしっかり丁寧に作っている。安心して身を任せられる味。ワインも良心的な品揃え。サービスも手堅く丁寧。全体に「丁寧」なのだ。気取り勝ちなフレンチレストランが多い中、見栄を張らず実を取る姿勢がここちよいフレンチ洋食屋である。97年11月。
雑誌「danchu」の欧風カレー部門で一位に選ばれたカレーライスであるが、率直に言ってよく出来たホテルのカレー、という感じ。欠点はまるでないが印象にも残らない。丁寧に作ってありおいしいのだが「ふーん…」程度の感想であった。付け合わせのサラダはさすがにドンピエール、おいしい。昼は1500円で食べられる。夜は高い。00年11月。
オザミ・トーキョー(丸の内)
東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング35F/03-5220-4011/11〜15.30/17.30〜24/無休
フレンチ。銀座の「オザミ・デ・ヴァン」の支店で、あちらよりずっとレストランっぽいが、ワインバーとしても使える。東京駅前の丸ビルで24時まで営業しているので何かと重宝するだろう。新幹線に乗って帰る人にも便利な店。35Fからの夜景と15000本あるというワインでゆっくり夜を楽しめる。店内は二段になっていて、店の奥からでも夜景がちゃんと見える仕組み。ワインリストはここで見られるので行く前にチェックするといいかもしれない。価格は立地からすると安価だと思う。料理もどれもなかなかいい。サービスもそれなりだし、全体にレベルは高いと思う。だからよく流行っている。個室もある。06年10月。
アピシウス(有楽町)
東京都千代田区有楽町1-9-4 蚕糸会館B1F/03-3214-1361/11.30〜14/17.30〜22/日休/20000円〜
フレンチ。一時期日本のナンバーワン・レストランとの評判を欲しいままにした名グランメゾンである。ボクは40歳になってから行く店と決めて(だってそれなりの年齢が似合う店と思ったから)、ずっと我慢して我慢して、今回初めて行ったのだが、結果としては「もっと早く行っておけば良かったぁ(涙)」であった。それは残念ながら「良かったから」ではない。高橋シェフ中本ソムリエなど、錚々たるスタッフが抜ける前に行っておけばよかったな、という意味である。後悔である。もちろん初めて行ったのだから以前と比較はできないが、「名声を欲しいままにしたあのアピシウスがこの程度のはずがない」と思うのである。
といっても、料理もサービスも内装も全然悪くはない。料理は仕入れた素材の良さを最大限に活かしたもので、特にメインでいただいた鳩のローストなどいままで食べた鳩料理の中で最高の出来であった。デザートも素晴らしい。ただ、突き出しも前菜も実に普通だったし、全体に無難な印象は拭えなかった。美味しいのだが楽しくない。そんな感じ。サービスは洗練されていて丁寧だしよく気がつく。でも心からの笑顔というようなものが一回も見られず、慇懃無礼なホテル的サービスを十二分に受けた後に感じる居心地悪さみたいなものがあとに残る。そつなくお客をもてなしてくれるが、親密さや温かみが微塵もないのだ。ビジネスライクすぎる、とでも言おうか。
内装は豊かで暖かく、そして清潔。高価な絵画がそこらじゅうに掛かり目を楽しませてくれる。良い感じで古くさくなってきておりこれからが楽しみ。照明をもう少し暗くすると雰囲気が格段によくなると思うが、お年寄りのお客さんもいらっしゃるしこのくらいが無難なのか…。そう、全体に無難なホテルレストラン的なのだ。うまいし気持ちよいが楽しくない。そして高い。これなら一流ホテルのメインダイニングに行くのとあまり変わらない。
ちなみに、コースメニューを要求するまでアラカルトメニューしか渡されない。基本的にアラカルトを頼んでね、という店のようだ。また、ワインリストは壮観。絶対的にはかなり高いリストだが、保存や品揃えを考えれば相対的には安いリスト。ワイン好きのお金持ちが「ワインバー」として利用するには最高の空間かもしれない。
アピシウスはひょっとすると「守りに入ってしまった」のかもしれない。この店がプライド高く攻めに出たら別の次元に生まれ変わるのではないだろうか。そんなポテンシャルは十分感じたが…。01年8月。
S(新橋)
東京都港区西新橋3-15-12/03-5733-3212
フレンチ。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
タテル・ヨシノ(芝)
東京都港区芝公園1-5-10 芝パークホテル別館1F/03-5405-7800
フレンチ。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
minobi(芝)
東京都港区芝3-42-9/03-5484-7788/11.30〜14/18〜22.30/日休
フレンチ。みのび。意味は「味の日」らしい。フレンチの「オー・グー・ドゥ・ジュール」の支店で、開店からしばらくは本店の岡部氏が支配人をやっている。といってもフレンチではなく、ジャンルにこだわらずおいしいものを出すコンセプトのようだ。実際に食べた印象は「最後をご飯で締めるフレンチ懐石」といった感じだった。もしくは和の料理を取り入れたフレンチかな。純粋なフレンチと、純粋な和食と、和の素材を使ったフレンチをバランスよくお箸でいただく店。
たとえばボクが行った夜は、キッシュから始まって、カルパッチョ、タルタルのゼリー寄せ、テリーヌ、ポタージュと続いた後に、鯛とキノコのホイル焼きが出て、牛頬肉の煮込みになって、香の物とご飯と味噌汁が出て、豆乳のブラマンジェと珈琲で締める、という感じのコース構成だった。どの料理も一品一品は工夫もあり優しいいい味だが、コースにすると印象がぼけてしまう部分があり残念。ただ、この店は「フレンチっぽい料理を一品食べたいけどご飯系も欲しい」みたいな極めて日本人的なワガママに応えてくれるという意味ではとっても重宝するので、コースではなく一品で楽しんだ方がいいのかもしれない。店内は入口すぐに9名のカウンター。奥に8名のテーブル席。カウンターが楽しいと思う。06年10月。
オー・グー・ドゥ・ジュール・メルヴェイユ(日本橋)
東京都中央区日本橋3−8−13/03-6202-1991/11〜13.30〜17.30〜21/夜コース6500円〜
フレンチ。麹町のフレンチ「オー・グー・ドゥ・ジュール」の姉妹店として、日本橋高島屋の近くにオープンした。白と黒と間接照明で構成されている店内は清潔で落ち着ける。小さな店だが狭い印象がないのはそのインテリアのせいかも。料理はインパクトに欠けるものの上品で繊細。ブーダンノワールのパルトロー包みやイトヨリのポワレが印象に残っている。ただもう少し強さは欲しい。麹町店はサービス人がオーナーでその細やかなサービスが売りでもあるが、こちら「メルヴェイユ」はまだこなれていない。笑顔、気遣いなど過不足ないが、もう一歩進んでこちらを楽しませるサービスまでにはまだ遠い道のりが必要な感じであった。全体に安定したいいレストランという感じ。比較的わかりにくい場所なので注意。04年11月。
北島亭(四谷)
東京都新宿区三栄町7/03-3355-6667
フレンチ。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
オテル・ドゥ・ミクニ(四谷)
東京都新宿区若葉1-18/03-3351-3810/12:00〜14:30/18:00〜21:30/月休/25000円
フレンチ。有名な三国シェフが腕を振るう四谷の一軒家レストラン。なんかここら辺はミクニ村みたいになってしまった。カフェにブティック、そして本体のレストラン。村の中を通ってレストランに向かう客の感想はただ一つ「儲かってんだなぁ…」。メニューの値段の高さを考えると胸中穏やかではない(単なるひがみ)。ただ抜群の環境を客のためにそろえているという意味ではたいへん評価できる。客は非日常を豊かに体験できる。ウエイティングバーも独立していて雰囲気良く、そこからダイニングに向かう廊下は厨房に面していて、三国シェフが忙しそうに働く姿を見ながら通るのは期待感を盛り上げる意味でたいへん有効。
サービス陣はカジュアル。かゆいところを気付いてくれないサービスで、経験豊富なメートルが一人いれば改善されるのにと思う。料理はコースは15000円のみ。後はアラカルトになる。で、アラカルトは、とメニューを見るとこれがべらぼうに高く設定されており自腹族にはなかなか手が出ない値段帯だ。これはまさしく「コースを頼め」と言っているに他ならない。で、コースを頼んだ。全体に軽い作り。なんか核がないままに「あれ、もう終わり?」という印象。コースを食べただけで有名シェフの腕をどうの言うつもりはないが、もう少し料理に驚きがほしい。三国シェフの味を楽しみに来る客ばかりなのだから環境よりまず味に力を入れてほしい。96年11月。
その後ミクニはご存知の通り他店舗展開し、いろんなところに店を出した。旗艦店であるこの店がどう変わったか、興味はあるのだが怖くて行っていない。
スクレ・サレ(四谷)
東京都新宿区荒木町9-7ナオビル1F/03-3351-8741/12〜14/18〜24.30/日曜昼休/6000円〜
フレンチ。コストパフォーマンスに優れたレストラン。安く楽しくお腹いっぱい料理を楽しみたい向きにはとってもオススメする。営業時間も遅くワインも安いので、遅い時間にワインと一皿、みたいな使い方も出来る。全体に若い人を意識したつくりで、それはインテリア、サービス、営業時間、そして量もたっぷりな料理にあらわれている。内装は明るくポップだがちょっと書き割りのようで安っぽさは否めないし、サービスもメートルがひとりで実に良くこなしてはいるが決してかゆいところに手が届くサービスとは言えない。値段から考えると仕方がないかもしれないが、もうひとりサービス陣が増えるだけでずいぶん違うと思う。料理はとてもいい。塩がよく利いたメリハリある味付けでなかなかインパクトがあり量もたっぷり。若い人にはうれしいだろう。いや、ある程度の年齢の方にも、無難でつまらない料理が多い中、とっても主張を感じて面白いだろう。ちょっと遅めの時間に強い料理を気軽に食べたい…なんてとき、このレストランは最適の選択である。が、ちょっといい食事をしたい、記念日である、勝負の日である、といったときにはちょっとカジュアルすぎるかもしれない。00年1月。
オー・グー・ド・ジュール(市ヶ谷)
東京都千代田区四番町4-8/03-5213-3005/11.30〜14/18〜21.30/月休/7000円〜
フレンチ。2002年10月に出来た新店。「京橋ドン・ピエール」「ブルギニヨン」などで支配人をしていた岡部氏がオーナーで、シェフはオストラルで料理を作っていた中村シェフ。サービス人がオーナーという形態は日本ではまだ珍しいが、サービス人の視点で練られたこの店は実に居心地がよく、食事にとって大事なのは「いい時間を過ごせること」という基本を思い出させてくれる。旧日本テレビ本館近くにあり、日テレが汐留に移ったあとは少し閑散としているが、このレストランだけはいつも満席。予約がとれない店として有名になりつつあるようだ。
店内は決して大きくなく、岡部氏がひとりで見渡せて手が回る限度を守った感じ。料理は派手なものはなく基本に忠実でしっかりしたもの。ちょっと無難かなぁというギリギリな感じで、これはこれで逆にくつろげる感じ。コース値段もランチ2500円〜、ディナー5000円〜と、かなり安めに押さえてあるので納得感がある。サービスはさすがなもの。岡部氏の笑顔が食卓を常に明るくしてくれる。女性に人気なのも頷ける。ただ、岡部氏がなんでも取り仕切ろうとしてしまうので、彼がフロアにいない時はちょっと困る(若手もいるのだがなんかおどおどしてる)。ボクの入店時、彼がちょうど厨房に行っていたようで、ずっと入り口でボンヤリ待つ羽目になった。また、店の大きさもあるのか、ずいぶんと声が反響する。だんだんビストロのような賑やかさになっていってしまい(女性団体客が多いことも理由のひとつ)、静かに記念日を楽しみたいという方にはちょっとつらいかもしれない。03年10月。
リヨン(市ヶ谷)
東京都千代田区九段北4-3-27
フレンチ。安くおいしいフレンチが食べたいなら候補に入れるべき店である。料理は優しく丁寧。シェフの人柄がしのばれるような誠意あるお皿が続く。ちょっと焦点が来ていない気もするがコストパフォーマンスを考えればかなりのもの。サービスもしっかりしていてこのクラスでは水準以上だ。店内は現地のビストロ風で雰囲気がよい。オテル・ド・ミクニの系列店。系列としていろいろ制約はあるだろうががんばってほしいレストランだ。98年1月。※がんばっていた堂下シェフが辞め、店としての魅力は半減以下。※※2001年4月に閉店。
飯田橋カフェレストラン・ベルナール(市ヶ谷)
東京都新宿区市ヶ谷船河原町15東京日仏学院内/03-3260-9639/10〜21.30/5000円〜
フレンチ。六本木のブラスリー・ベルナールの姉妹店。日仏学院の中にあり庭に面しているので雰囲気も気分もいい。日仏学院だけあってフランス人が店員にもお客にも多くちょっと東京離れしている。味は普通。ただ安いハウスワインと雰囲気で味わうなら充分か。もう少し味にメリハリがついたらうれしいんだけどなぁ。98年1月。
オー・バトー・イーヴル(一番町)
東京都千代田区一番町23-2/03-3261-0400/12〜14/18〜21.30/日祝休/10000円
フレンチ。外観、内装共にパリのビストロの趣。広い店ではないが雰囲気はなかなかいい。料理も丁寧で工夫があり、フランス人の常連が多いのもうなずける。その日食べた料理の中では、クスクスを上手に付け合わせた仔羊がおいしかった。こんなさりげない店がどんどん増えると東京という街も魅力的になるなぁ。95年6月。
ラ・ターシュ(飯田橋)
東京都千代田区飯田橋1-12-7 ニッシンMSビル1F
フレンチ。東京でも屈指の「ワイン・ビストロ」。安くそれなりの料理で、とても充実かつリーズナブルなワインを楽しめる。ワインが好きな方にはたまらない空間ではなかろうか。とにかくコストパフォーマンスがいい。コースは3500円と4300円。アラカルトから選択する方式で、選んだ料理によっては「+1200円」とか足し算していく。とても納得のいく方式だ。食前酒も水もエシレ(高級バター)も値段が明記されていて大変好感が持てる。そのうえこれだけワインの品揃えがよく、安いのだ(4000円台からいっぱいある。銘醸ワインも相対的にかなり安い)。実に充実としか言い様がない。しかし、もしあなたがワインを飲めないのであれば、当然このレストランの価値は半減する。独立して料理・サービスだけを論ずればどうしても見劣りしてしまうからだ。料理は全体にポイントが絞れていない味で残念。値段を考えたとしてももう少しメリハリが欲しい。サービスも寂しいもの。丁寧で誠実ではある。でも各テーブルに目は届いていないし、ワインが売りの店なのに若いサービス人はあまりにワインのことを知らないし。97年10月。※閉店。
フォー・グレイン(飯田橋)
東京都千代田区飯田橋3-10-8ホテルエドモント/03-3237-1111/11.30〜14.30/17.00〜21.30/無休/15000円
フレンチ。飯田橋のエドモントホテルの1階にあるレストランで奥のほうの席は半個室。変わった作りだ。全体に丁寧だが真心がない応対で「もてなす」という単語を知らないのではと思わざるを得ないサービスが残念。お皿の「運び屋」としては良く出来ていたけど。フランスで一つ星を獲得して凱旋した中村シェフの料理は古典的で力強い。著書「ポアルの微笑み」を読んで期待していったのだが、しっかりしたソース、きれいな盛り付け、安定感ある味付け、どれもさすがにレベルが高い。普通の料理なのにどれも美味しいのだからたいしたものだ。だが目新らしさはなく、なんか慣れちゃっている感じ。「とっても美味しい無難な料理」とでもいおうか。インパクトはなかった。96年8月。
ル・マエストロ・ポール・ボキューズ・トーキョー(赤坂)
東京都港区赤坂1-12-32
フレンチ。サントリーホールのまん前にある、フランスの超有名店「ポール・ボキューズ」の支店。当日、ある会への参加だったので特別おまかせ料理を食べたから一般化はできないのかもしれないが、料理自体はそんなに印象に残るものではなかった。スペシャリテの雲丹卵も期待したほどではなかったし、メインの仔牛頬肉のクレピネットは臭味が悪い方に転んでいてイマイチだった。市川シェフはこれからを担う若手の有望株。もう少し印象強くメリハリのある料理を期待したい。サービスは洗練されていて感じが良い。なお、チーズの充実には目を見張るものがあった。楽しい。97年3月。
※その後、閉店。市川シェフは西麻布三丁目に「レストランW」を開いた。
レチュード(赤坂)
東京都港区赤坂2-21-10/03-3583-2121/11.30〜15/18〜21.30/無休/http://letude.com/
フレンチ。飯田橋のワイン・ビストロ「ラ・ターシュ」が赤坂に移転して「レチュード」となった。ワインが安く飲めて料理もそこそこだった「ラ・ターシュ」のコンセプトとはずいぶん違い、本格的レストランを狙っている感じ。店内は以前のカジュアルさは影を潜め、やわらかく上品な雰囲気で満たされている。なかなか美味しそうな空間だ。コースは5000円、7500円、10000円。アラカルトからセレクトできる方式。メニューはとても魅力的でどれも食べたく思い、皿数が多い7500円のにしたのだが印象に残る料理が少なかったのが残念。料理名・素材が魅力的なだけに落差が激しく感じられてしまった。みどりショップからの野菜が自慢ならもっと徹底的にそれを食べてみたいし、ジビエ類ももっと特徴を活かした強さが欲しい。新装オープンしてすぐ出かけたのでまだいろいろ落ち着いてないとは思うが、この店ならではのポイントがなく全体に印象が薄い。「ラ・ターシュ」時代は売りだったワインも、なんか普通の店っぽく平均化されてしまった印象。応援したいのだが応援するポイントが見つからず歯がゆい感じ。03年2月。
ラ・トゥール・ダルジャン(赤坂)
東京都千代田区紀尾井町4-1ホテル・ニューオータニ内/03-3239-3111/17.30〜21/月休/30000円
フレンチ。フランスの超有名店の支店。鴨料理であまりに有名だが、全体に特に強いインパクトを感じない料理だった。鴨はナンバー付きで出てくるのだが、印象に残らない味で残念。雰囲気はさすがに超豪華。エントランスの長い廊下は両側に世界の有名人のサインが貼ってあり、気分は高まるがちょっと嫌みでもある。店内は天井が高く、調度品も豪華のひと言。接客はめちゃめちゃ丁寧。志と気位が高いサービスで素晴らしい。料金的にはかなり高いので再訪意欲はなかなか湧かないが、一生に一度の記念日とかならうってつけかもしれない店。安定感あり。1994年3月。
ラ・ベル・エポック(赤坂)
東京都港区虎ノ門2-10-4 ホテルオークラ別館12階/03-3505-6073/11.30〜14/17.30〜21(土日祝は夜のみ)/月休/20000円
フレンチ。ホテルオークラのメインダイニング。びっくりするのはサービスである。丁寧親切、細かいところに実に良く気を遣ってくれ、距離感も抜群。笑顔にも溢れているし適度にカジュアルだ。久しぶりに本物のサービスに触れた気がする。よく訓練されていて、かつ「私たちは日本一のホテルのフレンチのギャルソンなのだ」という良い意味での高いプライドが感じられる。高級フレンチということでちょっと入っていた肩の力がすぅっと抜けていく。くつろがせる、とはこういうことを言うのだな。
そしてそのサービスを包み込む空間も(ここまで徹底すると)素晴らしい。アールヌーボー調で統一されたそれは、古さも味になり、悪趣味寸前とも言えるものがすべていい方に転んでいる。というか、こういう古さを維持したレストランが日本には少なすぎるのだ。バブル期に建て替えすぎたせいである。そういう意味で貴重なインテリア。広々とってあるテーブルまわりもなかなか良い。ステンドグラス状に仕切られた半個室は(ホテルの用途としてよくある)ちょっとした会合などにもちょうどいいだろう。
このように、プライドと歴史を感じさせるいい店なのだが、弱点は料理である。街場のフレンチのレベルが格段に底上げされたいま、ここより刺激的で美味しい料理はちまたに溢れてしまっている。もちろん美味しくないわけではない。美味しいのだが、奔放に工夫し流行を取り入れ個性を打ち出した他のフレンチと闘うにはちょっと弱すぎる。というか、やっぱりホテルフレンチは誰にでも美味しく思われる無難さが求められるだろうから仕方がないのだ。それがちょっと気の毒に思えてくる。
でも、この店の存在意義は「このままで高レベルで安定し続けること」なのだろう。街場のフレンチは不安定だ。なくなるのも早いし味は流行によって左右されていく。でもここに来るときっと20年後でもこの味がこのまま味わえる、そんな安定感。それはそれで移り変わりが早い日本においては至極貴重。また年を取ったらゆっくりここにフレンチしに来たい。そんな想いで店を出た。01年8月。
オステルリー・スズキ(赤坂)
東京都港区赤坂5-4-17/03-3585-6080/11.30〜14/18〜22/日祝休/6000円〜
フレンチ。親密でおいしいオステルリー。Hostellerie(オステルリー)とはフランス語で田舎風高級料理店のこと。この店は別に高級店ではないが、ブルゴーニュ地方の郷土料理を中心に実直に作って出してくれるレストランである。鈴木シェフはベルナール・ロワゾーがいたころの「ラ・コート・ドール」でシェフ・ド・ポワソン(魚料理担当料理長)を務めた方で、水の料理と称された数々のスペシャリテもメニューに載っている(それだけで組み立てた8400円のコースもある)。やさしそうでいてガッツリもしていてちょうどいい感じの料理群。少し印象が弱いお皿もあるが心が温かくなるような料理である。あえて言えば店内にどこか生活感があり、ディナーのわくわくが足りないのが難点かなぁ。インテリアの問題か整理の問題か。あともう少し料理の印象が強いともっといいレストランになると思った。サービスの録澤さんの感じがとても良い。応援したくなるタイプの店。06年6月。
カナユニ(赤坂)
東京都港区元赤坂1-1/03-3404-4776
フレンチ。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
アンフォール(青山)
東京都渋谷区神宮前3-5-4/03-3402-6486/11.30〜14/18〜21.30/水休/10000円〜
フレンチ。五十嵐シェフが独立してから味が落ちたと言う人もいる。が、ボクは十分うまいと思う。その味はわりとBASICな印象。あえて言えばこってり系。内臓系出色。サービスは普通。店はこぢんまりat home。ちなみに五十嵐シェフは96年に銀座に「マノアール・ダスティン」を出した。まだ行っていないのでわからない。
……その後「アンフォール」にランチとディナーに出かけた。後を任された菊地美升シェフは誠に立派で、とてもいい店になっていた。訴求ポイントが絞られたインパクトの強い料理で実に満足感溢れる物。美味しい。ランチは3000円と5000円。特に5000円はオススメ。夜はサービスがちょっとちぐはぐだが味はさすがにうまい。「アンフォール」は前よりどんどん良くなっている。99年9月。
※99年11月をもって菊池シェフは独立。西麻布に「ブルギニオン」を開店。後釜にはマノアール・ダスティンのセカンドが入るらしい。アンフォール、どうなっていくのだろう。
ル・カフェ・ベルトレ(青山)
東京都港区北青山3-5-15/03-5412-8851/11.30〜24/7000円〜
フレンチ。ビストロとカフェの中間くらいな印象。「ランス・ヤナギダテ」の柳舘シェフが開いた店で、彼の修行したパリの通りの名前がベルトレらしい。そういうさりげない通りにあるモダンで気軽な、市民の毎日の生活に根付いたカフェがコンセプトのようである。料理はビストロ系のちゃんとしたお皿が大半で、安価に本格的なフレンチが楽しめる感じ。チーズバーガーやクラブサンドとかもあり、かなりカフェっぽい。行く人の利用の仕方でいろんな楽しみ方ができるだろう。ポーションは大きめ。女性ならシェアして食べるのがちょうどいいかも。ワインの品揃えは少し物足りない。それと、カフェに不可欠の「フットワークの軽いハンサムなギャルソン」がいない。そう、それが一番足りないところかも(笑)。全体にバランスよい店だが、総花的にしすぎてちょっと中途半端。そんな印象。03年3月。
久しぶりに再訪。なんだかインテリアがくすんできている上にちょっと雑然としていて変な生活感が感じられるのが残念。06年2月。
ランス・YANAGIDATE(青山)
東京都港区北青山3-10-13/03-3407-3538
フレンチ。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ(青山)
東京都港区南青山2-6-15/03-5785-0799
フレンチ。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
ル・ジャルダン・デ・サブール(青山)
東京都港区南青山4-2-6南青山426ビル2F
フレンチ。実力的に都内屈指と言われる中澤シェフで、何度か通っているのだが、相性が悪いのかどうも印象的な料理に出会えない。いや、おいしいのだがインパクトに欠ける。青山霊園に面し環境はとてもいいし店内はこじんまりと親密だしキッチン前のカウンターは食いしん坊には最高の席だと思うし、いろいろと好ましい店なのだが…。ちなみにコースの作り方が良心的でとてもよい。2皿コース、3皿コース、4皿コースなどと別れていて5500円から2000円刻み。ワインもそれなりに揃っている。また、中澤シェフの叱り声は、これはもう演出のうちなのかと思うくらい頻繁に厨房から聞こえてくる。その点に関しては客の居心地がいいわけがない。99年5月。※現在は移転。
KIHACHI(青山)
東京都港区南青山4-18-10/03-3403-7477/12〜14.30/18〜22/無休/12000円
フレンチ。無国籍風フレンチと言うべきか。おしゃれで洗練されていながら、くつろげる雰囲気。味はハテナな部分も多いが、ツボにはまると非常にうまい。サラダやキハチ風カレーみたいな単品もうまかったりする。ロケーションと雰囲気は素晴らしく、大変都会的なレストランだ。その点は非常に評価しているし、東京のレストラン界に与えた影響も大きい。97年1月。※ご存知のようにその後大々的に展開し、チェーン店化している。評判のいい店もあれば悪い店もある。
レ・クリスタリーヌ(青山)
東京都港区南青山5-4-30カサセレナ1F/03-5467-3322/11:30〜14:00/18:00〜21:30/月休/10000円〜
フレンチ。演出にこだわったレストラン。プレゼンテーションを重視していてちょっとした驚きと期待感がなかなか楽しいが、料理がちょっと残念かも。例えば、クリスタルのお皿に盛られた料理をテーブルに仕込んだライトで下から照らす演出。これはたいへん美しく楽しいものだ。料理もそれを意識して光が透ける素材(薄く切った切り身とかジュレとか)を多用しており女の子なら「キャーきれい!」と騒いでくれるだろう。が、食べてみるとハテナ。こういうことなら別に無理して輝かせなくてもいい(光の演出が入ったコース(8500円)を「輝くクリスタリーヌ・コース」と名付けている)。
また、揃えてあるワインがすべて無農薬・有機農法のもの(20種類くらい)だったりフレンチでは珍しい「穴子のソテ」をメインに出したり「パスタ」がメニューにあったり「熊笹のグラニテ」なる口直しが出たり……と、インパクト強く客を楽しませようという意図は充分感じられるのだが、その演出もそんなにボクの心には届かなかった。ちょっと中途半端で空回りして感じられる。
そういう思いはサービスについても感じた。きちんとツボを押さえてくれない。シェフは南仏のレストランで修行をしたらしくパンフレットでも大きく強調してあった。でも、少なくともボクが食べた料理からは南仏感は感じられなかったな。97年10月。
ジョエル(青山)
東京都港区南青山5-6-24 2F/03-3400-7149/12〜14.30/18〜22/無休/15000円
フレンチ。ポール・ボキューズの愛弟子ジョエル・ブリュアンのレストラン。日本でもっともフランスらしい店、と評価する人も多い(1990年代の話だけど)。スズキのパイ包み焼き(お〜何とベーシック)がうまいらしいが残念ながらまだ食べていない。つまり、そういうクラシカルな料理をゆっくりたっぷり楽しみたいときに行くべき店なのかも。96年3月。
リー・スコーピオン(青山)
東京都港区南青山 5-12-24シャトー東洋南青山B1F/03-3406-0112/11.30〜14.30/18〜22/無休/8000円〜
フレンチ。入り口からなかなか強い印象を残す。二階まで吹き抜けたバー・スペースがあり、雰囲気がいい。そこからレストランスペースまで歩くのだが、打って変わって狭い通路を行く。あれっと思っていると、またまた意外なほど広い空間が現れる。モダンでシックなバースペースに比べて、ちょっとクラシックなレストラン空間は意外なほど薄暗く、雰囲気はいい。こういった演出がなかなか楽しく全体に非日常感を醸し出している。
料理は懐石風で、少量多種類を次々出してくるタイプ。皿も盛りつけも美しく、次は何かなと期待する楽しさがある。ただ、味の印象としては「キレイだが印象の弱い」「凝っているがポイントがわからない」という感じ。志も工夫も感じられるが、焦点がなく拡散してしまっている。でも、紅虎餃子グループが経営しているだけあって中華素材のものもあり、それは面白かった。
ワインリストは見事。ただソムリエがなにやら興奮しやすいたちなようで、こっちまで緊張させるほど緊張して大声で説明する。もうちょっと自然にやってほしい。食後はデザートを待たず、先ほどのバースペースで食後酒、珈琲などを楽しめる。夜も遅いと業界風の人々がバーだけの利用に集まってきていて、気分がガラッと変わってこれはこれでとてもいい。骨董通りから歩いてこれる立地だから、客はみなお洒落。隠れ家的に知っておいて損はないレストランだろう。01年12月。
ラ・ブランシュ(青山)
東京都渋谷区渋谷2-3-1 青山ポニーハイム2F/03-3499-0824
フレンチ。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
オコション・ローズ(代官山)
東京都渋谷区恵比寿西2-17-5
フレンチ。2001年に6年ぶりに訪問したが、あらゆる面で成長し進化をとげていた。規模は小さく、夫婦でこじんまりやっている店ではあるが、いまもっとも輝いている一軒と言ってもいいかもしれない。
6年前は店名の「バラ色の豚」の置物がそこかしこにあった、ちょっとファンシーな店だったが、現在はとってもシャープでクレバーな雰囲気に変わっており、モダンさが前面に立っている。まずメニューが美しい。そしてそれは料理のセンスの良さ、食器のセンス良さなどにもつながっていく。料理はどれも「おお!」と声を出して驚いてしまうような美しさと創意工夫を持つ。そしてしっかりうまい。美しくても弱々しい料理ではなくちゃんと強い。
サービスはマダムがひとりで切り盛りしているので、さすがに手が回らないときが多い。でも巷に言われるような「素人くさいけど気持ちよいサービス」ではなく、プロ意識をちゃんと持った一流のサービスだった。あとひとりサービス人を増やすと随分違うとは思うが、でもこの店の雰囲気も変わっちゃうかな…。
6500円のコースは、しっかりしたアミューズに、オードブル2皿、メイン、アバンデセール、デセール、ティーと充実している。量的にちょっと不満が残るが(女性なら充分かも)、どの料理にも驚きが隠されていることもあり、素晴らしいコースと言えるだろう。塩加減や焼き加減が完璧で、素材の味が極限まで絞り出されている。食後にはぜひハーブティを。瓶ごといろいろ持ってきてくれ、それぞれを嗅ぎながらブレンドを楽しめる。01年9月。
※2005年2月19日にて閉店。シェフは別のパートナーを得て「l'Essence」というビストロを開いた。
ラ・ヴィーナス(代官山)
東京都渋谷区鉢山13-12/03-5489-2438/12〜14/18〜22/火休/15000円
フレンチ。女性を意識したフェミナンな雰囲気のレストラン。ファンシーと高級感の間を上手に狙っている感じ。コースは4コース。7500円〜1万2000円。それぞれ前菜3品は共通で、コースの違いはメイン料理の違い。有名な大渕康文シェフの全盛期の料理を僕は知らない。でも当日食べた料理が彼の実力ならちょっと残念である。丁寧できれいな洗練された料理ではあるのだがインパクトが全くない。サービスもいまひとつ。もてなそうという気持ちにかけている印象。フェミナンな雰囲気と相反する。優しいが中性的でちょっとひ弱。そんなレストランかも。なお、サービス料は14%。水を取ると200円取られる。97年1月。
ル・プティ・ブドン(代官山)
東京都渋谷区鉢山町13-13/03-5457-0086/無休/7000円〜
フレンチ。渋谷の「エブリーヌ」にいたフィリップ・バットンシェフが独立して開いたフレンチ。エブリーヌ時代はその味を求めてフランス人が毎日大挙して訪れていたが、こちらに移ってからもその腕は衰えないようだ。素材を活かしてドンと強い料理をだす。うまい。店の雰囲気はモダンでシック。ちょっとカフェっぽいところがなくはないが、中間色の色使いがとてもうまく、料理の雰囲気にもマッチしている。まだサービスが安定していないのが難点。98年12月。
マダム・トキ(代官山)
東京都渋谷区鉢山町14-7/03-3461-2263/12〜14.30/18〜22/月休/15000円
フレンチ。代官山にあり、東京でも最高クラスのロケーションを持つ一軒家レストラン。見事な洋館で、「王様のレストラン」のロケ地にもなった。が、料理自体はボクには合わなかった。バランス悪く魅力に乏しい。サービスも気位が高いだけで客を楽しませようという雰囲気に欠けている印象。もうちょっと全体に楽しさを追って欲しいと思う。94年12月。
コンコンブル(渋谷)
東京都渋谷区渋谷1-12-24/03-5467-3320/11.30〜14/17〜22.30/無休/4500円〜
ビストロ。コンコンブルとはきゅうりの意。「レ・クリスタリーヌ」系列店。「レ・クリスタリーヌ」は実はあまり好きではないので、どうかなぁと思いながら出かけたが予想はいい方に裏切られた。渋谷宮益坂入り口近くにあり、場所柄ざわついているが、かなりよいビストロになっている。料理はそれぞれガツンと迫力があるいい味なのにそれぞれきっちり安いといううれしさ。コースは3800円からあるがアラカルトも十分安い。ワインも安くデザートも安い。このコストパフォーマンスがすべてであろう。インテリアは赤系で統一されているが、ちょっと場末っぽいセンスかな。席も詰め込んでありちょっと落ち着かない。サービスもほとんどない。そういう意味ではデートなどには向かないかもしれないが、うまいものをガハガハ食べるという「うまいもの屋」的に使うなら最高の一軒だろう。男同士で安ワイン片手に馬鹿話するのに打ってつけの店かもしれない。03年8月。
ラ・ロシェル(渋谷)
東京都渋谷区渋谷2-15-1 東邦生命ビル32F/03-5485-4889/12〜15/18〜23/月休/15000円
フレンチ。鉄人として名高い坂井シェフの店。この店はどうやらコンセプトをフレンチ入門者に絞っているようだ。もしくはそういう客が多いので自然にそうなったのだろうか。とにかく入門者にはとてもわかりやすく良く出来た構成になっている。つまり、アミューズから前菜、スープ、メインの魚・肉、グラニテ、デザート、コーヒーと、別料金のチーズを除けばフレンチの一般的フルコース(スープが入るのは異論もあろうが)が8500円というそれなりの安価で楽しめるのだ。きちんとリスト化してある食前酒。コースに値段を合わせた安価なワインリスト。料理メニューもわかりやすく、メニュー説明も小難しい仏語を使わずやさしい。雰囲気も夜景を含めてなかなかだし、なにしろ「鉄人」がいるのだから、初心者がフレンチを好きになる良いきっかけになるのであればこの店の価値は十分にある。
でもだ。「入門者用定食屋」であることに坂井シェフは満足しているのだろうか。問題の料理はインパクトのない無難なもので盛りつけも普通。思い出に残るようなものではない(特にメインが弱い)。また、サービスもマニュアル的。最悪なのは入店・出店時の対応。迎えない、送らない。連れを待つためにウエイティングバーに入ったら連れが来るまでまるで無視。なにも聞きにこない。しかもそこは従業員の通路。いたたまれない。入門者に安く高級店の雰囲気を味わってもらうという考え方にしても、これではちょっと…。96年10月。
マノワール・ディノ(渋谷)
東京都渋谷区渋谷4-1-13/03-3406-0200
フレンチ。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
VIRON(渋谷)
東京都渋谷区宇田川町33-8/03-5458-1776/9〜24/無休
ビストロ。シンプルな工程で作られる昔ながらのバゲット「レトロドール・バゲット」を作っている製粉メーカー「ヴィロン」の直営店。一階がパン屋で二階がビストロ(正確に言うと、ブーランジェリー/パティスリー/ブラッスリー)。
本場パリでも本物のバゲットは長く失われていた。1960年代から機械こねとそれに耐えるアメリカ産やカナダ産の強力粉が席巻し、昔ながらの味が失われていたのである。近年それが見直され「昔ながらのバゲットの味を取り戻せ」といろんな運動が起こり、いまや完全に復活した。そこで使われたのがフランス産小麦粉「レトロドール」である。そしてそれを作っている製粉メーカーの名前が「ヴィロン」だ。
「レトロドール・バゲット」は、いままで知っていたバゲットと全然違うのがひと目でわかる。まず細い。そして中(フランス語で「ミ」と呼ぶ)が黄金色をしている。んでもって大きな気泡がいっぱいあいている。さらに皮が香ばしくムチッとしている。んでもってひと口食べるとこれまたビックリ。香りがグガーッと濃厚に立ち上る。全体にものすごくムチムチで骨太。バゲットって本当はこんな味だったのかーと驚くこと確実。実にんまい。
聞けば、日本でこの味を再現するのには相当苦労したらしい。小麦粉レトロドールと日本の軟水が合わないという。だから贅沢にも硬度が高い(値段も高い)コントレックスを混ぜた水で練ってるらしい。それでやっとこの味になっているのだな。なるほど。
二階でももちろんこのバゲットは食べられる。典型的ビストロ料理を出してくれ、そのレベルは意外と高いのでバゲットとともに相当楽しめるであろう。東急文化村の前で朝から深夜までぶっ続けでやっているので観劇前後にも使える。んでもって、食後は1階でレトロドール・バゲットを買ってお土産にする。なかなかシアワセ。05年3月。
エブリーヌ(渋谷)
東京都渋谷区神泉町10-9
フレンチ。敢えて位置づければ、レストランとビストロの間、という感じだろうか。レストランのくつろぎとビストロのざわめきが同居している。ゆったり静かに食事を楽しむには開放的かつ賑やかすぎるし、ビストロ的に気軽に楽しむにはちょっと高級である。そこらへんを両立しているととるか中途半端ととるかは意見が分かれるところ。2階の席からはテラス越しに通りが見え、大きな窓が開放的でインテリアもよく吟味されている。シェフがフランス人のせいであろう、外国人客が多いのだが、日本語とフランス語が適度に交じり合い、そのさんざめきが耳に心地よい。サービスは丁寧だが受け身でちょっと冷たい。フランスの明るいギャルソンのような楽しさがあればこの店はものすごく良い店になると思う。
料理は濃いめの味つけ。日本人の味覚に合わせず作っている感じでなかなかおいしい。特筆すべきはメニューの楽しさだ。7000円のコースは冷製オードブル、温製オードブル、スープ、魚料理、肉料理、デザートがすべてアラカルトから選べる。内容説明もメニューにしっかり日本語で書いてあるし、量も多すぎず少なすぎず適当でとにかくリーズナブルだ。この店では断然コースをおすすめする。98年3月。
※98年11月にシェフであるフィリップ・バットンは代官山「ル・プティ・ブドン」に移った。「エブリーヌ」は2003年11月閉店。
メゾン・ド・ピエール(渋谷)
東京都目黒区大橋2-4-24
フレンチ。池尻大橋から歩いて5分。住宅街の中にある一軒家レストラン。グランドメゾン系なのかと思ったら、店内わりとカジュアル。かといって砕けすぎているわけでもない。敢えて言えばアメリカの田舎のヨーロッパ調レストランという趣かな。家族で気楽に使いたい感じ。
料理はちゃんとおいしい。コースは、5皿プラスデザートという構成で、質、量ともに充実している。食べた中では「フォワグラのフラン、トリュフソース」が忘れられない味であった。デザートがイマイチなのは残念だったが、全体に印象深く、これで8000円はまぁまぁだと思う。一方、サービスはいまひとつ。楽しくない。一所懸命ではあるが目が笑ってないメートルで、あの目でテーブルや所作をチェックされるとなんだか縮こまってしまう。とてもおいしいのだが積極的に訪れるには敷居が高い、そんな感じの店である。ちなみにシェ・イノ系。00年12月。
※2001年に閉店。
ワイン亭(渋谷)
東京都渋谷区円山町6-3-102サンハイツ道玄坂1F/03-3463-6061/8000円〜
ビストロ。とてもいいソムリエールがいて、ワインの種類は量質ともにかなり揃っている。渋谷のラブホテル街の一角にあるのでなんだか怪しげなのだが、ワイン亭とストレートに名乗るにふさわしい質量。料理もそれぞれ野心的で決してワインの脇役ではないぞと主張しているようだ。店内は適度に古びていてくつろげるし、ソムリエールは気持ちいいし、わりと掘り出し物の店かもしれない。ただ…決して安くないのが玉に瑕。料理やコース構成は安い。が、売り物のワインが結構いい値段なのだ。惜しい。神泉駅から近いが、渋谷からだと道玄坂をずっと上がってセントラルインの斜め前を右折。一つ目を右折した右側。00年2月。
ミラヴィル(渋谷)
東京都目黒区駒場1-16-9/03-5738-0418/11.30〜14/18〜21.30/水休/6000円〜
フレンチ。淡島通り沿いにある小さなレストラン。モダンで楽しげな外観は中に入っても裏切られず、あー今日はいい食事になりそうだと期待させる。入り口横と奥に部屋があるが、入り口横のテーブルに座ると厨房で料理している姿がすべて見え、非常に楽しい。
メニューも楽しい。詳しく説明が書かれていてじっくり選べる。サービスと話す知識や自信がない客には特にうれしいセッティングだ。ワインリストも解説が書いてありこれまたうれしい。コースは4800円と6200円のふたつ。安価だが量も質もたいしたものである。ただ、全体にインパクトよりバランスで食べさせるタイプの料理のように感じた。それぞれのお皿の印象が弱い。もうちょっとコース構成にメリハリがあると良いなと思う。丁寧なのだが、客の脳裏に印象を強く残す料理がひとつあるかないかは大きい。
実は訪れた当日、急にサービス陣が辞めてしまったらしくバタバタしていた。電話予約の段階から「早く店に行きたい」とワクワクさせるような応対の女性サービスの人が前日に辞めてしまったらしいのだ。素晴らしいサービスを期待させる女性だったのだが…。それもあって厨房・フロアともにばたついていた。好ましい店だし応援したくなるが、もうちょっと全体に強さが欲しいという印象。01年10月。
オーバカナル原宿店(原宿)
東京都渋谷区神宮前1-6-1 パレフランス1F
フレンチ。「パリの街角ビストロ」的雰囲気を味わうなら都内でも屈指の店。ビストロというよりブラッスリーかな。とにかく座っている客が日本人でなければほとんどパリと見分けがつかない店内である。たとえば地下のトイレに行く通り道の感じとか、まるでフランスである。立地も含めてそういう雰囲気を楽しむ店だろう。
店に入りメニューを眺めていると、次々と「今日のおすすめです」と言って食材を持って見せにくる。食欲をそそりウキウキしてくる。とてもいい演出だ。そして黒板のおすすめメニューもどれも魅力的。食を楽しむ意欲が店中に溢れていて気持ちがいい。料理は「仔羊もも肉」や「ブレス産若鶏」など、すべてそれなりにおいしいし、豪快で雑な感じも店の方向性に合っている。カジュアルにジーンズで楽しめるフレンチとしてはかなり高いレベルだと思う。ハレの日などには向かないが、気軽なデートや仕事帰りにウハハハハが似合う店である。残念なのはワインの品揃え。もうちょっと楽しい品揃えになるともっとうれしい。01年9月。
※原宿店は閉店。現在、赤坂店、紀尾井町店、大崎店、銀座店、博多店、京都店がある。いくつか行っているがどの店もパリっぽい雰囲気を出している。
アローロ(麻布十番)
東京都港区麻布十番1-7-5フェスタ麻布6F
フレンチ。コースが3800円のみという格安フレンチ。それも内容が決まっているのではなく15種類くらいずつの中から前菜・メイン・デザートと選べる方式。そしてそれぞれが本格的な味と量なのである。そう、この店は驚異的にコスト・パフォーマンスのいい、都内でも屈指のフレンチレストランである。もともと高級イタリアンだったお店を居抜きでフレンチの店にしたので、安い店とはいえなかなか豪華な雰囲気。大きくとった窓からは東京タワーが見える(夏はそのテラスで食事も出来る)。「仔羊の鞍下肉のロースト」などこの一皿だけで3800円とる店がほとんどだと思う。気軽な仲間と、どうぞ。97年1月。※閉店した模様。
グランデール(乃木坂)
東京都港区南青山1-19-7 クラインシュロス1F/03-3796-8083/11.45〜14/18〜22(祝日〜21)/日休/6000円〜
フレンチ。コストパフォーマンスに優れたバランスのいいレストラン。住宅街にポツンとあるという立地条件もあるのだろう、あらゆる層に受けることをよく考えたレストランのような気がする。お洒落な店なのだがお洒落すぎないし、親密な雰囲気なのだが親密すぎない。例えば、内装は白を基調にしているが、決して冷たい感じはしない。かと言って住宅街にありがちな親密すぎる空間でもない。くつろげるし、ゆっくり楽しめる。そして応用がきく。つまり、デートにも使えるし、夫婦の記念日にも使えるし、男同士や女性同士、もしくは(個室もあるから)子供連れにも使える。こういう店を一軒知っておくと便利である。
そういう幅の広いバランスの良さは、料理にもあらわれている。夜はメニューからいろいろ選べる形式の4500円のコースが基本。オードブルからスープ、メイン料理、デザートまで、4500円とは思えない質と量を楽しめるのだが、全体にとってもバランスがいい。お皿の上は実にキレイに演出されているが、味はいい意味で家庭的で安心できる。調理の仕方も素材も含めてヘルシー志向の料理だし、量も料理の流れも実によく考えてあると思う。サービスも、つかず離れず。これもバランスがいい。ワインの品揃えも全体にバランスが取れている。総じて、4500円で得られる時間としてはかなり満足が行くと思う。01年12月。
LA CHASSE(六本木)
東京都港区六本木3-5-7/03-3505-6144/18〜26
フレンチ。「ラ・シャッセ」と読む。六本木の裏道にひっそりある隠れ家。暖炉があるフレンチで、シェフ自ら撃ってくるジビエが売り。暖炉もジビエも真冬が楽しいので冬に行くのがオススメ。昔、綱島にあったレストランで、シェフはその後さる実力者に見込まれて品川の「DEAN & DELUCA」を手伝い、その後いまの立地でレストランをするに至る。店に入るとカウンター。カウンターの左端に暖炉。右奥に水槽(新鮮な魚介類が泳いでいる)とテーブル席。そして厨房奥には秘密のカウンター席(綱島時代の常連さん用)もあって、なんだか不思議な造り。全体にとても暗く雰囲気は抜群。なんだかとても落ち着ける。前菜もメインもしっかり強い味付けでなかなかいい。この立地と雰囲気の驚きを含めて思わずヒトに紹介したくなる。たとえば二軒目くらいで誰かを黙って連れていくと、きっと驚いて喜んでくれるだろう。瑣末なことだがメニューを書いている女性の字が実にうまい。黒板の字もいい。上手な字フェチにはたまらない店でもある(笑)。06年2月。
ポワン・ドゥ・デパー(六本木)
東京都港区六本木4-4-2 六本木協和ビル東館B1F/03-5775-1488
フレンチ。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
まっくろう(六本木)
東京都港区六本木5-16-8 エジックハイツB1
フレンチ。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
オー・シザーブル(六本木)
東京都港区六本木7-13-10/03-3479-2888/12〜14/18〜22/日休/15000円
フレンチ。1978年開店。店名は仏語で「六本木」の意。ボクがフレンチを本格的に食べ始めた頃よく通った店である。シックなインテリアでこぢんまり気持ち良い。六本木の裏通りということで、場所のわりに静かに食事を楽しめる。オーナーの関根氏の元からキラ星の如く優秀な弟子たちが育ったことでも有名。勝又登氏、五十嵐安雄氏、川崎誠也氏、谷昇氏など錚々たるメンバー。現在も関根マダムがホールを仕切り、極上のサービスは健在。味的に唸ったことはあまりないががっかりしたことも一度もない。総合力で優れたレストラン。全体的にくつろげる、成長を怠らない古き良きフレンチという感じ。95年10月。
ブーケ・ド・フランス(六本木)
東京都港区六本木7-8-19/03-3497-1488/11.30〜13.30/18〜21.30/火休/8000円〜
フレンチ。ロワゾーブルーやターブルドコンマにいたマダム原田が旦那であるシェフと開いた小さなフレンチレストラン。マダム原田のつかず離れずの絶妙なサービスは健在で、店も親密な雰囲気。店の小ささがいい方に向いている。だが、難点は料理。印象に残るものがなかった。それなりにおいしいのだがインパクトがあまりない大人しいもの。名物の豚コースを頼んだが、どの料理もちょっと中途半端な印象で残念。もう少し期待したのだが。そのうち再訪してみたい。99年7月。
ル・レカミエ(六本木)
東京都港区元麻布3-2-3/03-3408-5044/11.30〜14/17.30〜22/月休/12000円
フレンチ。一軒家の洋館を改造してレストランにしている。全体にくすんだイメージの店内はちょっと暗くて楽しさがあまりないのが残念。味も特に印象に残らない。コストパフォーマンスも悪い。ボクには合わないレストランだった。94年8月。
ル・セップ(飯倉)
東京都港区麻布台3-4-12麻布台ロイヤルプラザB1F/03-3588-0558/18〜23(ワインバー22〜26)/日休/5000円〜/http://www.le-cep.net/
ビストロ。というか、ワインバーとして利用することの方が圧倒的に多い店。有名ソムリエ渋谷康弘氏のオーナー店で、彼が追い求めているビオ・ワイン(ビオディナミ・ワインやヴァン・ナチュールとも呼ぶ。簡単に言えば有機栽培のぶどうで作ったワイン)とスローフードな郷土料理とをテーマにしたビストロ&ワインバー。舌にもカラダにも優しいビオ・ワインを楽しみつつ、フランスの地方家庭料理(イタリアなどの郷土料理もある)を食べる店なのである。料理のコースは3900円。優しい味でボリュームもまぁまぁ。インパクトが強いわけではないがしっかりおいしい。というか、全体にこの店は翌朝が気持ちいいんだよね。胃にもたれず、二日酔いもしないので、深夜メシに最適かもしれない。内装は落ち着いたアンティーク調。サービスは明るく気持ちいい。六本木から東京タワーに向かっていき、飯倉片町の交差点を越えて「キャンティ」を越えてすぐのあたり。02年10月。
ザ・ジョージアン・クラブ(西麻布)
東京都港区西麻布1-6-4/03-5412-7177
フレンチ。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
OHARA ET CIE(西麻布)
東京都港区西麻布1-11-15 西麻布Y-FLAT B1F/03-5785-3485/11.30〜15:.30/18〜23/日休/6000円〜
フレンチ。西麻布の交差点から六本木を向いて左側、六本木通りの一本裏の静かな通りの西麻布にほど近いところに2000年に出来た洒落たレストラン。お洒落っぽいビルの地下にあり、白を基調としたインテリアで清潔感と透明感にあふれている。天井からのスポットライトと間接光で演出されたテーブル上にきれいに料理が並び、お客は安心していい時間を楽しめることだろう。料理はいい意味でそつがない。印象に強く残る味もないけど、どれも平均しておいしい。当日、メインにシェフのスペシャリテである「うずらの備長炭ロースト」をいただいたが、焦げ具合もちょうど良くおいしいものだった。でも、これがスペシャリテと言われるとやっぱり少し弱い。同行者がオーダーしたウサギも、柔らかくフワフワ仕上げてあってうまいのだが、やっぱり少し印象が弱い。
ただ、やたら印象に強い料理なんか食べたくない時、お洒落な空間でモダンにあっさり食事を進めたい時、夏の暑い日にコースをすっきり胃に収めたい時、この店はわりと「いい感じ」である。「軽くフレンチでも」なんていうときにちょうどいいのではないだろうか。そういう意味では、置いてあるワインがボルドー的強めなワイン中心であるのがちょっとバランス悪く感じた。もっとあっさりさっぱり、さわやかなワインを多くした方がニーズに合っているように思える。
サービスは女性が孤軍奮闘がんばっている。シェフも客席に頻繁に顔を出し親しみが持てる。敢えて言えば、場所的に仕方ないとはいえ、もう少しだけ安いとお客としては利用しやすくなる、かな。今でも十分リーズナブルなのだが(最低コースが5000円)、3800円〜4200円くらいのコースがあると、この店のいいところがより強調されてくると思うのである。
あ、あと、店名がわかりにくい。「OHARA et CIE」では読めない。オハラ&チエ、って感じかと思ったら(笑)、「大原カンパニー」的意味だとか(CIE=CO.LTD.みたいな意味なのだそうな)。だからシーアイイーと読むらしい。店名がわかりにくいのは、レストランとしてはちょいと不利かも。01年7月。
ルテシア(西麻布)
東京都港区西麻布2-25-12/03-5464-2380/6000円〜
フレンチ。西麻布の交差点にほど近い場所にあるこぢんまりと落ち着けるレストラン。パリの小さなレストラン、といった風情でなかなか雰囲気はいい。4500円のコースをいただいたが、アミューズから始まってグラニテも出てくるほどの充実。前菜もメインも6種類ほどの中から選べ、メインで当日食べた仔羊のロティはとても良かった。サービスは(ボクが行った日は)ひとりでフルに回転していて、満席だったらどうするのだろうと心配になる感じ。料理に特に不満はなく、ちゃんとおいしかったが、印象に残るお皿は少なかった。惜しい感じ。02年1月。
Cot(西麻布)
東京都港区西麻布3-17-22 B1F/03-5775-7457/18〜26/日祝休
フレンチ。レストラン・コット。フレンチをベースにした創作料理。六本木にあった名店「まっくろう」の若いシェフと名物メートルがここに移って2005年8月に開いた。「まっくろう」のエッセンスはいまこの店に継承されている。その季節季節のおいしいものをそれに一番あった調理法で提供してくれる店で、フレンチ・ベースではあるものの、イタリアンにも洋食にもこだわらない感じ。メニューは一応あるが、名物メートルと相談して組み立てていったほうが楽しい。お箸でつまむ軽い前菜やしっかり食べ応えのある重厚な味のメイン料理まで、いろいろ説明してくれつつきちんと構成してくれるだろう。メニューにない料理もどんどん提供してくれる。極端な話、〆にうどんが食べたいと言えば、うどん風にアレンジしたパスタをさっと作ってくれる。そんな店である。「まっくろう」よりはずいぶんお安い印象(おまかせコースで8000円。もちろんわがままいろいろ言ったらこの限りではないが)。なんだか漠然と「おいしいものが食べたい…」と思う夜などにこの店は最適だ。ボク的には、どうしても「まっくろう」と比べてしまい、やはり料理のインパクトや完成度がもうひとつと感じてしまう。もうちょっとだけ年月が必要なのかもしれない。奥に個室あり。芸能人比率は相変わらず高い。05年9月。
クイーン・アリス(西麻布)
"東京都港区西麻布3-17-34 "
フレンチ。残念ながら相性が悪かったようだ。鉄人シェフ石鍋裕氏の店で、すべてはこの店から始まったという意味で旗艦店でもあるのだが、ちょっと定食屋と化してしまっている感あり。いかに効率よく儲けるかに重心が移ってしまった印象を受ける。客を面倒なく早く送りだしてしまいたいというあからさまなサービスを受けたこともある。そして17%もサービス料がついていたりする。白を基調としたインテリア、美しい庭など、ロケーションは最高なのだが残念だ。再訪していないが、その後どうなっただろうか。「クィーンアリス迎賓館」など、いろんな展開をしているようだが…。96年4月。
すでに閉店。その後の「クィーンアリス・グループ」の展開についてはコチラ参照。
ビストロ・ド・ラ・シテ(西麻布)
東京都港区西麻布4-2-10/03-3406-5475
フレンチ。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
アルモニ(西麻布)
東京都港区西麻布4-2-15/03-5466-6655
フレンチ。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
クリニャンクール(西麻布)
東京都港区西麻布4-3-10/03-5469-0888/11.30〜14/18〜21.30/日休/12000円
フレンチ。コストパフォーマンスについてよく考えられたレストラン。アラカルトのメニューから選択できるコースが4つ設定されていて、それぞれ5500円(前菜1メイン1デザート)、7500円(前菜2メイン1デザート)、8500円(前菜1メイン2デザート)、1万円(シェフのお任せ)の4つ。メインは魚と肉から選ぶようになっている。秀逸なメニューだ。だが、料理、サービスともにちょっと「ぼけた」ところがある。まず料理。工夫がそこここに感じられきれいに仕上がっているのだが、インパクトに欠ける。若手シェフ集団「クラブミストラル」を率いる宮本シェフの志の高さは感じられるがそれが安定してお皿に定着していないような印象が残念だ。サービスも丁寧ではあるがちょっと受動的でフロアへの目配りも十分ではない。食べている人を楽しくさせようという感じに欠ける。インテリアもくすんだ感じ。もう少し楽しさがほしい。97年6月。※閉店。
レカイエ(白金)
東京都港区白金台5-3-8/03-6408-0879/12〜14.30/18〜22/無休/6000円
フレンチ。2001年5月に白金のプラチナ通りにオープンしたフレンチ。ワインショップの「エノテカ」系列らしく、ワインの品揃えはなかなか充実している。広くて直方体の店内は一見フランスのブラッセリーか、海岸沿いのリゾートレストランみたいでいかにもおいしそうな雰囲気だが、タイルの壁とステンレスのガラスケース(魚介類が豊富に入っているのが見える)、暗い照明、幅広く取られたテーブル間などの印象からかちょっと寒々しくも見える。夏は気持ちいいが(行ったのは初夏)、冬は少しぬくもりが足りないかも。それとなぜか声が通りにくく、同行者と話すのにふたりとも声が枯れてしまった。魚介類に強いレストランという噂なので魚介類中心に注文したが、もちろん肉のメニューもある。名物らしい「スープ・ド・ポワソン」はそんなに印象に残らなかった。全体的に料理はちょっと残念な結果に終わった。ちなみに店名は「牡蠣の殻を開ける人」という意味。03年6月。
モレスク(白金)
東京都港区白金台5-3-3/03-3445-2880/19〜26
フレンチ。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
ラシェット・ブランシュ(白金)
東京都港区白金3-2-2 パール白金1F/03-5420-6720/12〜14/18〜21/水休/6000円〜
フレンチ。数年前はなんにもなかった四の橋周辺も、この店や「ラビラント」の登場で一気に美食地区に変身しそうな勢いである。相変わらず交通手段に困る地域ではあるが、一見喫茶店みたいなこの店は、わざわざ行っても後悔しないであろう料理で我々を出迎えてくれる。
名店「コートドール」出身のシェフが作る料理は食べた人に強い印象を残すタイプ。まだ「コートドールの廉価版?」という料理もあるようだがそれはそれでお得だし、シェフのオリジナルと思えるお皿も丁寧かつ誠意いっぱいに作ってあり、実に美味しい。強く出るところは強く、弱く引くところは弱く、メリハリの利いた料理群であった。
サービスは女性ひとりで対応していたが、距離感の適切な気持ちの良いものであり、さわやかであった。というか、料理もサービスも内装もすべて「さわやか」であった。清潔で、押しつけがましさは微塵もなく、謙虚。お客が気楽に楽しむために料理もサービスも内装も謙虚に存在する…そんな想いが伝わってくるような空間である。人によっては素っ気なさ過ぎるとか感じるかもしれないが、ボクにはちょうどいい感じであった。
夜と昼は同じメニュー。昼の方が同じ料理でポーション(量)・値段ともに2/3くらいになっている。どちらもコースはないが、アラカルトを選んでいっても決して高価にはならないだろう。デザートも美味だし、ワインもとても安い。これでパンをもうちょっと美味しくしてくれてチーズを増やしてくれたら、もっと良い店になるだろう。なお、サービス料は取らない。01年8月。
ラビラント(白金)
東京都港区白金3-2-7/03-5420-3584
フレンチ。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
プティ・ポワン(広尾)
東京都港区南麻布4-2-48/03-3440-3667
フレンチ。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
ひらまつ(広尾)
東京都港区南麻布5-15-13/03-3444-3967
フレンチ。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
アラジン(広尾)
東京都渋谷区恵比寿2-22-10/03-5420-0038/12〜14/18〜21.30/無休/10000円
フレンチ。人気店ではあるがボクには合わないようで、何度行ってもなんかいまひとつな印象になってしまう。サービスは好意的でとてもいいが、味・雰囲気ともになんか合わない感じ。メートレス(マダムか?)をはじめサービス陣は好意に満ちているのだが、客の詰め込み方がまず厳しい。詰め込みすぎるから客の後ろに回れず、サービス陣はやむなく客にお皿を回させたりする。味も「美味しさ打率」みたいのがいまひとつ高くない印象。巷でかなり評判が高いだけにたまたまだと信じたいが…。96年8月。再訪数回。
ラ・ピッチョリー・ドゥ・ルル(広尾)
東京都渋谷恵比寿2-23-3/03-3440-5858/18〜27/月休
ビストロ。レストラン「シェ・トモ」の市川シェフがオーナーの店。大きなL字型カウンターを中心とした店内は木が多用してあり、落ち着きと美味しさを感じさせる。田舎のバルって感じでとてもいい雰囲気に仕立てられている(ちょっとファンシーなくらいな雰囲気作り)。料理はバスク地方を中心とするフランス郷土料理を出す。フランスで日常的に食べられている料理がメニューに並ぶ。コースはなくアラカルトオンリー。やさしい味付けと豪快な量が印象的。もう少し強さがあるともっといいかも。たぶん日常使い的に「ワインとカスレ」とかを食べに行くのが似合う店だし、そういう使い方を望まれているのだと思う。深夜3時までやっているのもうれしい。ちなみに「ピッチョリー」とはバスク地方の方言で酒場とかブラッスリーのこと。店名は「ルルの酒場」みたいな意味かな。05年6月。
IKEDA(広尾)
東京都港区南麻布5-1-27
フレンチ。ひらまつ系のレストランだが、池田シェフとマダムが丁寧に店を作っている感じがとても親密で、そういう意味でチェーン的な感じを受けないレストランだ。内装はかなりお洒落で、ハイソなイメージを醸し出しているのに、マダムの笑顔から来るちょっと家庭的なもてなしが単なる流行の店とは一線を画すイメージを作りだしている。夜のコースは5000円からととてもリーズナブル。線は細めだが、きれいで丁寧な料理群である。パスタもメニューにあるあたり、フレンチとイタリアンを区別していないようで面白い。でも、シェフ、マダムともにそのホスピタリティは、本当は郊外の小さな店をひらまつ系の資本を離れてふたりで運営した方が似合う気がした。00年7月。※閉店。
シャトー・レストラン タイユバン・ロブション(恵比寿)
東京都目黒区三田1-13-1恵比寿ガーデンプレイス内/03-5424-1338
フレンチ。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
ラ・ヴェイエ(恵比寿)
東京都渋谷区恵比寿2-13-10/03-3440-4117/18.30〜24/日休
フレンチ。La Veillee。風見シェフがひとりで料理もサービスもこなすカウンター・フレンチ。店の前を通りかかるとあまりに感じがいい店なので引き寄せられるように入ってしまう。黒板に書かれた一品はどれもおいしそう。フレンチなのにパスタを置いてあるのもいい。シェフの人柄の良さが出ているメニューと味。素材を活かした軽快な料理。きちんとセレクトされているワインとともにくつろいだ時間を過ごせるだろう。カウンター9席のみなので調理する過程も楽しめる。ひとりでも退屈しない。きちんとした食事も取れるし、ワインバー的に一杯楽しむのもいい。近所にこういう店を持っている人はシアワセである。広尾と恵比寿の中間くらいにあり場所的には不便(その分騒がしい客があまり入って来なくて良いが)。04年10月。
イレール(恵比寿)
東京都渋谷区恵比寿3-29-16 ABC ANNEXビル3F/03-5475-6127/11.30〜14/18〜22/火休/8000円〜
フレンチ。店名は「非現実的なもの」という意味のフランス語。黄色と白のコントラストを強調した店内はたしかに「非現実」を演出している。テーブルクロスとカーテンと床と天井が白で、あとは全部黄色なのだ。「落ち着かなそー」と思うでしょ? でもこれが不思議。意外と落ち着けるモダンな空間に仕上がっている。インテリアの強い印象に比べて、料理もサービスも印象的にはあまり強くないのが残念。コースは4800円からで、値段的にはお得だが、キレイさが勝っていて味の印象がちょっと弱い。サラリと心を通り過ぎるという意味では現代風なのかもしれないが、もうちょっとメリハリが欲しい。サービスは丁寧で親切。恵比寿ガーデンプレイスからすぐという立地も、一風変わったデザインの外観も、黄色と白の店内も、それぞれお洒落の演出としては申し分ない。01年3月。
レスパス(恵比寿)
東京都渋谷区恵比寿3-9-25/03-5420-0719/11.30〜13.30/18〜21.30/無休/4500円〜
フレンチ。恵比寿のガーデンプレイスの裏の方に日仏会館がある。そこの1階にある気軽なフレンチレストラン。建物自体のセンスもいいが、レストランもそれを受けてビビッドな色使いと打ち放しの壁、高い天井がそれぞれセンスよく絡み合い、実に気持ちいい空間になっている。日本人のフランス・コンプレックスを上手に刺激するモダンな空間、という感じ。料理は日仏会館の人が日常的に利用できるようなリーズナブルで気取らない印象のもの。レベルはそれなり。やはりフランス人たちが客なのでそんなにレベルの低いフランス料理は出せないのだろう。どちらかといったらシンプルな料理の方がおいしかった。サービスもそれなりに雰囲気があるしお洒落。とにかく、なんとなく自分のセンスがアップした錯覚に陥らせてくれるような店なのである。コースは3300円と4000円。昼は900円からある。安いワインといい雰囲気、それなりにおいしい料理……記念日使用とかにもそれなりに耐えるレストランかも。01年7月。
モナリザ(恵比寿)
東京都渋谷区恵比寿西1-14-4/03-5458-1887/12〜14/17〜22/日休
フレンチ。有名店であるがずっと行けずにいた。その分期待が大きくなりすぎてしまった部分は否めないが、ちょっと全体にがっかりめ。まずインテリアがすべてにくすんで古びており、それがいい方ではなく悪い方に出ている印象を受けた。窓の汚れや家具の傷みが全体の雰囲気に影響していてなんだかくすんでいる。照明もなんだか中途半端に薄暗く、豪華さがない。こういったくすんだ感じはサービスや料理にも共通して感じられ残念。サービス陣は笑顔はとてもいいのだが、その日はメートルがなぜか常に怒っており、近寄りがたかった。途中どういうわけか何度も停電(この店のみ)があったが、それについても説明ない上に、フロアで怒鳴り声さえ上げていた。怖い。
河野シェフの料理はさすがに美しい。が、なんだか迫力がない。ちんまりとしていて意外性もなく、なんだかあっという間にコースが終わってしまった印象。6500円のコースはその内容に比べて安価だが、内容の印象が乏しい。料理長として「ひらまつ」「タイユバン・ロブション」を遍歴してきた有名シェフのこの一品!というチカラ溢れた料理がせめて食べたかったなぁ。すごく流行っていて、リピーターも多い。同行したボクの友達もリピーター。そして、その晩も満席だった。個人的にはその理由がよくわからない。なんかいい意味でも悪い意味でも一時代前のフレンチレストランという印象。02年6月。
マッシュルーム(恵比寿)
東京都渋谷区恵比寿西1-16-3/03-5489-1346/12〜15.30/18〜23.30/月休/7000円〜
フレンチ。店名通り、キノコで有名な店である。恵比寿からほど近い立地でキノコ中心でがんばっており、それだけでも応援したくなる。もっとウッディできのこが生えてるような店内かと思ったら(失礼!)、白い壁で清潔な店。窓際を大きなワインカーブが占領している。そこここにキノコの飾り物があり、モダンで清潔な店内になっている。
料理はやっぱりキノコが絡んだ物が圧倒的に多い。ただ、そのキノコをちゃんと説明できないサービスがいたりしてちょっと残念。また、料理自体もキノコのうまみをシンプルに活かしたものというわけでもないのが残念。変に複雑にしている気がする。素材のいい珍しいキノコを食べられるという意味ではとても貴重なレストランなのだが、いまでは珍しいキノコを出す店も増えてきた。それでも秋などにはやっぱり候補に入れたくなる店である。もうちょっとなんとかしてほしい。ちなみにワインの品揃えはなかなか面白かった。01年10月。
ポブイユ(恵比寿)
東京都渋谷区恵比寿南2-7-4/03-3791-8845/11.30〜13.30/18〜23/日祝休/6000円〜
ビストロ。Pot-Bouille。2004年6月に恵比寿の住宅街に出来たビストロというかブラッスリー。こんなところに?という立地だが、明るく開放的な店内はおいしい雰囲気いっぱいで、カジュアルに食事を楽しむにはなかなかいい。もう少し雑然さが加われば本当にパリっぽいと思うが、周りが閑静なだけにちょっと雰囲気が合わない部分はある。黒板に書かれたメニューはどれも頼みたくなるラインナップで迷ってしまうが、かなり大きめの鴨のコンフィはオススメ。魚のスープも人気らしい。ガツンとくる迫力には欠けるが、どれもそこそこおいしく楽しめる。サービスもにこやかだが、まだこなれていない部分は多いかな…。カフェっぽい開放感に甘えてボクはここで約5時間ディナーしつづた。そういう気楽さは確かにある。たとえば女性数名で気軽なディナーを周りを気にせずワイワイ楽しみたいなら、この店はいいかもしれない。04年8月。
ヴォロンティエ(新宿)
東京都新宿区新宿4-1-9新宿ユースビルPAX7F/03-5363-5201/17〜24/無休
炭火ビストロ、と名乗っている。だから一応フレンチにいれるが、まぁいわゆるダイニングって感じである。店名の「ヴォロンティエ」とは、仏語で「快く」「喜んで」という意味らしい。つまり「庄屋」的「よろこんで〜」なわけですね。南仏の別荘をイメージしたという内装はなかなかセンスよく落ち着ける。ちゃんと快適さを追求し、かといって懲りすぎず、なかなか程がよい感じ。イスも座りやすくて落ち着ける。広い店内はターゲットである若者で溢れている。結婚式の二次会に使われるタイプの店なので、個人客には騒々しすぎるかもしれない。料理はよくまとまっている。値段が安価なことを考えると努力しているなぁという感じ。ダイニング系はあまり好きではないのだが、大学生などにはとってもいいレストランなのではないだろうか。03年8月。
コート・ドール(三田)
東京都港区三田5-2-18 三田ハウス1F/03-3455-5145/12〜14/18〜21/月休/20000円〜
フレンチ。店を出た瞬間「どうしたんだ!? ヘヘイ・ベイベー!!」とRCサクセションの歌を大声で歌いたい気分になった。
かの名老舗レストラン「コートドール」が普通の店になっているという情報を受け、まさかと思って再訪してみたのだが、事態は予想以上に深刻なように思えた。訪問時の気分は「この店に限ってそんなことはあるまい」って感じで超ポジティブだったのだが、まずメニューを開いた時点で「?」が始まる。アラカルトが少ない。斉須シェフの名著「十皿の料理」に出てくる名物料理はほとんどない。というか、選択の幅が狭すぎてメニューを選ぶのが苦痛だった。前菜は穴子とエスカルゴとフォアグラとエチュベしかなく、メインも、魚が4種と、牛肉系か豚かホロホロ鳥しかない。同行者と顔を見合わせ、あれ、こんなに少なかったっけ、そんなわけないよね、とうなずき合うが、何度見てもそれしかなく、選択肢の狭い中、どうにか選んで食べ始めた。
店がどう変わろうと斉須シェフの味だけは変わり様がないだろうと思っていたが、前菜は凡庸な味だったし、メインはもビックリさせてくれるものがない印象の薄い料理だった。シェフ、病気なのか、と心配になる。
サービスも料理に正比例するように元気がなく、レストランの楽しみが感じられない。動きは優雅で気持ちよいが、こちらを楽しませようとはしてこない。心からの笑顔がひとつもない。
繰り返すが、アラを探しに行ったわけではない。楽しい食事を期待して、楽しく食事できる同行者を選んで出かけた。2001年9月現在のこの店は、そこそこおいしい普通の店、という感じ。本場フランスの味を、気持ちいいサービスとともに、一番真っ当に日本で実現していたと思われるこの店がこの状態なのは、以前感激したことがあるだけに、心底さみしかった。01年9月(97年頃初訪問)。
ヌキテパ(五反田)
東京都品川区東五反田3-15-19/03-3442-2382/12〜14/18〜21.30/月休/15000円〜
フレンチ。海の幸フレンチと呼んでもいいかも。魚介系しかメニューにないのだ。夜は10000円と15000円のコースのみ。「海のもの」はそんなに豪華に見えないせいもあるのだろうか、コストパフォーマンスがかなり悪く感じる。「トマトのムース」「磯魚の裏ごしスープ」「石鯛のポワレ」にサラダ、デザート、コーヒーで10000円はかなり高いイメージだ。ムースは爽やかさが足りなかったし、裏ごしスープは名物だが濃厚の裏の洗練が感じられず、ポワレも焼き加減は抜群だがメインとしての迫力に欠けた。ワインも選びようがないリストだ(高いのが多く安いのは魅力的なのが少ない)。
瀟洒な一軒屋レストランだがテーブルや椅子がビストロ。窮屈だしちょっと座りにくい。カジュアルにするなら値段も下げてほしいと感じた。また従業員も多すぎる。足音が響かないようにスニーカーを履くのはいいが価格帯と釣り合わないイメージ。総じて価格とのバランスが悪いレストランという印象。質を落すことなく6000円のコースを作ってほしい。97年4月。
おはらス・レストラン(大崎)
東京都品川区大崎5-4-18/03-5436-3255/11.30〜14/18〜22/15000円〜
フレンチ。東京まで盛名が聞こえてきていた札幌の名店「メゾン・ド・サヴォア」のシェフ小原氏が2001年8月に開いたレストラン。札幌店には行けなかったがいつかは行きたいと思っていた店だけにうれしい。大崎の住宅街という隠れ家的立地にシェフの自信を感じ、先んじて行った友達たちの大好評を聞くたびに気がはやっていたがやっと行けた。
大崎駅から歩いて10分ほど。まさに「こんなところに」な立地に驚き、店に入るとその感じの良さにまた驚く。いい時間への期待に胸が膨らんだのだが、不幸にもボクは小原シェフの魔術にかかることができなかった。当日はすいていたのだがドイツ人のマダムは最初と最後に顔を見せただけ。若い女性のサービスを受けたが12000円(だったかな)のコースをしつこく薦められ(材料の具合なのかと勘ぐるくらい)、それを頼まざるを得ない状況に。フレンチ慣れしているボクですらそうだから慣れてない人はまず断れないだろう。絶品です!と薦められた一品一品は、その強い推薦があだになり「絶品とまではいかないなぁ」といった印象になってしまった。もちろんそれなりに美味しいのだが期待を上回ってくれない。素材の強さも料理の個性ももうひとつ感じないままに終わってしまった。ワインの品揃えはさすがに見事だったが、料理とサービスは最後までいまひとつ。食後もなんだか素っ気ないわりにお金も2人で5万円くらいかかってしまい、なんだか釈然としないまま店を出た。たまたま悪循環に時間が過ぎてしまっただけとは思うが、期待が大きかっただけに…。02年7月。
コム・ダビチュード(中目黒)
東京都目黒区上目黒3-16-1
フレンチ。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
ラ・プリムール(駒沢)
東京都世田谷区駒沢5-9-1
フレンチ。有名なシェフ(高橋シェフ)を有する駒沢通りの小さな店。96年6月現在、厨房に2人しかいないのでコース1種類のみ。味はいい。フォアグラのポワレや鱸のポワレ・ラベンダーソースなんて絶品だった。が、サービスが良くない。予約の電話からメニューの説明、給仕にわたっていやな思いを何度かした。早くアラカルトを復活させサービス陣も再教育して出直して欲しい。96年6月。
フレンチレストランの方は閉じて(不動産屋になった)、併設だった喫茶を充実させたようだ。フレンチカフェ的趣のカジュアル・レストランになった。実力があるシェフはそのままなので一品ものはおいしい。昼は2コース。夜はアラカルトのみ(電話すればコースもある)。ただサービスの冷たい距離感は変わらない。昼はコースよりカレーライスがオススメ。インド風でスパイスを多用した赤いルー。長野県の林儀太郎さんという方が育てているギタロウ軍鶏を使用していて、ブイヨンとスパイスがビシッと焦点が来ている。スパイス多用してぼやけているカレー専門店の数倍うまい。00年7月。
※2001年10月8日に閉店。高橋シェフはフレンチから転身し、五反田に「炭火焼鳥たかはし」を開店した。ギタロ