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さとなおの行った店リスト 関西
〜京都エリア
このコーナーは、ボクが実際に行ったレストランを記録したものです。
個人サイトの個人的食べ歩き記録です。ガイドでも評価でもありません。
ですので、読者の読みやすさなどを考えず、ざっと一覧してあります。コメントも短く散漫なものです。ご了承ください。
関西には1985年から2000年春まで住んでいました。その後は東京に住んでいます。
ですので、関西編に関しては2000年以前の古い訪問年月日のものがほとんどになっています。その後、当然、店は変化しています。定休日や営業時間などについても変わっている可能性があります(閉店した店もあります)。電話や店のサイトでお確かめください。
この個人的食べ歩き記録を利用して、あなたが行った店の感想とボクの感想とを比較することができます。そうして趣味嗜好がボクと合うか合わないかを調べ、趣味嗜好が近かった方は「さとなおの好きな店リスト」をご利用ください。店の選択がより便利になっています(「このコーナーの使い方」参照)。
なお、自分の好き嫌いを相対化するために、店をラブ度で表しています。ボク個人の「お気に入り度」の目安として参考にしてください(味の評価でも店の優劣でもありません)。
また、以下のリストは「ジャンル別に並んでいます」。
つまり、京都の行った店の中で、和食(鮨、蕎麦、居酒屋…)→洋食(フレンチ、イタリアン…)→アジア系(中国、韓国…)→その他系(南米、バー…)の順で並んでいます。ジャンル別に見たい方はこちらに戻ってジャンル別をご利用ください。
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京都 |
寿司 四季(京都)
京都府京都市下京区JR京都駅中央口ホテルグランヴィア京都3F/075-352-6607/11.30〜15/17.30〜22/無休
鮨。京都駅構内と言ってもいい場所にあるホテルグランヴィア。その3階はちょっとした高級食堂街になっている。その中の一店。食が充実した京都にあってわざわざこの食堂街を利用するのは時間がない人、もしくは乗り継ぎで時間が余った人だろうか。まぁこの店はその需要はちゃんと満たしており、普通にはおいしい。でもどこまで行っても普通だ。印象に残る握りはなく、すべてにそこそこおいしい感じ。まぁ5000円くらいのコースなので素材とかは悪くないし、丁寧に握ってあるし。でも、5000円出すなら他の店をオススメする。10年2月。
乙羽(京都)
京都市中京区新京極通四条上ル中之町565/075-221-2412/11〜21/月休
鮨。冬季限定の「蒸しずし」で有名。冬の風物詩にもなっている蒸しずしの蒸気が店頭で吹き上がっており、遠くからでもすぐわかる。蒸しずしをあまり知らない人は、ちらしずしを器ごと蒸したものと思えばわかりやすいかもしれない。丼ごと蒸すせいか丼が熱くて持てず、食べるのに苦労する。あちち。刻んだ焼きハモやかんぴょうなどを混ぜ込んだ酢飯に錦糸卵、しいたけ、あなごなどが載っていて美しい。全体に甘口。なんとなくおやつとご飯の間くらいな心持ちで食べると楽しい感じ。07年10月。
さか井寿司(京都)
京都市中京区高倉通錦小路下ル/075-231-9240/11.30〜18.30/不定休/1500円〜
鮨。四条烏丸の大丸の裏手、錦市場の入口のところにある小さい小さい鮨屋。6人も座れば満杯だから少し時間を外していったほうがいい。酢飯を使った穴子丼(1400円)が名物。海苔を多量にかけて食べるのだが、穴子のとろけ具合と相まってなかなかのもの。盛り合わせ丼もいい。どちらもすごくおいしいというわけではないが、生活感があるこの空間の中、妙にくつろげて満足感がある。近所のおばさんが世間話をしに来たりしていて、その町に根づいた感じを味わうのがまた楽しい店だ。98年2月。
京旭屋(京都)
京都府京都市下京区JR京都駅内 伊勢丹B1F/075-352-1111(代)/10〜20
鯖寿司。朽木鯖街道の名店「朽木旭屋」の売店兼イートインが京都駅の伊勢丹B2Fに入っていて、持ち帰りもできるし、その場で食べることもできるようになっている。一番高い「真幻」(12600円)から3000円程度のものまでいろんな種類があるが、一番安いものでも十分うまい(むしろ脂のノリが良すぎない安いタイプの方が好きな人もいるようだ)。表面だけ炙った「あぶり」という商品もある。イートインでは普通のものと炙ったもののハーフハーフも食べられる。身が厚く、脂も適度でとてもおいしい。お土産には「鯖街道 花折」を買っていたが、京都駅で同じくらいおいしい鯖寿司が手にはいるのはうれしいかも。07年8月。
鯖街道 花折(京都)
京都府京都市左京区下鴨宮崎町121/075-712-5245
鯖寿司。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
いづう(京都)
京都府京都市東山区八坂新地清本町367/075-561-0750/11〜23/火休/2000円〜
鮨。鯖寿司の有名店。立地もよく趣ある店内もなかなかなので一度は訪ねてもいいかもしれない。ただ、ここでは鯖寿司しか食べたことがないが、鯖寿司に関してはいまや他の店で好きな店を見つけたので、そちらを知ってからは足が遠のいている。ちなみに夏の間は冷凍の鯖を使用しているようだ。鯖寿司以外にも、身鯖寿司(皮を除いた身の部分だけを使う)や御台所寿司(ちらし)、鱧寿司(かなり高い)などがある。なお、旅人にはうれしいことに、予約しておけば持ち帰り用の鯖寿司を朝8時から購入可能。お持ち帰り二人前3600円。97年11月。再訪1回。
権兵衛(京都)
京都府京都市東山区祇園町北側254/075-561-3350/12〜22/木休/1000円〜
そば。祇園にある有名店。麺よりもダシが出色。上品。薄味を超えている薄味、というか京味。良質な昆布と鰹が感じられる。井戸水を使用しているらしい。麺はとてもやわらかく、麺の快感を求める人には物足りないが「祇園で遊んだあとはこの薄さ・柔らかさがちょうどいい」という粋人の言葉もあるので、あまり野暮なことは言わず、こういうものだと思って楽しめば良いのかもしれない。観光客が二軒目、三軒目に祇園を感じるにはとてもいい店だろう。少々高いが天ぷらそばがいい。98年12月。再訪数回。
晦庵河道屋(京都)
京都府京都市中京区麸屋町三条上ル/075-221-2525/11〜20/木休/1500円〜
そば。「みそかあん かわみちや」と読む。京の町屋をそのまま使っており、店内はとても趣がある。雰囲気だけでもうおいしい。観光客などたまらないかも。つなぎに山芋を使った蕎麦は冷たいものはその効果が出て粘り腰でなかなかうまかった。が、温かい汁物になると麺ががぜん弱くなる。ダシがとってもおいしいからそれなりに楽しめるが、麺的に言うと冷たいのがオススメ。量は少なくどんぶりも小さめなので、男なら2杯食べてちょうどかな。
芳香炉(ほうこうろ)という鍋(2人前7400円)が名物としてあって、京の薄いダシに、椎茸、飛竜頭、ねぎ、かしわなどを具とする鍋なのだが、ほうれん草が入っていることが珍しいくらいで量も少なくコストパフォーマンスはあまりよくない。最後に入れるそばとうどんも普通だし、この鍋はあまりお勧めしないかも。まぁ真冬に町屋の一室で凍えながら食べるのは一興なので、観光的にはちょっとイイのだが。98年2月。00年1月。
総本家にしんそば 松葉(京都)
京都府京都市四条通大橋東入川端町192/075-561-1451/10.30〜21.30/水休/1500円〜
そば。文久元年創業の老舗。明治になってこの店が「にしんそば」を考案して以来、京都名物として有名になる。つまり「元祖にしんそば」な店。にしんそばを頼むと、にしんはそばの下に潜っているのだが、引っ張り出してみると意外と大きい。柔らかく煮てあっておいしい。京都の薄いダシによく合う味。ただ蕎麦自体は相当やわらかめ。上品ではあるが、麺にコシみたいなものを望む人には物足りないかもしれない。全体のバランスはよい。南座西隣。95年2月。
虚無蕎望なかじん(京都)
京都府京都市東山区古川町546/12〜/14〜15.30/18〜/火水休
蕎麦割烹。一般的には蕎麦屋として有名だが、「素料理」と名乗っているのでわかるように、蕎麦というよりは割烹的に利用したい店。良くも悪しくもご主人の個性が際だつ店なので相性はあるかもしれない。
入店するとご主人がじぃっと客を凝視する。ちょっと怖い感じで居心地悪かったが、別に他意はないようで、蕎麦ができたらいきなり笑顔で接してくれた。出来上がった蕎麦を目の前に出し「手で渡させてください。香りをかいでください。枝豆みたいな香りなどがするでしょう」と説明してくれるときの笑顔。実際本当に枝豆の香りがするので驚いた顔をするとご主人も満面の笑み。その後は目を合わせるたびに笑み。つまりシャイな人なのだな、と後でわかる感じ(笑)
粗びきは枝豆のさわやかな香り。挽きぐるみにしているので黒いが、口に多少皮があたる。せいろは炊き立てのご飯の香り。極細蕎麦でのど越しもいい。塩で食べると甘味も広がりうまい。わさびもマイルドなものを使っていて蕎麦と合わせても香りが勝たない。ただ、そのくらい香りを大事にしているのに、地鶏焼きなどの注文が入るとカウンター前で盛大に炭火焼きが始まる。その煙と匂いで蕎麦の香りは飛んでしまう。それは不満だった。
一品ではハモ天が美味。生うにを混ぜ込んだごくごく細かいタイプの自家製の塩で食べる。うまい。かき揚げは油が勝ちすぎていた。ワインやシャンパンの品揃えも良く、夜にゆっくり来た方が楽しめるだろう。昼は二回転制。基本的にコースのみだが、一品も受け付けてくれる。でも蕎麦一品だけという注文は受けていないようだ。昼4000円より。夜5800円より。07年8月。
※2008年1月で閉店。ご主人は奥さんがオーナーの「小豆家うさぎ亭」(中京区高倉六角上ル西側/075-257-2288)を手伝っている模様。「和カフェ」と称して安価でヘルシーなコース料理を提供している。
花背屋(京都)
京都府京都市左京区花背別所町69/075-746-0110/10.30〜18/水休
そば。人里遠い花背の里の手打ち蕎麦屋だが、面白いのは蕎麦の実からすべて自家製ということ。蕎麦の実を近くの畑で栽培して、それを自家製粉する。客はそうして作られた蕎麦を、採れた地の空気の中で食べられる。ある意味究極である。1988年開店。当時はまだ素人だったらしい蕎麦職人もいまではなかなか手慣れたもので、ちゃんとおいしい。この辺は芸術家村になっていて、その集団がこの店を運営しているらしい。雰囲気もそんな感じ。こっちの方にドライブで来たときとか、おすすめ。96年6月。
おめん(京都)
京都府京都市左京区浄土寺石橋町74番地/075-771-8994/11〜22/木休
うどん。20代の頃とてもよく行った店。旬の野菜を薬味にした独特のつけ麺はクセになる美味でなかなかのもの。山のような盛りつけもちょっと豪華で楽しい。一品物もうまい。升酒もうまい。ちなみにニューヨークに支店あり。NY店も行ったが、うどん自体は京都店のほうが断然うまい(ま、そりゃしょうがないか)。でもニューヨーカーにはとても受けていた。97年8月。再訪数回。
久々の再訪。薬味とつゆのバランスは相変わらず良くとてもうまい。ただ今回、麺に疑問を感じた。さぬきうどんブームで客の麺リテラシーが上がっている中、もう少し努力がいるかもしれない。でも、若い頃の思い出も含めて、相変わらず好きな店である。05年10月。
萬樹(京都)
京都府京都市東山区切り通し末吉町上ル清本町373/075-533-3438/12〜20/月・第3火休/1500円〜
うどん。「まんき」と読む。祇園にある小さな店で、暖簾には「手打ちゆがきたておうどん萬樹」と書いてある。ミニマルで静謐な空間。ご主人の想いが感じられる。だしがいい。上質な昆布と鰹節が絶妙なバランスで並び立っている。上品なのに主張があるだし。麺は、強い麺が好きなボクには物足りないが、全体のバランスで食べさせるうどんのようなので文句はない。特にきざみうどんがいい。一方、かやくごはんは薄味過ぎる気がする。もう少しパンチがほしい。この店は祇園で遊ぶ前にささっと食べるのには最適。口の中にのこらないあっさり味だ。1990年に脱サラでこの店を始めたらしく、まだまだ発展途上っぽいが、すでに完成度はなかなかのもの。麺の主張がもっと強くなると、ボク的にはもっとうれしいのだが。97年11月。※閉店
おかる(京都)
京都府京都市東山区八坂新地富永町132/075-541-1001/11〜15/17〜26.30/無休
うどん。祇園で飲んだあと限定の美味。昼間食べるとなんてことないのだが、夜中に食べると妙にうまい。コシとかと無縁の麺も妙にほっこりする。あんかけうどんやきつねカレーうどんが名物。上品で奥深いだしで葛をといたあんかけに細めの麺。このだしが、酒を飲んだあとなどに非常においしくクセになる。カレーうどんはダシとルーの合わせ方が絶妙で(深夜だと)なかなか。建物は元お茶屋だというが普通っぽい。店の壁には芸妓の団扇が貼られている。99年1月。再訪数回。
さんかく(京都)
京都府京都市下京区木屋町四条下ル/075-351-0606/17〜21/木日休/3000円
焼き鳥。「グリルチキンさんかく」が正式店名。小さな三角形の敷地に建つ三角形の店で、尾っぽの付け根の肉「さんかく」を名物にする、まさに三角な店である。ただ名物であったご主人が亡くなってしまい、それから行っていないが、どうなっただろう。「さんかく」の他、グリルという店名通り、少し洋風な鶏料理が多くある。「ささみマスタード」「若鶏ミックス」「チキンコロッケ」「ドライカレー」など、ちょっとジャンクな味で癖になる。安心価格だし、たまにちょっと覗きたい店。カウンター10席のみなのでいつも混んでいる。94年4月。再訪数回。
とり安(京都)
京都府京都市中京区烏丸通押小路上ル秋野々町534/075-241-0456/11.30〜14/17〜20/800円〜
とり料理。1890年創業の鶏肉専門店。カウンターとテーブル2つ(奥にもう5つくらい)の小さな店だが、鶏の質では京都でも有名な店らしい。飼い方まで指定して育てた鶏を使った丼で人気。その丼は親子丼や玉子丼もあるが、やはり名物の「からあげ丼」がオススメ。ふんわり玉子でとじられた中の唐揚げが二度揚げでパリッとしていてよい。上品なようでいて実はジャンクな味つけ。いい意味で下品でとてもよい。昼は行列ができ、バタバタしているが、接客はとても気持ちがよい。07年8月。
鳥岩楼(京都)
京都府京都市上京区五辻通智恵光院西入ル/075-441-4004
とり料理。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
大市(京都)
京都府京都市上京区下長者町通千本西入ル六番町/075-461-1775
すっぽん鍋。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
わらじや(京都)
京都府京都市東山区七条通本町東入西之門町555/075-561-1290/12〜14/16〜19/火休/10000円
うなぎの鍋。「うぞうすい」が名物。というか、それしかメニューがないので、入店してもオーダーの必要がない。座ってもオーダーを聞きに来ない。自動的に出てくるわけ。その「うぞうすい」は玉子とじで、白焼きの鰻と餅や野菜が入っている。ほのかに甘く香り、鰻も脂が取れてあっさり味になり、なかなかおいしい。創業400年以上だそうで、秀吉がここにワラジを脱いだところから店名がついたというからスゴイ。店内も外観も情緒溢れているので、旅行者にもうれしい感じ。「うぞうすい」がコースで6000円。高いけど(店名の由来なども含めて)わりと満足感あり。94年3月。
祇園さヽ木(京都)
京都府京都市東山区八坂通り大和大路東入ル/075-551-5000
割烹。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
千ひろ(京都)
京都府京都市東山区祇園町北側279-8/075-561-6790/12〜13/17〜20.30/日休
割烹。大変真面目で端正な料理を出す。真面目さが極まって四角四面な印象があるほどだ。名店「千花」のご子息(ご兄弟の弟の方)だと聞いたが、客への気遣い、料理への真摯な姿勢、清潔で隙のない店内、と、実にいい店に仕上げている。でも繰り返すが真面目すぎる印象。食べていて開放感がなく、少し息が詰まった。逆にもっと歳がいったらこういう料理の方が好きになるかも、とも思いつつ。
小鉢五種、はもの刺身、湯葉スープ、子持ち鮎甘露煮、焼きなすの煮浸し、と、一品一品は完成度の高いもの。最後のフルーツジュースまで楽しんで12600円。静かないい時間であった。主張が穏やかすぎるところはあるが、逆に大人っぽい味でもある。でももう少し隙というか崩した部分が欲しいと個人的には思った。これはご主人の性格にもよるだろうから難しいのだけど。
一力茶屋隣の京都祇園ホテルの四条通り向かいにある趣深い細い路地を入っていった右側。この路地自体が旅行者には感動的だろう。入り口を開けるととてもきりっとして背筋が伸びる空間。割烹初心者は少しびびるかもしれない。カウンターのみ。07年10月。
祇園花霞(京都)
京都府京都市東山区祇園町北側279-13/075-525-2726
割烹。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
祇をん ちんねん(京都)
京都府京都市東山区祇園町南側570-123/075-561-5288/17.30〜23/日休
割烹。祇園にあってリーズナブルに食べられる小さな店。町家を改装して使っていて雰囲気は良い。この店の魅力はその立地と味の良さ、雰囲気に比してリーズナブルなこと。ふたりでお酒を飲んで15000円程度、高いものを次々頼んでも30000円程度だろうか。焼き場前で常に熱そうにしているご主人は「修業した店が座って3万〜5万の店だったので、逆にみなさんが楽しめる安い店を目指した」と語ってくれた。名物の祇園なべは6000円から。おまかせコースは10000円から。予算を告げておまかせにするのが結局お得かもしれない。
炭火焼きと鍋が売り物で、特に鍋は、夏秋ははも(はも松も)、冬はふぐ、すっぽん、カニ、鴨、春は竹の子など、充実している。ひとり鍋もあるので一人客でも楽しい。一品もバラエティ豊か。ボクが行ったときは「炊き合わせゆず風味」「子持ち鮎の南蛮」「紫頭巾黒豆」「かもなす焼き」「トマト焼き」「イチゴのソルベ」など、どれもこれもちゃんとおいしかった。その時々でアレンジしてくれ、即興でいろいろ作ってくれたりもする。特製ハンバーグや鮨などもある。
京都にありがちな敷居の高さもなく、旅行者もゆっくりくつろげるいい店。ちょっと行きつけにしたい感じである。07年8月。
祇園 たに本(京都)
京都府京都市東山区祇園町南側570-121/075-551-8011/11.30〜14/17〜22/日休
割烹。祇園の真ん中にある京割烹なのにとてもカジュアルで気楽、ざっくばらんに楽しめる店である。ご主人谷本佳美氏も従業員もみな居酒屋的な雰囲気で接してくれるし、カウンターでは常連客が突っ伏して寝ていたりする(笑)。そのうえリーズナブル。「祇園で飲んで食べて1万円の店をやりたかったんですわ」と語るご主人の言葉通りである。「酒肴の技」などの著書もある谷本氏の料理の完成度はかなり高い。わかりやすい京料理が出てくるので、逆に知っておいて損のない店。綺麗で丁寧な仕事。
オープンしてまだ8年だが、周りにとても馴染んでいてなんだか古くからずっとここにあったような雰囲気だ。店内もなんだか長くやっているような年月が感じられる。それだけ落ち着けるし、くつろげる店である。07年10月。
竹きし(京都)
京都市東山区祇園花見小路末吉町西入ル/075-525-4547/12〜14/17〜22/日休
割烹。祇園の小道にあるさりげない外観の店で、昼の釜飯が名物だしオススメだ。祇園でちょっと軽く昼ご飯を食べたいときなど、非常に重宝する。中途半端な割烹で食べるよりここの釜飯の方がずっとうまいと思う。
行った日は季節の釜飯が数種類メニューに並んでいた。「栗とホタテ」にするか「松茸」にするか迷った末「栗とホタテ」に。程良い仕上がりでしみじみおいしい。味がよく染みこんでいて香りも立ち、実にいい感じの釜飯だった。これはきっと夜もいいだろうなぁ(夜は割烹)。小さな店なのにカウンター内に若手がたくさん働いていたのも期待大。今度来てみよう。残念なのはカウンター上にずらりと並んだ灰皿。灰皿とはゴミ箱だし、目の前に並べられていい気がする人はいない。吸う人にだけ出せば良い(カウンターで吸われるのは堪らないが)。祇園にありながら敷居も高くなく気取らないいい店だが、この辺ちょっと残念な印象。細かいけど。07年10月。
修伯(京都)
京都府京都市東山区下河原通高台寺塔之前上ル金園町392/075-551-2711/月休
割烹。八坂の塔の真ん前にあり、観光の途中に立ち寄るには素晴らしい立地だし、この店自体の雰囲気もなかなかよい。店の前の細道を人力車が走り、体験用の舞妓さんがうろうろ歩いているなど、ちょっと観光地すぎる部分もあるが、わかりやすくて逆に喜ぶ向きもあると思う。
ランチに出かけたが、ここのランチコースははっきり言って女性にオススメだ。それはこの立地&雰囲気にプラスして9種のデザートが出るからである。アイスモナカ、カモミールに漬けたフルーツ、アイスティラミス、小豆バナナムース、くるみのミルフィーユなどがずらりと並んだテーブル上(カウンターでももちろん並ぶ)は壮観だし楽しい。女性が驚喜すること必至である。
お料理は、むかごの白和えから始まって、お造りのバリエーションが6皿、エビと角煮入りのひろうす、鯛あら、鱧みょうがなど、器とともに目を楽しませてくれる料理が続くが、その見た目ほどには味の良さを感じなかった。味は比較的はっきりしていて塩がきついタイプ。フレンチのエッセンスも感じる料理。でも、まとまってはいるけど印象には残らない感じ。カウンター10席と奥の方にテーブルひとつ。サービスは親密でいい感じ。07年8月。
梅むら(京都)
京都府京都市中央区木屋町三条上ル/075-231-3383/11.30〜14/17〜22/無休/12000円〜
割烹。伊藤博文が常宿にしていた民宿を改造して京料理の店にしたらしい。長いエントランスが京都風情抜群で東京の人には絶対受ける。店内から鴨川が見えるのもポイント高い。だから観光客や年配のご婦人とかを連れて行くにはとてもいいと思う。でも味はその雰囲気や逸話ほどではない。可もなく不可もなく。観光客ずれしてしまったのか、女将や仲居さんのサービスも(値段の割には)フランク過ぎるかもしれない。ただ、京都のサービス独特の慇懃無礼さに食傷している向きにはいいかも。夏は川床もある。昼の5000円会席がお得。夜は1万円から。雰囲気に比すれば格安め。97年8月。
草喰なかひがし(京都)
京都府左京区浄土寺石橋町32-3/075-752-3500
この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
近又(京都)
京都府京都市中京区御幸町四条上ル/075-221-1039/7.30〜9/12〜13/17.30〜19.30/無休
懐石・旅館。創業1801年の老舗商人宿。もともと「近江屋又八」という屋号だったことから「近又」と屋号を改め、麩屋町通六角下ルから1902年に現在地に移った。建物は有形文化財。その雰囲気の中、懐石が食べられる。座敷が七部屋。昼懐石は8000円から、夜懐石は16000円から、となるが、夜なら宿泊して食事込み40000円からの方がお得かもしれない。紅殻作りの玄関は雰囲気抜群。奥の座敷は庭に面して美しい。有名なのは朝ご飯。だし巻き玉子よし。ベーシックな旅館の朝食。想像以上のものではないが、座敷に座ればめちゃくちゃ雰囲気がいいのでオススメ。京都で雰囲気のいい朝ご飯を食べたかったら「瓢亭」かココかな。7時半〜9時まで。4500円。朝ご飯の座敷なら特に八号という部屋を強力推薦するが予約至難。食事専用のイス席もあるが風情がなくお勧めしない。07年10月。
瓢亭(京都)
京都府京都市左京区南禅寺草川町35/075-771-4116/8〜10(朝粥:7〜8月)/11〜14.30(うづら粥:12〜3月)/11〜19.30(懐石)/第2・4火休
料亭。1837年創業。南禅寺の畔にある有名な料亭である。夜の懐石はもちろんであるが、夏の朝粥、冬のうづら粥でも有名。夜に比べて安価に料亭料理の一端を楽しめるので、旅行者は朝粥・うづら粥から体験するのが良いかもしれない。
朝粥をいただいた(5000円)。朝8時9時10時と三回転するようで少々せわしないが、通される部屋は五つすべて独立した離れの茶室になっており、なにしろ雰囲気がよい。数寄屋造りの草葺き屋根。建物を木々と池が分ける。その間を縫って歩き、茶室に靴を脱いで上がるアプローチだけで外国人だったら舞い上がるだろう。
座敷に胡座をかいてお膳で料理をいただく。和え物や蒸し物が入った瓢箪型の三ツ重ね鉢、瓢亭玉子(一子相伝と言われる名物の半熟卵)、鮎の塩焼き、葛あんで食べる白粥などが順番に出てくる。朝だけに優しい味が続く。インパクトはないが心からホッとする構成。意外と量はたっぷり。リズムよく出てくることもあって約1時間で食べ終わるが、庭を眺めながらゆっくりお茶を飲みたい腹心地ゆえ、せめて1時間半の2回転にならないかなぁ。それだけが不満かも。
ちなみに瓢亭には別館もあり、そちらの広間でも楽しめるが、できれば本館を予約したい。離れの茶室は雰囲気だけで大ご馳走。日本人のセンスの凄みに圧倒される。07年8月。
十一屋(京都)
京都府京都市左京区山端川端町27/12〜21/不定休/8000円〜
なまず料理専門店。料亭。「じゅういちや」。寛永年間創業で380年経つという老舗。現在の建物は明治初期のもの。趣き深く素晴らしい建物。大きな池を持つ立派な庭を眺めながら座敷で洗練されたなまず料理が食べられる。なまずはそのままだと泥臭いのだが、井戸の水で数晩生かして泥抜きをするという。なまずは共食いするらしく、一匹一匹入れないといけないということで場所も手間も大変らしい。岡山産だというなまずはとても繊細な美味で印象的。他にさまざまな川魚の造りも出る。コースは7000円からで高くない。ボクは1988年のクリスマス・イブをここで過ごした。当時イブに和食料亭を選ぶのはとても進んでいたと思う(笑)。そういう意味で思い出の店。修学院駅近く。88年12月。再訪2回。
※2006年5月に閉店廃業し、あの趣深い建物も庭もつぶし、跡地にマンションが建つようだ。涙。
馳走 高月(京都)
京都府京都市東山区高台寺門前下河原町469/075-531-6178/11.30〜13.30/17〜21.30/月休/15000円〜
料亭。高台寺(八坂神社近く)の門前の一軒家で、お座敷でゆっくり食べられる。雰囲気抜群。これぞ京都。夜のコースを食べたが、量的にはちょっと物足りないものの、それぞれ趣向を凝らしており美味。その上品な薄味はあくまで繊細でなんともおいしい。悪く言えばインパクトがなさすぎるかもしれない(特に若い人には)。
始めに口濯ぎと称して「出汁」がおちょこで出るが、それがこの店の姿勢を物語っているかもしれない。滋味深い出汁。舌の奥で繊細に味わう料理なのだ。一軒家のお座敷ではあるが、子連れなども受け入れてくれるし、若者でも気後れしないで楽しめる店だと思う。ただもう少し仲居さんのサービスが良ければ、と残念だった。店を出た後の見送りなど見事で気持ちよかったのだが…。夏のハモ料理が特に有名。ハモ味噌をお持ち帰りとして買える。98年12月。
※2007年4月に火事で焼失。復活はいつかわからない。
いもぼう平野家本店(京都)
京都府京都市東山区円山公園内知恩院南門前/075-561-1603/10.30〜20.30/無休
料亭。江戸は享保年間に創業された「いもぼう」で有名な大老舗。「いもぼう」は、乾物の棒鱈をもどすときに海老芋(海老のカタチに似た芋)といっしょに炊き上げてみたら独特の味になり、数々の食通に礼讃されたのがもともと。以来名物として300年以上、味を守ってきている店。観光客が回る名所のひとつみたいになっているが、なかなか美味しいので一回は経験してもいいと思う。ご飯や小鉢がついた「いもぼう御膳」が2500円程度。知恩院南門前にあり、雰囲気はなかなか。97年4月。
美山荘(京都)
京都府京都市左京区花背/075-746-0231/無休/25000円〜
料亭旅館。京都の山奥、花背の里にある摘み草料理の小旅館。食事だけでもOKだが是非泊まってその情緒を味わって欲しい。小さく素朴な部屋だが、落ち着けるし、風呂もサービスもとっても気持ちがいい。食事は花背の里でとれた川魚、山菜、京野菜を中心にした摘み草料理。ボクが行ったときは銀杏の味噌焼(絶品)、鯉の刺身(鯉に対する見方が変わった)、イクチダケの煮物、アマゴの甘露煮など、とにかく素朴だが発見のある味ばかりで感心した。付け合わせの大根おろしなんかが絶品だったりするあたりが、美山荘の真骨頂。ちなみに朝御飯も素晴らしい。部屋ではなく母屋に通されての朝ご飯になるが、カラダがきれいになるような料理群。〆の白ご飯まで隙のない構成。日本トップクラスの朝ご飯だと思われる。97年2月。
豆水楼(京都)
京都府京都市中京区木屋町三条上ル上大阪町517-3/075-251-1600/3000円〜
豆腐料理。鴨川沿いの風情のある町屋で豆腐会席などを食べさせてくれる。一見料亭風だが、味的には居酒屋チック。観光客相手の店なのかもしれない。「おぼろ豆腐」「豆腐の朴葉味噌焼き」「竹寄せ豆腐」など名物があるがどれもそんなに印象に残っていない。会席も量がちんまりしていて楽しくない。ただ、格安に鴨川沿いの町屋を楽しむのなら悪くはないと思う。97年10月。
湯葉に(京都)
京都府京都市南区九条大路新千本下ル/075-691-9370/11.30〜18.30
ゆば(湯葉)専門店。京都の市街を離れ、高速入口方面にずいぶん下がったところにポツンとある店。創業明治38年。京都では若い部類かな。ゆばの小売店の横に普通の家があり、そこで料理を出している。座敷はなんだか普通の家っぽく、畳はすりきれ、照明は蛍光灯ひとつ。雰囲気はよくない。しかもものすごく早いペースで料理が運ばれてきてしまい、落ち着かないこと甚だしい。運んでくれる方に聞けば「女将さんがせっかちなもので」ということだが、これでは料理が次々冷めてしまうなぁ。
隣に工房があって自家製ゆばを作っているだけあって、ゆば尽くしのコース(4200円から)に使われるゆばはやっぱりなかなかうまい。でもゆばはゆば。ずぅっと続くと飽きてしまう。豆乳から始まって、ゆば刺し、ゆばの和え物、ゆばの天ぷら、ゆばの吸い物、ゆばの鮨風、などなど、手をかえ品をかえいろいろ工夫をして出してくれるが、印象にあまり残らないのが残念。それと大食漢には量的に物足りないと思われる。ゆばがお好きな方なら、ここで前菜的に食べ、二軒目に行くのが正解かも。でも前菜的に食べるには高いかな…。05年10月。
山ふく(京都)
京都府京都市東山区祇園花見小路四条下ル/075-551-0876/12〜14/17〜21.30/火休
おばんざい。祇園の一力の角を入ったところにあるおばんざいの店。家族でやっており、以前いた名物お母さん(というか、おばあちゃん)は亡くなってしまった。彼女が階段前にポツンと座っていた頃の佇まいと料理はとても良かった。いまでは娘さん(お嫁さんかな)がしっかり後をついでいる。いかにも京都の家庭料理という感じで、インパクトはないがしみじみ楽しめる感じ。風情たっぷりである。まぜ御飯、なっぱ、おから、肉じゃが、ひじき、鯛の子、土瓶蒸し、柳川、たにし、そして焼き物、煮物…どれもこれも食べたくてつい頼みすぎてしまう。個人的にこういう雰囲気の店、かなり好きかもしれない。こういう店が近くにある人がうらやましい。ただ「おばんざい」というのは普通の家庭料理でもあるから、こういう料理を普通に感じる人も多いかも。以前はそんなに観光客もおらず落ち着いて食べられたが、90年くらいからえらく人気が出て、いまではとても混んでいる。おばんざい6品と季節のご飯や汁物がついた「おきまり」は1800円とお得。99年11月。再訪数回。
蜂巣(京都)
京都市中京区油小路通御池上ル/075-213-1170/17〜23/水休
おばんざい。紹介がなくても大丈夫な気軽なおばんざいの店。京都っぽい「古い暗さ」がないのが旅行者には物足りないが、一見さんでも気楽に入れてそれほど高くなく食べられる店を一軒京都で持っておくと安心。カウンターでおばんざい数品に日本酒、という感じなら3〜4000円で上げられるかも。おまかせコースでも5000円。安心でしょ。
枝豆山椒、さんま有馬煮、賀茂なす煮、京揚げと小松菜、きんぴら、南蛮漬け、手作りごぼ天、と、魅力的なおばんざいが並ぶ。すべてのおばんざいにひと工夫ある上に、その工夫が創作料理的になっていない。きちんと基本を守った味でおいしい。魚や肉もいろんなメニューがある。冷酒に店名の「蜂巣」を頼んだら竹の器に入ってきて、とても涼しげ(店名の由来は聞きそびれた)。ご主人も奥さんも気さくで気持ちよく、お客さんも肩の力を抜いて楽しんでいる。照明をもうちょっとだけ暗くしたらもっと雰囲気出るのになぁと思ったが、明るいのも逆にこの店のよいところかもしれない。そんな感じの店。京都国際ホテル、もしくは京都全日空ホテルの裏手にぽつりとある。07年8月。
百足屋(京都)
京都府京都市中京区新町通り百足屋町381/075-256-9393/11〜15/17〜22/水休/3000円〜
おばんざい。京の町屋を復元した店内で食べられる。その雰囲気が売り。昼はお弁当、夜はおばんざい懐石コースなど。町屋を体験してみたい観光客が楽しむにはいいかもしれない。喜ばれるとは思う。が、料理はごくごく普通のおばんざい。家庭料理の延長なので特に驚きはないが、まぁもともとそういうものだ。町屋の雰囲気を気軽に楽しみたい人向け。98年11月。めなみ(京都)
京都府京都市中京区木屋町三条上ル中島町96/075-231-1095/17〜23/日休
おばんざい。約10年ぶりに訪ねたが、相変わらずなかなかおいしい。調子に乗っていろいろ取っているとあっという間にひとり1万円を越えてしまうのも変わっていない。おいしいし立地もいいんだけど、やはり少し高いかも。料理は一般的なおばんざい。家庭料理の延長といった感じ。カウンターの大皿がとてもおいしそう。煮たり炊いたりのものが特にうまい。炙り焼きなども良い。地酒とともにゆっくり味わいたいところだが人気店で異様に混んでいるので早々に退散。少し落ち着かないかも。00年3月。
ル・フジタ(京都)
京都府京都市左京区吉田泉殿町8関西日仏会館内/075-761-0325/11.30〜14/17〜20.30/無休/4000円〜
フレンチ。京都の日仏会館内にあり、店名通り藤田嗣治の大きな絵が飾られている。カジュアルながらもとてもリーズナブルで、あまりフレンチを食べなれない人でも楽しく食べられると思う。特に凝っていたり特にインパクトがあったりする料理ではないものの、焦点はきちっときている。持ち帰りもできるケーキ類が素朴でとても美味しいのでお勧め。もう少し全体に活気が感じられればもっといいビストロになるだろう。特にサービスが元気なし。98年11月。
レ・シャンドール(京都)
京都府京都市中京区柳馬場蛸薬師上ル419/075-255-2277/12〜14/17.30〜21/水休/15000円〜
フレンチ。京都の烏丸四条から北東に15分ほど歩いたところにある一軒屋レストラン。大変いい客層を持った大人の空間である。この店の料理はひとことで言うと「無難なおいしさ」。会話を邪魔しない上品な味つけだ。コースの構成もメリハリをつけて楽しませようというよりは自然な流れを重視しているんだと思う。けれんみが全くないので物足りない人もいると思う。コースは8000円、1万円、1万5000円の3種類。普通こういう無難さ・上品さを狙ったレストランはサービスがとても上質な場合が多いのだが、ここではそれが弱かったのも難。まず圧倒的にサービス人数が少ない。入店しても気が付かないし、メニューの説明もワインの説明もおざなり。持ってきた料理の説明もしてくれないことが多く、尋ねても「ウズラのソテーです」と素っ気なく言い捨てて去っていく。ただ、ワインや料理を出すタイミングは絶妙だった。プロっぽい。つまり単に人数が足りないのだろう。ちなみに店の雰囲気に比べてワインリストの貧弱さが気になる。97年3月。
レストラン菊水(京都)
京都府京都市東山区四条大橋東詰/075-561-1001/10〜22/無休/3000円〜
洋食。1926年創業。京都における西欧料理の草分け的な店で、鉄筋コンクリートのその建物は有形文化財に指定されている。塔がなかなか美しい。四条大橋詰というロケーションもよい。三階建てでそれぞれ用途により使える。1階はカフェ・軽食。2階は洋食。3階は宴会場。ハンバーグやシチューがうまい2階がオススメ。古き良きモダンを楽しめる。味は普通っぽいが、雰囲気や歴史もご馳走ではある。98年8月。
金平(京都)
京都府京都市上京区丸太町通河原町東二筋目南入ル/075-231-3626/11.30〜21/水休/2000円〜
洋食。1957年開店。看板に「お手軽洋食」と書いてある。洋食をナイフフォークを使わずに箸でお手軽に食べる走りの店だったらしい。カジュアルだが、味付けは本格派。タンシチューがとてもうまかった。ドミグラスソースが美味しい上にタン自体もとてもいい。他に何品か食べたが、タンシチューがトップ。全体に懐かしい味。家族でやっている暖かさもよい。古い店構えの、古いカウンターに座って食べると情緒たっぷり。98年12月。※閉店した模様。
はふう(京都)
京都府京都市中京区麩屋町夷川上ル笹屋町471-1/075-257-1581/11.30〜13.30/17.30〜21.30/水休
肉料理。オーナーの実家が精肉卸をやっているとのことで、安価で質のいい肉がたっぷり味わえる店。特に格安感があるランチがオススメ。店に入ると長いカウンターがあり、そこに座れば目の前で調理した焼きたてを味わえる。特選ビフカツやハンバーグなどもあり人気だが、ボク的には極上和牛ステーキが特にオススメ。同行者と取り分けて数点食べてみたが、セットで3990円(ランチ)と破格なこのステーキは火加減が完璧で、香りも味も(価格を考えれば)絶品。もっと高くてもっとうまい肉はあるが、この価格を考えるとかなりである。塩とポン酢が出されるが、塩で食べた方がうまかった。ビフカツはこれに比べるとちょっと普通っぽい味。横の人がとっていたハヤシライスが美味しそうだったので今度はとってみよう。奥にテーブル席もある。ちなみに昼は大行列なので開店直後を狙いたい。カウンター内をもう少しかたづけてくれるとよりいいなぁ。07年8月。
安参(京都)
京都府京都市東山区四条花見小路上ル/075-541-9666/18〜23/日祝休/10000円〜
肉割烹。やっさん、と読む。その朝つぶした雌牛を仕入れて食べさせるとのことで、生肉から焼き物、煮物などバラエティに富んだ美味が食べられる。特に生は素晴らしい。レバーはもちろん、ヘレ、ヘルツ(心臓)、ツンゲ(舌)など、状態のいいところだけを使ったこの店ならではの味。ただしレバーは開店すぐで品切れになるので、どうしても食べたければ開店直後を狙うべし。あとはマーゲン(ミノ)の湯引きを食べて、お腹に余裕があったらコールテール食べて、焼きへ。ロースやミノなんかを焼いて、最後に煮込みかテールシチュー。量も多いので出来れば複数人で行っていろんな種類を食べる方がよい。ちなみにご飯はない。残念。
店は大変賑わっていて落ち着かないほど。ご主人もわりと客を叱ったりするので、落ち着いてゆっくり自由に食べたい人には向かない店だ。でも全体にちゃんとおいしいので一度はどうぞ。値段的には(質を考えると)まぁ適価かな。ちょっと高いと感じる人もいるかもしれない。98年11月。再訪1回。
びすとろ ぷらむ(京都)
京都府京都市東山区大和大路新橋東入ル元吉町69-3/075-551-3716/18〜25.30(日祝17〜23.30)/無休
肉料理。洋食。この店「びすとろ」と名乗っているが、メニューには何でもある。が、メインは鉄板を使った肉料理だと思われる(刺身や鮨もあったけど)。どうやら金に糸目をつけずおまかせにすると凄い素材が凄くおいしく出てくるタイプの店のようなので、カウンターに座ってお大臣風におまかせにすれば良いのだろうけど、それを知らずに予約したので、通されたのが2階のテーブル。こうなると単に「おいしいけど高い店」になってしまう。サービスの人も要を得ず、オススメを聞いてもきちんと応えられず、仕方ないからおいしそうなメニューをいくつか頼んだが、ガラス壁の個室はなんだか素っ気なく、いまいち気持ちが盛り上がらない。村沢牛のステーキはさすがにおいしいが、値段もなかなかなので、まぁ普通かな。この店はカウンターでご主人と丁々発止やりとりしながらバンバン散財するのが正しい使い方のようだ。ちょっと残念な出会いだけど仕方がない。07年8月。
メスキート(京都)
京都府京都市西京区大枝中山町1-253/075-332-7772/11.30〜13.30/17.30〜21.30/月休/15000円
ステーキ。京都郊外にある店で、アクセスは不便だが、とてもおいしいステーキが食べられる。店内にある窯で桜の薪で焼く。陶器を焼く窯らしく、700度の温度になるとか。そうすると分厚い肉でも2分ほどで焼き上がるという。表面はしっかり焼けていて、中はレア。すばらしい。わざわざ行って良かった。94年4月。
おおた(京都)
京都府京都市左京区浄土寺真如町164-9/075-751-7888/17〜22.30/月休/7000円
焼肉。長い暖簾をくぐって入店すると気持ちのいい空間が広がっている。常連が多い店でもあるが、一見でも丁寧に応対してくれ非常にくつろげるだろう。肉は素材が良い。生で食べてもいける肉。ミスジやタンやヘレなど、店の人と相談しつつその日のオススメを選ぶと良い。全体にとてもおいしい。しかも謙虚な空気が流れており、好ましい。日本酒も揃っている。くつろげるいい焼き肉店。94年10月。
江畑(京都)
京都府京都市上京区六軒町通下長者町東/075-463-8739
焼肉。この店については「さとなおの好きな店リスト」のこの店の項を参照してください。
ランゼン(京都)
京都市上京区土手町通丸田町下ル駒ノ町554-3/075-256-0859/11.30〜22.30/火休/7000円〜
チベット料理。日本ではここしか知らない。ニューヨークで北米一と言われるチベット料理店に入ったことがあるが、残念ながらそこで味わったインパクトはこの店からは得られなかった。が、蒸しギョウザや焼そばはそれぞれおいしく、決してダメなわけではない。雰囲気も独特で面白いし(もちろんダライラマの写真が上から微笑みかけている)チベットへの支援なども受け付けていてたまにチベットに触れたい方にはとてもいいと思う。ちなみにチベット料理は日本人の舌にはとても合うのでご安心を。98年6月。
この店について朝日新聞に書いた記事はこちら。
森繁(京都)
京都市下京区西木屋町通四条下ル/075-351-1702/12〜14/17〜21/月休/3000円〜
インカ料理。 そう、南米で約500年前に栄えた広大なインカ帝国で食べられていた料理である。実は日本で唯一インカ帝国の料理が食べられる店がここなのだ。なんと40年以上も前からインカ料理を出している老舗。電話でコース料理の内容を聞いたら「8000円から10万円まであります。ええ、40年前から同じ値段でやっております」だって。うーん、10万円のコースっていったい…。8000円のコースを食べたが、一品料理が次々にでてくる形式なので、一品料理を何人かでシェアした方がいいと思う。祭りの時や一部の家庭に伝承されているインカ料理を日本人風にアレンジしているというだけあって思ったよりなじみやすい。カパックという料理は(インカシチュー付きで2800円)バナナやリンゴやジャガイモの揚げ物で、昔の王様が食べていた料理だそうな。インカシチューはピリッと辛くて深い味。コンドルは鳥の唐揚げ。コンチータは貝料理。チチャロンは黒豚。セビッチェは魚のマリネとサラダ。そうそう、飲み物もインカしている。天然のコーラの実から抽出したインカコーラやインカピスコというブドウの絞りかすから作ったお酒も珍しい。聞けばペルーを初めとする南米にもインカ料理専門店はほとんどないそうだ。遠き極東の地で食べるインカ料理…。遙か未来に日本もインカ帝国のように滅亡し、遠き異国で細々と「日本料理」が伝承されるような時が来るのかもしれないな、なんてちょっとセンチな想いに浸りながらピリカラのインカシチューを食べるボクなのでした。99年7月。
この店について朝日新聞に書いた記事はこちら。
壱銭洋食(京都)
京都府京都市東山区祇園四条縄手上ル/075-551-2365/12〜27/無休/2000円
お好み焼き。お好み焼というよりクレープに近い趣き。戦前の子供のおやつだったお好み焼きの原型を長く守り続けているらしい。メニューはその「お古乃美焼」のみ(630円)。半熟たまご、牛肉、ちくわ、コンニャク、天かす、九条ネギなど10種類の具をだしのきいた生地でくるんであり、それを焼いてソースをつけて食べる。おいしいのだが、まぁある程度想像できる味ではあるので、観光客が貴重な一食をここで食べてしまうのは惜しいかも。おやつがわりに立ち食い程度なら楽しい。独特のモンドカルチャー的店内は、エッチというかちょっと悪趣味っぽくてちょっと落ち着かない。カップルや子連れには居心地悪いかもしれない。97年2月。
ル・プチメック(京都)
京都市上京区今出川通大宮西入ル元北小路町159/075-432-1444/8〜20/火休
カフェ。ブーランジェリー。京都にありながら「本場フランスよりもフランスらしい」と呼ばれるカフェである。雰囲気が本当にフランスっぽい。「地下鉄のザジ」をはじめとした古い映画ポスターがいたるところに貼られ、壁にはフランス人などのサインが所狭しと書かれ、BGMはフランスのラジオ放送。外国人の客も多く、なんか本当にいかにもパリのカフェにいるような感じ。入店して右側でパンやスウィーツを売り、左手がイートインのカフェ。出来たての美味しいパンを朝食にイートインで食べるのは至福の時間である。48時間熟成させたバケットやクロワッサンを illyのカフェオレで食べる。一番気に入ったのはカスクルートで、ハム(ジャンボン)とチーズをはさんだもの。パンの味がよく、ハム&チーズのバランスもよく、完璧。あと、パン・オ・ショコラ。クロワッサンも良かったな。キッシュは普通だった印象。残念なのはカフェオレがたっぷりじゃないこと。やっぱりたっぷり欲しい。
店名はフランス語で「青二才」という意味だそうである。御池通りの方に2号店ができ、そちらを強力に推す方もいる。2号店は通称「黒メック」(京都市中京区衣棚通御池上ル西側下妙覚寺町186/075-212-77359〜20/火休)。1号店が赤い外観なのに対して2号店は黒い。でもまだイートインがないらしいので、旅行者は1号店の方が使いやすい。また、08年4月にオープンした新宿マルイの1階にも出店した。07年8月。
イノダコーヒ(京都)
京都府京都市中京区堺町通三条下ル西側/075-221-0507/7〜20/無休
喫茶店。京都を代表する喫茶店。酸味をきかせた珈琲が特徴で、最初から砂糖とミルクが入っている(最近では注文時に聞かれるらしいが)。この店は味よりも雰囲気。感じのいい紳士が帽子片手に入ってきておもむろに新聞を広げる、みたいな光景を見ていると飽きない。そしてここのモーニングも有名。ハムがうまい。また、意外とビーフカツサンド(1680円)もうまい。ちょっと高いがちゃんとレアなビフカツで、カリカリに焼かれたベーコンがトーストの上に乗っている。ハンバーグサンドもよい。京都に6店。他に大阪・広島・北海道などにもある。95年頃初訪問。再訪多数。
月ヶ瀬(京都)
京都府京都市中京区河原町通り四条上ル二筋目東入ル米屋町378/075-221-4104/12〜19.30/水休
甘味処。昭和元年(1926年)に四条河原町で開いた京菓子司「若狭屋吉勝」をルーツとする甘味処。あんみつ(683円)、みつまめ(630円)、白玉ぜんざい(735円)など。河原町四条にある本店はかなりカジュアルな雰囲気。細長いテーブルに相席でいただく感じ。観光客や修学旅行生も多く落ち着かないが、味がいいのでまぁいいか。小豆がうまいので「ぜんざい」がまずはオススメ。「あんみつ」は歯触りのいい寒天が絶品。こしあんも黒蜜も完成度が高いので、抹茶アイスが混ざらない方がおいしいかもと思った。まずは普通のぜんざいと普通のあんみつを試してみて欲しい。甘味の完成型が味わえるだろう。堺町店(京都市中京区堺町通御池下ル アーバンライフフォルムズ烏丸御池1F/075-212-1959)や高島屋店(河原町四条高島屋京都店5F)もある。07年8月。
ぎをん小森(京都)
京都府京都市東山区祇園新橋元吉町61/075-561-0504/11〜21/水休
甘味処。祇園新橋の白川沿いにある甘味処。元お茶屋の建物を使用しており、観光客的には(便がいいこともあって)とてもうれしい造り。あずきババロアパフェ(1400円)やかき氷など、ベーシックな甘味が食べられるが、ここで夏に食べたわらびもちが忘れられない。わらびもちがある季節なら是非なるオススメ。ただ、場所柄もあるが全体に相当高めなのが難。07年8月。
祇園きなな(京都)
京都府京都市東山区祇園町南側570-119/075-525-8300/11〜19/不定休
甘味処。きなこを使ったアイスクリーム「きなな」で人気がでた店。祇園の路地にあるがいつも行列している。名物である「できたてきなな」は1階のカウンターで立食もできるが、できれば2階に上がり「ハポン」という和風パフェを食べたい。きなこアイスとわらびもちと白玉と粒あんなどが混ざったもの。まぁ全体的にに大行列するほどの味かどうか悩むところではあるのだが、ちゃんとおいしいので満足。07年8月。
みつばち(京都)
京都市上京区河原町今出川下ル梶井町448-60/075-213-2144/11〜18/日月休
甘味処。小さく可愛らしい店。のんびりした雰囲気の京美人がふたりで趣味でやっているような店で、内装はひたすら可愛く(和風に可愛い)、雰囲気も親密&コージー。小さな教室のような四角い空間に可愛い小物が溢れている(イスの座布団がすべて違う柄だったり、細かいところまで気が遣われている)。ある意味ファンシーな店だ。女性や子供はとても喜ぶだろう。そのかわり、男性は多少入店しづらいかも。
ただ味は本格的。まず、素材にとても凝っている。寒天は千葉県千倉産の天草、黒蜜は波照間島の黒糖、小豆は北海道産で、寒天は特に美味だった。やはり「あんみつ」がオススメ。抹茶クリームあんみつなど数種類ある。寒天も白玉もとても上質なもので全体のバランスもよかった。黒糖を使った夏のかき氷も美味。とにかく、舌だけでなく、心も体も甘味になれるようなほんわかした店。老舗の甘味処とはまた違う甘さをどうぞ。07年8月。
クロ・ド・ブージェ(京都)
京都府京都市中京区河原町三条下ル二筋目東入ルワールド会館2F/075-212-3487/5000円〜
ワインバー。狭く小さな店。無口なマスターがひとり、含羞&自然体でワインを出してくれる。入店してカウンターに座ると、しっかりワインと対峙しなければならないような緊張感に襲われるが、時間が経ちマスターとしっかり打ち解けてくるともう大丈夫。長年通い慣れたように気楽に飲める店となる。不思議な店である。入り口に置かれた木箱やダンボールがちょっと気になるが、逆にこれが親密な空間の演出になっているのかもしれない。ブルゴーニュを中心に充実の品揃え。シャンパンとかもグラスで開けてくれる。01年3月。再訪数回。
祇園サンボア(京都)
京都府京都市東山区祇園南側有楽町570/075-541-7509/18〜24/月休
バー。祇園の路地にひっそりあるバー。小料理屋のような暖簾がかかる珍しいバーだが、この暖簾は行きつけであった山口瞳氏の筆によるものである。彼のこの店への想いは著書「行きつけの店」に書いてある。勝負のマティーニ。ボクもそれに憧れてこの店に何度か訪れた。サンボアは大阪・京都・東京などに10軒前後あるが、チェーン店ではなく暖簾分けである。その中でもボクはこの「祇園サンボア」とお初天神の「北サンボア」が特に好き。謙虚で上品で大人なカウンター。他のサンボアと違ってスタンディングではないのだが、サッと飲んでサッと帰るのが暗黙のルールなのはここも同じ。95年頃初訪問。再訪数回。
小田本(京都)
京都府京都市東山区祇園町南側570-121/075-561-0051/19.30〜24/日祝休 br> バー。祇園にあるいわゆる「お茶屋バー」で、芸妓を抱える置屋がやっている。格子戸をくぐって廊下を進むとお座敷になるのだが、そこに半円のカウンターが広がっている。そのカウンターの真ん中に、ライトアップされた坪庭を背景に美しい着物姿の女将が立っている図は相当インパクトが強い。他にテーブル席もあり、お座敷に出る前と出た後の芸妓さん舞妓さんたちが相手をしてくれたりする。そういう意味では「芸者さんとお茶屋で遊ぶお金がなくても芸者さんと話せる」という貴重な空間。場所柄かなり派手目な客層だし、酒を静かに楽しむ感じもないが、経験としては良いと思う。99年10月。 br> br>カルバドール(京都)
京都府京都市中京区寺町二条下ル若林ビル2F/075-211-4737/19〜26(火〜25)/水休
バー。Calvador。看板には黒い地に白いリンゴのマークのみ(カルバドスからの店名らしい)。隠れ家的なバーで、知らないとたどり着けないかもしれない。コンビニのすぐ上という立地ながら、とても落ち着けるいい店である。マスターは高山寛之さん。スーツ姿が似合ういい男である。店は非常に暗く、目が慣れるまでは心許ないが、目が慣れてくると壁際に並べられたボトルの壮観さに圧倒されるだろう。当日はウンダーベルグを使ってとお願いして創作してもらったが、とてもよかった。とてもオーセンティックないいバー。クラシックな感じで飲みたいときに良いと思う。07年10月。