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山本彩香、閉店します

2012年3月18日(日) 16:54:35

ほぼ決定、ということなので、お知らせします。

那覇の琉球料理店「山本彩香」が6月2日をもって閉店します。

一度、閉店を決意されたときに飛んでいって説得し(2006年3月)、その後、規模を縮小して昼のみの営業で開くことになり(夜営業最後の日の模様)、その後「どうしても夜に」というお客さんの要望を少しずつ受けているうちにまた夜営業になって今に至っているのだけど、最終的に閉店を決意されたようです。

ボクは関係者でもなんでもなく、単にあの店を愛してサイトなどに書いているだけの人間なのだけど、ボクのサイトを読んであの店を訪れる方がとても多かったということもあって「ブログでお知らせいただけないだろうか」と電話をいただいたので、ここにお知らせします。

でも、ここ数年、いつ辞めるかばかりを悩んでおられた彩香さん。駒沢さんのショックも少しは関係しているかもしれないが、ご高齢もあって仕方がないことなのだろうと思う。

この店がなければ、そして山本彩香さんが伝承して守り続けなければ、消滅してしまっていたであろう琉球料理(もしくはその伝統的な作り方)がたくさんある。そういう意味でも、そして味の素晴らしさ的に考えても、那覇でもっとも重要な店だとボクは思う。沖縄の宝、いや、日本の宝と言い切ってもいい。

その店が終わる。

ちょこちょこ通っているうちに、いつしか母子関係みたいに親しくさせていただくようになった。
月に何度か長電話する仲でもあった。去年は一緒にストックホルムまで出かけて行った。

なので、実は平静に受け取れない出来事だ。
なにかが自分の中で確実に欠けてしまう。

でも、ポジティブに考えれば、ある意味、新しいフェーズに入ると言えるかもしれない。

彼女が戦前の琉球から丁寧に受け継いできている貴重な琉球料理。
その継承者を作り、伝承していくことに彼女は異存がない。異存がないどころか、残りの人生をかけようとしている。

つまり、今後は(ボクも中心的にご協力をして)彼女の琉球料理をいかに継承していくかが課題になるわけだ。それは店を閉めても、違う方法で目指すことが出来る。

たぶん、彩香さんを愛する人たちをたくさん集めてプロジェクト化することになると思う。そのときはまた告知させていただくと思うので、ご協力をよろしくお願いします(彩香さんを愛する方々へ)。夏までには詳細が決められると思う。そして彼女の料理がまた(どんな形でか)食べられるよう、手を尽くしたいと思う。

ある方が、山本彩香さんの料理を食べ、その継承が危うくなっているという現実を嘆き、こう言った。「一度絶えてしまったものは取り返しがつきません」

本当にそうだ。

一度絶えてしまったものは取り返しがつかない。取り返しがつくうちに、動きます。

・・・さて、またやらないといけないことが増えたぞw


※2012/4/3追記:当面営業継続になりました。くわしくはこちらをお読みください

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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