ストックホルム1日目 〜琉球料理を欧州に紹介するプロジェクト

2011年11月11日(金) 12:00:00

ストックホルム郊外の「YASURAGI HASSELUDDEN」というホテルに来ている。「やすらぎ」という名の和風ホテルである。

なんでわざわざ和風ホテルなのかというと、ここで今回のストックホルム行きの目的であるイベントが行われるからである。その準備や仕込みもあって、ここに5泊する。

ちなみにこのホテル、ヨーロッパのNo.1スパを獲得したこともあるらしい。スウェーデンでは3年連続のベストオブスパを取っているとか。
至る所に和風の設えがあり、日本人から見ると少し怪しい雰囲気ではあるのだけど、宿としての完成度は高くてわりとステキ。公用車(?)も写真のとおりw(人呼んで耳なし芳一カー)。これがステキかどうかは置いておいて、なんというか、徹底している。

ホテル「やすらぎ」の様々な面白いところはまた書くとして、今日はこの旅行の目的を簡単に書いておこう。

目的は「琉球料理を欧州へ紹介すること」である。

もともと去年の夏にフランスの沖縄県人会会長の大城洋子さんから、「日仏交流事業の一環で、フランスで琉球料理を紹介する会をやりたい。ついては山本彩香さん(琉球の宝だとボクが思っている料理人)にぜひフランスまで来て欲しい。彩香さんをご紹介いただけませんか?」という趣旨のメールがあったのが発端だ。

「直接山本さんに連絡するより、ボクを通した方がスムーズっぽい」と、ボクのブログの過去の様々な沖縄コンテンツを読んで思ったらしい。まぁ確かに彩香さんとはかなりお親しくはさせていただいているし、ルートとしてもスムーズだとは思うけど、マネージャーではないのよw

とはいえボクも沖縄の食関係の本を2冊書いていて、琉球料理の普及、ましてや海外紹介なんかは望むところである。

すぐに彩香さんと連絡をとって承諾をしてもらい(彩香さん的には「佐藤さんが行くなら行く」というのが条件。ひとりで行くのは心細い、と)、フランスでの事務手続きや国際交流基金の申し込みや審査などがあり、半年くらいかかって本決まりになったのだった。

事業目的は「琉球料理を紹介するイベントをパリでやる」ということ。
ただ、パリだけのために渡航するのはもったいないので、ドイツのアウグスブルグやストックホルムでもやるということになった。彩香さんはご高齢なので大丈夫か心配したが、逆に喜んだ。だったら決まり。がんばろう!

同行者(調理補助・イベント補助)も数名、最初はスムーズに決まった。
イベントでは数百人の欧州人に琉球料理を講義して、実際に食べていただく。そのために最低4人ほど、彩香さんの気心が知れた調理補助が必要だ(あとは現地の料理人を調達)。友人関係もあって、最初はスムーズに。

ただ、那覇の「琉球料理乃山本彩香」の店を手伝ってくれている方々は都合が悪くて行けないことがわかった。そして行く候補もいろいろな事情でどんどん変わっていった。ここらへんはかなりトラブルちっくで「あぁこのイベントはうまく行かないかもなぁ」と思ったくらいであった。

で、最終的に、彩香さんからのご指名で、同じく親しくさせていただいているボクの妻・優子が行くことがまずは決まった(仕込みの下働きである)。すったもんだの挙げ句、優子以外にも数人、那覇から調理補助人が行くこともなんとか決まった。

ボクはというと、琉球料理紹介の講演(20分くらい)をイベントの冒頭でやる、ということになった。あとは彩香さんの付き人的役割w。

と、ここで問題が起こったのである。

国際交流基金から「この佐藤尚之という人は調理補助なのか?」と疑義が入ったのだ。予算がないので調理補助の人しか連れて行けない、と。「いや、講演もするし付き人的に必要」と言っても「講演が趣旨のイベントではないので調理補助人しか連れて行けない」の一点張り。うーん困った。彩香さんも「だったら行かない」と言い出すし。

まぁ仕込みの下働きくらいできる気もするが、数百人分を作るときの足手まといになったらやばい(調理の経験値が足りなさすぎる)。とはいえ彩香番として行かないと彩香さんが心細がる。国際交流基金の方もすまなそうに「すいません、でも無理なんです」と言っている。

・・・仕方ない。ではボクだけ自腹参加しましょう!

その後、大震災も起こり、取りやめも考えたが、こういうときだからこそ決行をとなり、こうしてこのプロジェクトが始まったのである。フランスの沖縄県人会会長の大城さんの馬車馬的奮闘でどんどん前に進み出した(会長というとお年寄りみたいだが、まだ30代のステキな女性)。

旅程は11月1日から15日まで。
パリ〜アウグスブルグ〜ストックホルムの3カ所でイベント。

当初は全行程自腹参加する予定であった。
でも、その後もいろんなことが起こり(省略)、結局、ボクはパリとアウグスブルグには参加せず、ストックホルムのみ(10日〜15日)に参加することにした。それがいまストックホルムに来ている理由である。他の同行者(優子も含む)は国際交流基金で来ているが、ボクだけ自腹。なんだか悔しいがw

ということで、10日にストックホルムに入って無事合流。
11日は現地で食材調達。12日13日は料理の仕込み。14日が本番、というスケジュールである。

で、ボク的には、せっかくスウェーデンくんだりまで来たので、みんなが15日に帰国してから、ひとりでモスクワへ行き、ボリショイバレエの第一ソリスト、岩田守弘くん(モリ)と会うことにした。311以来休みらしい休みをとってないので、純粋に遊び旅行をしたかったのである。

モスクワではもちろんボリショイ・バレエ三昧をする。あー楽しみだなぁ。ちょうどボリショイ劇場も数年の改装を経て、新装オープンするタイミングだし!

そしたらそれがバレエ関係者の知るところとなり、「モスクワ行くなら、ぜひ新装ボリショイ劇場を取材をしてきて!」となり、半分仕事になってしまった(泣) 帰国後、バレエのトークショーでしゃべり、ボリショイバレエ1月来日公演のパンフに駄文を書くことにもなってしまったのである。

まぁでも、どうせボリショイ劇場の裏や稽古場などにはモリの案内で毎日入る(前回のモスクワ行きのときも、古いボリショイ劇場の裏には毎日のように入り、案内してもらった)。それを書けばいいだけなのでまぁいいかとは思うけど、遊びと取材では心構えが違ってくるのでちょっとだけ不本意だなw


と、こんないきさつなのでした。
長文になってしまったけど、最後に、知りたい方が多いみたいなので、悪名高きアエロフロートについて。

帰りにモスクワに寄ることもあり、旅行社と相談してアエロフロートでの往復にしたのである。ストックホルム直行便はないので、モスクワでトランジットしてストックホルムへ飛ぶ旅程。安いしね。

ただ、「キャビン・アテンダントに笑顔はないよ」「機内食とか放り投げられるよ」「すごく遅れるよ」「荷物どっか行っちゃうよ」みたいな評判をたくさんの人から聞いた。不安だった。超不安!

でもね。
アエロフロートのエコノミークラス。
実は意外とまともだったのである。

サービスは笑顔だったし、機内食もまぁ普通(こんなもんだろう、な範囲)。エコノミーの革張りシートはわりと良く、長時間もあまり苦にならない。まぁ当初の期待値が低すぎたのでどうやっても「期待を大きく上回る結果」になるわけなんだけど、でもまぁ「伸びている国の国力がそのまま反映されている」感じではあったな。

モスクワでのトランジットの時間が50分しかなくて心配したけど、アエロフロート、1分の誤差もなく到着。見なおしたぜ。まぁ一方で「最近乗ったけど、本当に最低だった」という評判も聞くので、当たり外れがあるのかもしれない。帰国便も当たりだといいな。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

アーカイブ

同カテゴリーの他記事