3回目の311。中学の3年間と同じくらい色濃い3年だった

2014年3月 9日(日) 20:09:53

3回目の311を数日後に控え、震災特集が激増しているこの週末。

風化を防ぐためにも、この3年で何があったかを知るためにも、とてもイイコトなのだけど、個人的には、この3年のいろんなことが胸に去来し、痛んでいる。いたたたた。

会社を独立した月、2011年3月、震災が起こった。
いろんな人とつながって、一気に支援プロジェクト「助けあいジャパン」を立ち上げた。

独立直後って、普通、ご祝儀的に仕事をいただき、それなりにスタートダッシュできるものである。

でも、ボクの場合、仕事をする時間がなかった。24時間、支援活動してた。2011年の3月末や4月なんて、支援活動でほとんど寝なかったことくらいしか覚えていない。

「あーやばい、食ってかなくちゃ」とようやく自覚したのは、その年の秋くらいか(遅いよw)

収入ゼロも限界だったし、そろそろ「仕事します!」と旗立てないと一生仕事が来なくなる恐怖にも怯えだした(独立したことがある人ならわかるよね)。

何も言わずに支援活動させてくれた妻には感謝している。
独立後、お金をほとんど家に運んでこない旦那をよく許したなぁ、と、いまになって思う。

とはいえ、仕事します!と急に言っても、都合のいい仕事なんかそうは来ない。
震災後、コミュニケーション業界はかなり冷え込んだ。そんなときに支援活動の片手間に仕事するような人に仕事なんて来ない。

夜が長くなった。不安が毎晩襲ってくるようになった。

一方、そこまでチカラを入れてた支援活動も、運営上、様々なところで暗礁に乗り上げていた。

ボクが原因だった部分も多々ある。
一匹狼的に動くのは超得意なんだけど、組織を運営するとなるとからきしダメなワタクシ(というか興味がない)。

会社を辞めた理由も「組織のマネージメントなんてしたくないし向いてない」というのが大きかった。
だから、ボランティア団体とはいえ、組織マネージメントを上手にできなかった。

つか、ボランティア団体の人間関係って難しいねえ。。。ほとんど鬱になりかけたのもこのころである。

同時に、情報支援が主だったので、毎日のように被災地の「情報としてのいろんな悲劇」と向き合ってきた。

悲しい話だけならまだいい。いろいろな方の行き場のない怒り、持って行きどころのない絶望。そういうものを一度自分の中に受け止めて「自分ごと」にしていく。で、それらが少しずつ自分の中に積み重なり、重たい澱のように沈殿していった。

独立して独り。毎日激務。収入はほぼゼロ。運営は暗礁。自分ごと化するいろいろな悲劇。。。

そりゃ鬱になってもおかしくない。
というか、よく生き延びたな、と、いまは思う。

いまでは仕事も、仲間を得て、好転している。
この3年でできた得難い人間関係もたくさんある。
公益社団法人になった「助けあいジャパン」も若手に代表を譲り、なんとかうまく回っている。
日々沈殿する澱ともいい距離感をとれるようになってきた。

すべて、苦しいときに手を差し伸べてくれたたくさんの方々のおかげだと思う。
(家族以外で一番頻繁に手を差し伸べてくれた松村先生との別れが近づいているのが最近一番つらいのだが)。

3年。。。
中学時代の多感で濃い3年間と同じくらい、色濃い3年だったなぁ。

一生語り合いたいいい思い出もあれば、消し去りたい思い出もたくさんある。これも中学のころと同じ。

「古き良き自分」をかなり失った3年でもあるなぁと思う。
同時に「いろんな新しい自分」と出会えた3年でもあった。

周りの人には「とにかく表情が穏やかになった」と言われる。

ボクもそう思う。
きっとイイコトなのだろう。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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