モノではなくコトを贈る

2008年10月13日(月) 6:46:07

8月末にイタリアに行き、漫画家ヤマザキマリさんの旦那の実家である「モーレツ家族」の家に数日泊まらせていただいたのであるが、帰国してから「さて御礼をどうしよう」と悩んでいた。

とりあえず手紙を書こうと思ったが、考えたらイタリア語の手紙など書けない。あちらも英語は不得意であるから英語もダメ。じゃあ食品かとなるが、これは行くときにお土産である程度持って行ってしまっており、なんか工夫がない気がする。

うーむ…。

「風のガーデン」と「YOSAKOIソーラン祭り」

2008年10月12日(日) 8:14:41

倉本聰の新ドラマ「風のガーデン」を録画で見た。
富良野三部作最終章。
先日亡くなった緒方拳が普通にしゃべって普通に動いているのが不思議。遺作になるのかな。さなメモでは書く時期を逸したが、とても好きな役者さんだった。まぁこの人を嫌いな人はあまりいないと思うけど。いい作品にいっぱい出ているが、北林谷栄とがっぷり組んだ映画「大誘拐」がなんとなくすぐ頭に浮かんだ。あれはポスターが特に良かったな。

さて「風のガーデン」。
内容はともかく、途中で「YOSAKOIソーラン祭り」の話題が出てきて、一応セミファイナルの審査員であるボクとしてはオッと身を乗り出して見ていたのだが、なんだかいろいろ結びついておかしかった。

まず、脚本の倉本聰は「YOSAKOIソーラン祭り」ファイナルの審査委員長である。
ここで軽く説明しておくと、YOSAKOIソーラン祭りはチーム演舞の審査があり、一次審査で10位までに残ったチームがファイナル審査に進め、そこで優勝を争う。11〜20位はセミファイナル審査。ボクはセミファイナルの審査員だ。

なりふり構わず「伝えて、売る」

2008年10月11日(土) 14:00:07

強烈な世界同時株安で一気に経済がシュリンクしそうな昨今。
あえて(あえて、ね)脳天気に「広告のコミュニケーション・デザイナー」として発言をすると、テレビCMや新聞広告がふたたび盛り返すようになるのではないかと思っている。広告費の落ち込みで苦況に陥っている両業界だが、不況感が蔓延するとヒトは家を出なくなる。行動を控え守旧派的になる。お茶の間にタダで流れてくるエンターテイメントであるテレビ、そして黙っていても宅配されてくる新聞をいつもより見るようになるのは確か。
まぁ単純な発想だけど、家にテレビがあり、新聞もとっているという前提に立つと、お茶の間がもう一度機能し始める可能性はわりとあるんじゃないかな。そこにどんなコミュニケーションをとっていくか、それを考えるとちょっとワクワクする。

というか、ボクを含めた広告マンは、いまこそ「広告で商品が売れた!」という事例をたくさん作るべくがんばらないと、この業界は一気にシュリンクしてしまう。ただでさえも広告が効かないと言われ始めて数年、この不況の風はそこに追い打ちをかけてくるだろうし。

広告で売る。そのためには変化した消費者(生活者)に合わせて、広告手法自体が大きく変わらなければ無理。イメージがどうの、ブランディングがどうの、ではなく、今は自覚的に「広告で売る」というゴールを設定して、なりふり構わず「伝えて、売る」ということをやらないといけないと心底思う。まぁその辺、拙著にもさんざん(ポジティブに)書いたが、なんかまだまだみんな危機感なさすぎな気がしてならない…。

人生でもトップクラスのプレッシャー

2008年10月10日(金) 8:35:37

来週の15日(水)に、人生でもトップクラスにプレッシャーのかかる仕事があり、日々緊張が高まっている。

テンションが上がったり下がったり、人に頼ったり独りを欲したり、異様に元気になったり急に疲弊したり、なんだか気分が乱高下。というかですね、この仕事を言われたのが6月。なんでそんなに早く言うかな。この4ヶ月、ずっとこのプレッシャーと闘っている。

親しい友人にはちょこちょこ愚痴をこぼしているのだが、違う業界の人にはこのプレッシャーがわかりにくいようで、理解してくれようとはするもののどこかでピンと来ていない模様。それもそうだろうなぁ。
かといって会社の同僚ならわかってくれるかというと、ボクの周りのクリエィティブ部門の人間はピンと来ない様子。まぁボクでも他人事だったらピンとこないかも。だから気楽な気持ちでその仕事を受けてしまった。受けたあと、いろんな説明を聞いているうちに「こ、これはひょっとしてオオゴトなのでわ!?」とびびりまくった次第。

シーシュポス

2008年10月 9日(木) 12:51:10

ターミナルケアに従事する医師と、ある宴席で隣り合い、少し話を聞いた。

「ボクたちの仕事のゴールは、相手の死なんです」と淡々と話される。本来、相手を治すのが仕事なのに、治さずに見送ることが仕事となる矛盾は、最初彼を悩ませたという。相手の死がゴール。いったい達成感はどこにあるのだろうか。

いまではその辺は吹っ切れたとおっしゃっていたが、なんかその人がシーシュポスに見えた。
もちろん、その仕事が徒労に近いのだと言いたいわけではない。患者の笑顔、家族の安心はなによりの糧だろう。でも、なんというか、自分が患者のために積み重ねた時間が、患者の死とともに無に帰す感覚が、どこか、苦労して岩を山頂まで押し上げたあげく、岩が転がり落ちてはじめに戻る、という「シーシュポスの神話」の不条理さを思い起こさせる。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。