いやぁ良かった「エトワール・ガラ2010」
2010年7月31日(土) 15:28:37
なんだかめちゃくちゃなハード・スケジュールの中ではあるが、仕事を振りきって(ごめん)「エトワール・ガラ2010」に行ってきた。@Bunkamura オーチャードホール
ダンサー自身によるセルフ・プロデュース公演で、今年で3回目。2005年の1回目、2008年の2回目の両方ともボクは観ているので一応皆勤賞。今回はAプロ、Bプロ、両方観る。昨晩はBプロ。この公演やエトワールの説明などはここにあるのでご参考までに。
1回目はちょっと散漫な印象だったが、2回目はメリハリのあるいい流れ。そして3回目の今回は(少なくとも昨晩のBプロは)素晴らしい構成で2時間45分があっと言う間。え?もう終わり?という感じ。いや、ほんとに楽しかった。終演後も余韻が長く続いた。構成の良さと完成度の高さがハンパない。
それにしてもすごいメンバーだな。いわゆるオールスターなのだがチームワークの良さを強く感じる。だからとてもいい空気が流れる舞台になっていて、気持ちがいいのでずっと観ていたくなる。スター達それぞれが謙虚で駒に徹している感じ。バンジャマン・ペッシュがリーダー役のようだけど、彼のお人柄だろうか。
もう、どれもこれも素晴らしかったが、特に、と言われたら、イリ・ブベニチェク振付・出演の「ブラジル・ヴェッセル」、リアブコが印象的な「幻想〜“白鳥の湖”のように」、マチュー・ガニオ大熱演の「プルースト〜失われた時を求めて よりモレルとサンルー」、ジロとイリの作り出す空気に慄然とした「アパルトマン」、そしてラストに全部持っていってしまった感のある、ドロテ・ジルベールとエイマンの「スターズ・アンド・ストライプス」。…あぁ至福の時だったな。
備忘録的に演目を書いておく(Bプログラム)
- 「コッペリア」第2幕より(日本初演) 振付:J.キヨーム・バール 音楽:L.ドリーブ
- 「ロミオとジュリエット」よりバルコニーのシーン 振付:K.マクミラン 音楽:プロコフィエフ
- 「ブラジル・ヴェッセル」(日本初演) 振付:イリ・ブベニチェク 音楽:ラフマニノフ
- 「プルースト〜失われた時を求めて」より囚われの女 振付:R.プティ 音楽:サン=サーンス
- 「ディーヴァ」 振付:C.カールソン 音楽:U.ジョルダーノ
- 「薔薇の精」 振付:M.フォーキン 音楽:ウェーバー 編曲:ベルリオーズ
- 「瀕死の白鳥」(日本初演) 振付:D.ウォルシュ 音楽:サン=サーンス
- 「牧神の午後」よりプレリュード(世界初演) 振付:D.ボンバナ 音楽:ドビュッシー
- 「幻想〜“白鳥の湖”のように」第1幕より 振付:J.ノイマイヤー 音楽:チャイコフスキー
- 「プルースト〜失われた時を求めて」よりモレルとサンルー 振付:R.プティ 音楽:フォーレ
- 「アパルトマン」よりグラン・パ・ド・ドゥ 振付:M.エック 音楽:フレッシュ・カルテット
- 「スターズ・アンド・ストライプス」 振付:G.バランシン 音楽:J.P.スーザ 編曲:H.ケイ
出演:ドロテ・ジルベール、ジョシュア・オファルト
出演:エフゲーニャ・オブラスツォーワ、マチュー・ガニオ
出演:シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ、イリ・ブベニチェク
出演:エレオノラ・アバニャート、バンジャマン・ペッシュ
出演:マリ=アニエス・ジロ
出演:エフゲーニャ・オブラスツォーワ、マチアス・エイマン
出演:マリ=アニエス・ジロ
出演:エレオノラ・アバニャート、バンジャマン・ペッシュ
出演:シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
出演:マチュー・ガニオ、ジョシュア・オファルト
出演:マリ=アニエス・ジロ、イリ・ブベニチェク
出演:ドロテ・ジルベール、マチアス・エイマン
先日のパリ・オペラ座公演「シンデレラ」で舌を巻いたドロテ・ジルベールや、広い背中と肩、そして存在感が抜群なマリ=アニエス・ジロなんかも実に良かったのだが、このエトワール・ガラというプログラムはなんだか男性陣が素晴らしすぎて、女性陣が少し可哀想な感じだった。イリ、マチュー、マチアスの3人の輝き。リアブコ、ペッシュの安定感。男性のボクですら、男性陣から目が離せず彼らばかり見ていた感じ。
特にマチアス・エイマン。
いやぁ、この12名の中では最年少らしいが(今年23歳とか)、ジャンプも回転も群を抜いている。上品で愛嬌たっぷりでスピード感溢れる。ラストの「スターズ・アンド・ストライプス」なんか、まぁ演目が派手なこともあるけど、まさにはまり役。「薔薇の精」はもっと濃厚に変態チックにやってほしかったが、その滞空時間の長さで観客の溜息を誘っていた。2010年代の大スターになるのは間違いない。
先日「徹子の部屋」に出たらしい王子様マチュー・ガニオのプルーストも良かった。ちょっとウルルと来る熱演。少し伸び悩んでる感じだけど、上品ないいダンス。そしてそして、切れ味抜群、職人肌のイリ・ブベニチェク。先日のドレスデン国立歌劇場バレエ団の公演を見逃したのが悔やまれる出来。いいなぁイリ。振付もいいしダンスもいい。これからは見逃さない!
終演後、今公演の企画に携わったプロデューサー度会輪子さんに案内されて楽屋へ。
ドロテ・ジルベールと握手して、マチアス・エイマンと写真を撮って、マチュー・ガニオと写真を撮って、と、めずらしくミーハー行動に出てしまった(普段は写真は撮らないのだが、まぁ少人数だったので甘えた)。でも、単に楽屋で見かけるだけでなく、写真とか握手とかをすると、彼らがボクの中で「自分ごと」に変わっていいのである。一応バレエの素人連載も雑誌「リバティーンズ」で持っているし、こうして「自分ごと」になるダンサーを増やしておくのは必要なこと(と、言い訳)。
でも、撮ってもらった写真を見て愕然とした。というか想像はついていたんだけど、エイマンとガニオの顔の大きさ、ボクの半分だよ……。背は勝ったかもだけど、なんだこの頭のでかさの違いは! 同じ人類とはとても思えない……。
でもエイマンもガニオも、ちょっと呆然としてしまうくらいいい性格だった。さて、次は日曜にAプログラム。楽しみ楽しみ。
