素晴らしかった、サロネン/ハーン/フィルハーモニア
2010年6月 3日(木) 9:29:10
鳩山首相辞任でいろいろ慌ただしい昨日だったが、夜は楽しみにしていたコンサートがあった @サントリーホール
サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団。ヴァイオリンはヒラリー・ハーン。
噂というか評判だけは聞いていた指揮者のサロネンも、ヴァイオリンのハーンも、ボクは初体験。そういう意味では先入観なくフラットに聴けたのだが、いや~、素晴らしかった。さっそくアマゾンでCDをいくつか購入。いいなぁ、サロネン。いいなぁ、ハーン。
お目当ては、映画「オーケストラ!」でも盛り上がったチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。
あの感動があったばかりなので特にこの曲を楽しみにしていたのだが(サロネンって主人公のアレクセイ・グシュコブにも似ているし、ハーンもなんとなくメラリー・ロランに似てるし)、これが実に美しく優しい演奏。出だしのソロでいきなり涙が出た。
ものすごく優雅でキレイで清楚なチャイコフスキー。ロシアというよりスイスかオーストリアの湖上にいるみたいなさわやかさ。
そういう意味では、情念や疾走やドロドロが足りないとも言えるのだけど、これはこれだなぁ、と感心して聴いていた。土の匂いがしないチャイコフスキー。圧倒的な技術と表現力で力技でこちらを納得させてくれる。フィルハーモニアのバイオリン群も見事。あくまでも美しい。特に高音の響き。しばし陶然。
ちなみに演ったのは、
サロネン:ヘリックス
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ハーンのソロ・アンコール
イザイ:メランコリア
バッハ:ジーグ
シベリウス:交響曲第2番
オケ・アンコール
シベリウス:メリザンドの死
シベリウス:組曲「カレリア」より行進曲風に
1曲目の「ヘリックス」はサロネンの自作自演。複雑な印象の楽曲だが、遠近感があって美しい演奏だった。
シベリウスの「交響曲第2番」は、ボクが知っている中では一番骨太というか、雄大な演奏。これは逆に遠近感やメリハリというより、面でぐんぐん迫ってくる演奏。分厚いバイオリン群。特に第一楽章の美しさと終楽章の迫力は印象的だった。クラリネットのおじさんが優しい音で中盤を締めていたのも良かったなぁ。サロネンはそれぞれの楽器の爆発をきっちり受けとめてまとめきった印象。上手だしパワフル。さすが。
でも。メインのプログラム曲よりも、実はハーンのアンコールとオケのアンコールが一番印象的だったかも。
ハーンがアンコールでやったバッハの「ジーグ」。素晴らしいのひと言。口あんぐりして見てた(笑)。フィルハーモニアがアンコールでやった「メリザンドの死」。なんという美しいピアニシモ。天上の音楽……。
鳩山首相辞任もあり、昨日は考えることが多かった1日だったので、曲を聴きながらいろんな想いに耽った。こういう時クラシックってありがたいな。ノッてわくわくするライブもいいけど、深く自分に入っていけるこういう時間も貴重。いい時間だった。
あ、そうそう、この前のユンディ・リに続いて、吉田秀和さんが近くにいらした。同じ空間で同じ曲を聴けるなんて本当に光栄。そして「今までの人生をもう一回分」ということを確認できたのも、誕生日翌日としては良かったと思う。
