パリ・オペラ座バレエ日本公演「シンデレラ」
2010年3月14日(日) 12:45:04
もうグルジア国立バレエ4連チャンでお腹一杯だったのだけど(今日で5連チャン目)、友人からパリ・オペラ座バレエ東京公演のチケットを譲ってもらったので、昨晩行ってきた。@東京文化会館。そうか、オペラ座が来日したからグルジアが五反田に追いやられたのね(笑)
演目はヌレエフ版「シンデレラ」。
ヌレエフ版は1986年初演で、昨日で95回目の上演だとか。
原作を1930年代のハリウッドに置き換え、カボチャの馬車はリムジン、お城はハリウッドの映画スタジオ、王子様は映画スター、というシンデレラである。かなり評判が良く、人気の舞台らしい。アメリカ映画嫌いのフランス人がなぜハリウッド? と最初は思ったが、煌びやかで美しい舞台に、そんな理屈も忘れて見入ってしまった。
いやー面白かった。
コミカルで華やかで上品。センスもよくエスプリも利いている。ちょっとだけ斜に構えている感じもいい。ストーリーも楽しいが、ヌレエフの振付も素晴らしい。こういうのを観るとロシア系(ボリショイやマリインスキー)の野暮ったさが際立ってしまう。まぁその野暮ったさ(荒削りで雄大で過剰にロマンチック)が結局好きで、観るならロシア系と個人的には思ってしまうのだけど。
グルジア国立バレエで男性陣の層の薄さを4回連続で感じていたせいか、パリ・オペラ座バレエの男性陣の層が厚さとうまさに溜息が出た。下っ端でもいいからあのうち3人ほどグルジアに借りたいくらい。
シンデレラ役のデルフィーヌ・ムッサンは知らなかった人だが、安定感抜群で端正なシンデレラを演じた。もっと喜怒哀楽を強く出して欲しいと思うのはロシアバレエの見過ぎ?(笑)。映画スター役(王子)はマチュー・ガニオ。一昨年の「エトワール・ガラ2008」で観ている。リフトがちょっと下手(?)なこと以外は文句のつけようがない演技。ジャンプも着地も美しい。回転のキレがすごい。全体に上品だし。
そして、特筆すべきは意地悪な義姉役のふたり、エミリー・コゼットとドロテ・ジルベール。うめぇ。コミカル&下手くそに踊らないといけない役なのだけど、軸がまったくぶれず細部に渡って技術がしっかりしているので、下手くそさがキレイに出る。第三幕のスペインの居酒屋や中国の酒場で別役でも踊っていたが、いずれも達者。こういう脇役がうまいとステージがキリリと締まって気持ちいい。
脇役で言ったら、継母のステファン・ファヴォランも素晴らしい。笑いを取りまくり。バレエで笑いを取るって超難しいのにサスガ。あと、ダンス教師のマチアス・エイマンもうまかったな。
くわしいストーリーと写真&動画はこちらに載っているので、興味ある方はどうぞ。チャップリンやらキングコングやらも出てきて、本当に楽しい良い舞台だったと思う。
さて、今日はグルジア国立バレエの最終日。今週はこれでバレエ4本目(笑)。何事も「固めて経験する」のがコツですな、と、自分に言い訳しつつ、アナニアシヴィリとウヴァーロフと岩田さんの競演を楽しんでくる。この3人で踊るのはもう二度とないだろう。
余談:パリのオペラ座(ガルニエ宮殿)は、6年前に岩田さんと一緒に隅から隅まで(舞台裏から奈落から稽古場まで全部)探検したことがある(そのときのさなメモ)。
そして特別に舞台袖(緞帳横)にパイプ椅子を置いて観劇させてもらった。ザハロワが荒い息で1m横からステージに飛び出していく世界。あんな体験ありえないなぁ…。6年前よりずいぶんバレエ・リテラシーが上がった今なら、きっともっともっと興奮しただろう。
