古き常連たちの夜

2010年2月 3日(水) 7:56:40

昨日から仕事で神戸に来ている。

あるクライアントと同行しての仕事であるが、ある時、そのクライアントと一緒に飲んでいて、彼が偶然ボクの昔の行きつけの店「バーンズ」の常連であったとわかり、お互いものすごくビックリしあったのである。というか、神戸は苦楽園の住宅街にある小さな古いバーの話を、東京で偶然仕事が一緒になった人と濃厚に話せるとは、なんとも不思議すぎるではないか。当然意気投合する。で、「いつか、この仕事で関西出張があった時、一緒に『バーンズ』に寄ろう!」となったのも自明の展開。それが実現した日が昨日である。

ボクがこの店に通い始めたのは1985年の年末(新入社員の年)。
そのクライアントは1984年に東京に転勤していったので、この店では見事にすれ違っている。25年前の若い彼が転勤していった1年後に新入社員のボクが居着いたわけ。でも、この店で頼むメニューまで一緒なんだな。チキンカチャトラ。これを頼む人はわりとレアである。そんなこともふたりを結びつけている。ついでに名字まで一緒だし、落語なんかの話も合うし(談志を去年一緒に聞きに行った)、なんかいろいろ共通点があるのである。

ボクと彼がふたり並んでニコニコ座っている景色を、マスターが不思議そうに眺める。
マスターも、店の雰囲気も、メニューも、置いている酒も、開店以来35年間、ほとんど変わらない店なので、すぐに昔に戻れるのが良い。というか、もう25年も前の常連(クライアント)をマスターが普通に覚えていることにもビックリだ。当然そのころの話に花が咲く。話しているうちにそのクライアントもどんどんいろんなことを思い出していき、「そうだ、25年前はあそこに○○って店があった!」とか「昔よく食べに行っていた『司』のオヤジはいまどこで何をやっているんだ!」とか、いろんな話で盛り上がる。あー楽しい。そして、ずぅっと変わらずここで店を開いてくれているマスターがいるからこういうシアワセな時間がもてるわけで、そのことに感謝。いろいろ大変だろうけど、ありがとう。そしてあと15年やって、開店50周年を盛大に祝おう(笑)

写真はこの店でボクが入れているオールドグランダッドのボトル。157本目だ。
東京に転勤してからは1年に1回くらいしか来れないので、なかなか本数は増えないが、確か関西にいた14年で150本開けたんだったかな。そんなもんか、という気もするし、異様に飲んでる気もする。ボクはこの店ではオールドグランダッドしか飲まない。舌の上で再構築できる唯一のバーボン。

ホテルは神戸に投宿した。山側の部屋。神戸は海側の景色と山側の景色の両方が楽しめる街なのだが、ボクは山側の夜景が好き。ヒトが生きている灯りが見えるのが好きである。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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