後輩の2冊の本

2009年9月 7日(月) 9:03:11

先月、可愛い後輩の本が2冊も出たので、ちょっとご紹介しておきます。両方ともタイトルが「なぜ」系。

いま20代女性はなぜ40代男性に惹かれるのか (講談社プラスアルファ新書)1冊目はもう18年くらいの長いつきあいになる大屋洋子の「いま20代女性はなぜ40代男性に惹かれるのか」(講談社+α新書)。新入社員のときから知っている彼女の処女作である。

ちょっとスキャンダラスな題名だけど内容はいたってまとも。40代男性とつきあう20代女性が増えてるらしいんだけど、このふたつの世代、実は共通点がいろいろあり、惹かれあう理由がある、というもの。彼女はシンクタンクのスーパーバイザーなので、調査結果を駆使して、現代恋愛論を超平易にあたたかく語っている。もちろんこの二世代を語るためには他の世代も分析しないとならず、各世代、きちんきちんと丁寧に読み解いてあってわかりやすい。なるほどー、これは彼らと仕事を一緒にするときにも応用できるなぁ。恋愛観を知ると各世代がよくわかる。

それにしても恋愛事情も大きく変わったもんだ。携帯もメールもなかった時代にどうやって恋愛していたか、いまの若い人たちには滑稽なことも多いだろう。バブル期を知らない世代の恋愛観は、逆にボクたちから見たらちょっと新鮮。そして著者が最後に辿り着く「本当の幸せとは」という問いかけにも納得。題名はキャッチーにしているけど、内容はとっても真面目であたたかい。彼女自身の良さがよく出ている内容になっている。
というか、ボクはもろ40代なのでちょっとワクワクしながら読んだですね。20代女性との共通点もとてもよくわかる。なるほどな。こりゃ一緒にいて楽かも。

わたしは、なぜタダで70日間世界一周できたのか?2冊目は最近後輩になった伊藤春香。「はあちゅう」という名前の方が通りがいいか。女子大生アルファブロガーとして超有名だった彼女の新刊である。「わたしは、なぜタダで70日間世界一周できたのか?」(ポプラ社)

ずっと「一生に一度は世界一周をしたい」と思っていた彼女。大学に入ったとき「3年生までに全部単位を取りきって、4年生では世界一周をしよう!」と決め、それを実行に移すわけだが、問題は世界一周するお金がないこと。そこで思いついたのが広告でお金を稼ぎながらの世界一周(当時彼女がアルファブロガーだったからこそなんだけど)。つまりスポンサーをつけてブログなどを更新しながらエンタメとして世界一周していくという企画を立てたわけだ。
まぁここまでは誰でも思いつく。でも彼女が常にすごいのは「実行する」こと。一介の女子大生が企画書書いて企業の宣伝部や広報の怖いオジサンたちを訪ねてプレゼンし、通していくのにどのくらいの勇気と知性と体力がいることか。「夢を夢で終わらせない」と言ってちゃんと実行したところがすごいよなー。しかも結果的に黒字にしている。すばらしい。

その後の70日間世界一周の様子は本を読んでいただくとして、最後の「自分の核にあたる部分から無駄なものがそぎ落とされ、シンプルになったのを感じる。今の私は、自分に必要なもの、欲しいものに正直で、前よりも潔くなれている」という言葉が良かった。漫然とではなく書き残しながら旅をしたのも良かったんだと思うな。書くことは自分を知ることだしね。「いつかは…」と思い続けているだけで実行に移さないワナビー族にこそ捧げたい一冊。

どちらの著者も「出版前ブルー」で相当悩んだらしい。世界でトップクラスにその気持ちわかるぞ(笑)。
でもね、それは「真剣に向き合った」からこそのこと。それはとても大きな自信になるしチカラにもなる。他の後輩たちにも「無理してでも本を書いたらいいよ」と常に言ってるんだけど、本って「書くことは自分を知ること」以上に「人生の違う景色を見るための一番の近道」でもあったりする。苦労してでもやる意味があるものだと思うけどな。
「私なんて無理無理! 文章も下手だし量も書けないし、出版社にルートもないし」とかみんな言うんだけど、真剣にやりさえすれば道は開けるもの。以前にもご紹介したように、ミクシィに書いていた文章を本にするのに成功した人もいる。

…とか、偉そうに書いてるけど、12月入稿の次の本の原稿がまっっったく進まない。もうホントだめだめ。
クレア・トラベラーでの連載を加筆修正してまとめなおすだけなのに、なんだかうまく書き進められない。過去に書いた文章を直しながら一冊に仕上げるって思ったより苦行だ…。でも後輩に経験者ぶっていろいろ偉そうに言った手前、なんとか仕上げなければいけないなぁ。わりとつらいっす。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

アーカイブ

同カテゴリーの他記事