闘う三味線

2008年9月 7日(日) 8:40:57

ずっと見忘れていたNHKのハイビジョン特集 「闘う三味線 人間国宝に挑む 文楽 一期一会の舞台」を見た。
2007年6月24日に放映されたもの。大阪のバー「パイルドライバー」で借りた。文楽三味線の第一人者、鶴澤清治(62)と浄瑠璃語りの名手、人間国宝の竹本住大夫(82)が、難曲「壇浦兜軍記 阿古屋琴責の段」を巡って激しいしのぎを繰り広げる日々を描いたドキュメンタリー。

三浦しをん著「仏果を得ず」を読んでからこれを見ると、いろいろなことがものすごくよく理解できる。もともと浄瑠璃語りと三味線は合わせて演奏していくものではなく、お互いが突っ走った上で「合っていく」もの。そのせめぎ合いが本と映像の両方で理解でき、一気に文楽の楽しさを増幅してくれる。文楽理解の超近道。鶴澤清治の自分との闘いも見事なら、竹本住大夫の自分を削る日々も見事。

というか、名人たちの懊悩と、たった一回の公演に対する念入りな準備、浄瑠璃語りと三味線の奥深い駆け引きなど、もう見ていて圧倒されることばかり。名ドキュメンタリーだ。「第24回ATP賞テレビグランプリ2007」にて総務大臣賞を受賞したというのもよくわかる。そういえば一度レクチャーを聞いたことがある竹本文字久大夫が怒られまくっていた。稽古の鬼の運の竹本住大夫も、食らいついていく竹本文字久大夫も、妙に美しい。ラッキーなことにDVD化もされているようなので、文楽とか芸に興味のある方は必見だ。

もともと、初めて文楽を観たときから、人形遣いよりも義太夫語りの方に目が釘付けになっていたボクである。浄瑠璃語りの世界は興味津々だ。初体験で竹本住大夫を経験できたのがラッキーだが、それから数回、まだ語りにしか耳がいかず、三味線の音まで追えてはいない。でも次回はそこを中心に聴いていくと思う。あぁ楽しみだ。

って、次回というのは実は今日。これから文楽公演を観に行くのだ。国立劇場。
竹本住大夫も鶴澤清治も出演する。しかも終了後、竹本住大夫のレクチャーにも参加できる。シアワセすぎ。もういつ引退してもおかしくない人であるゆえ。
演目は「近頃河原の達引 四条河原の段・堀川猿廻しの段」「吉田清之助改め五世豊松清十郎襲名披露口上」「襲名披露狂言 本朝廿四孝 十種香の段・奥庭狐火の段」である。 

行ってきます。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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