人形浄瑠璃 文楽「通し狂言 絵本太功記」
2007年5月14日(月) 7:50:01
年末にやった講演の関係でお知り合いになったある先輩の有り難いお誘いを受けて、夫婦で人形浄瑠璃 文楽「通し狂言 絵本太功記」の第二部を観てきた(於:国立小劇場)。
観たのは「六月七日 杉の森の段」「六月九日 瓜献上の段」「六月十日 夕顔棚の段・尼ヶ崎の段」「大詰 大徳寺焼香の段」の計五段。
太功記(太閤記)と言いつつ主人公はほとんど光秀で、本能寺の変の前の日を六月一日として、六月十三日まで基本的に一日一段で、光秀が秀吉に討たれるまでを描いている。昨日観た十段目の「尼ヶ崎の段」は、俗に「太十(たいじゅう)」と呼ばれているらしい。太功記の十段、ね。「絵本太功記」といえばこの十段目を指すほど有名な段らしい。
実はちゃんと文楽を観るのは初めて。
いきなり4時間半の長丁場なんて「ムリ!確実に寝る!」と思い込んでいた。
でもとんでもないことだったよ。面白すぎ!
人形に命が吹き込まれ、独特の動きを見ているだけでも面白いが、義太夫節がなんとも良い。義太夫節にここまで感心するとは我ながら予想外。演者(浄瑠璃語り)も次々変わり、それぞれに表現が違っていて趣きあり。男・女・子供・老人と会話を演じ分け、そのうえ情景描写までメリハリつけて語っていく。人形の動きが少ないときなど、ずっと浄瑠璃語りの方ばかり見ていたよ。
人形とセット、そして義太夫と三味線、そのうえ練られたストーリーと演出…。要素てんこ盛りだ。そりゃ面白いに決まっている。あぁ偏見持たずにもっと早く観れば良かったよ。
文楽っていま「人間国宝の嵐」で実に充実しているとは聞いていた。
昨日も人間国宝の方がいっぱい出ていたなぁ。でも初心者なのでどこまで価値がわかっていたかは微妙。個人的には、浄瑠璃語りでは竹本住大夫と豊竹嶋大夫が印象に残っている。特に嶋大夫には聞き惚れた。人形遣いでは吉田簑助の操(光秀の奥方)に見惚れた。なんだこの動きは…。あとは桐竹勘十郎の光秀もキレイだったな。
あ〜おもろ〜、と頬を上気させてぼんやりしてたら、案内してくれた先輩も、ロビーで偶然出会った仕事仲間も、「時代物より世話物の方が面白いよ。次は世話物を是非」と勧めてくれる。なんと、そうなのか。じゃあ次は世話物を観よう。というか、第一段目「杉の森の段」では幼子が親の首を切るし、「尼ヶ崎の段」では光秀が母親を槍で突いちゃうし、初体験にしてはそーとー陰惨だったことは確か。軽くて泣かせる世話物の世界は観てみたい。
んー、なんだか個人的には歌舞伎より好きかも。とりあえず、歌舞伎とともに少しずつ追っていきたい。
