NY観劇旅行3日目

2007年5月27日(日) 9:00:00

28時に就寝したけど朝7時に目が覚めてしまい3時間睡眠。まぁいいかと潔く起きてさなメモ書いたり今日行くミュージカルを予習したり。今日はマチネが「スパマロット」でソワレが「ジャージー・ボーイズ」。2005年のトニー賞作品賞と2006年のトニー賞作品賞だ。豪華な布陣。んでもって明日のマチネで2004年のトニー賞作品賞である「アベニューQ」を再見する。濃いな。

ユニオン・スクエアの青空市、グリーンマーケットをぐるりと覗いてから11時に「Craftbar」へ。東京の後輩(NYに住んでいた)からメールで「グリーンマーケットのスコーン屋が結構お気に入りでした。が、店の名前も無いし、似たような店がたくさんあって具体的に説明しにくいのが欠点です。入れ墨した短髪のおばちゃんの店です(笑)」との情報を昨日メールでもらったので探したのだけど見つからず。惜しい。

「Craftbar」ではブランチ。
あっさりしたエッグベネディクト。日本人にも大丈夫な味。ここは一昨年の10月に行って気に入った「Craft」のディフュージョン版だ。こざっぱりしたインテリアで好ましい。

そのままタイムズ・スクエアに行き、「オペラ座の怪人」のチケット入手。28日の月曜だけ何もチケットを予約せず、現地に着いてから演目決めることにしていたのだが、月曜だしメモリアル・デイの休みもあってか休演が多く、「まぁ、見逃している『レント』かなぁ」と思っていたし、直前までそのつもりだった。でも、Howard Mcgillinのファントムがどれほどいいかを森崎夫妻から力説され、ブログなどを調べてももうそれはそれは絶賛の嵐なので、急遽観ることにしたのだ。Howard Mcgillin主演かそうでないかで「オペラ座」の筋の解釈まで変わっちゃうほどの名演らしい。楽しみ。

ぶらぶらと時間をつぶしたあと、念願の「SPAMALOT」観劇。
2005年秋にオリジナル・キャストで観て、そのあまりの良さに「これを観るためだけにNYに行こう」と今回の旅行を決心させた作品。サントラCDはほぼ暗記したくらい聴きこんである。ただ、不安なのはオリジナル・キャストはもうすでにバラバラになってしまい、デニス役の人しか残っていないこと。オリジナル・キャストがすごかったからなぁ(作品公開時は人気役者・実力役者で集客しようともくろむので、オリジナル・キャストはたいてい豪華になる)。
なんといってもエミー賞取りまくり&現在「Curtains」の主役をやっているデイヴィッド・ハイド・ピアースがいないのが痛い。脇役のロビン役で彼が出ていたこと自体が凄い。Lady of the Lake役のサラ・ラミレズは「SPAMALOT」でトニー賞助演女優賞をとったし、ハーバート役のクリスチャン・ボールも「Legally Blonde」で今年のトニー賞助演男優賞に選ばれているし、主役はティム・カリーだった。異様に贅沢なオリジナル・キャストだったのだ。みんないないよ。大丈夫かな。

で…。
不安は的中。一部演出も変わっていて(ランスロットのカミングアウトのシーンやディーバの嘆きシーン)、違和感もあったのだけど、そんなことよりも……、あぁ二線級だとやっぱりこうなっちゃうのか、と、泣きそうになりながら観ていた。
これを再見するために来たと言っても過言ではないだけに、なんだか放心状態。なんつうか昔惚れた女に無理して再会してガッカリした、みたいな。やっぱり無理して会っちゃいけないんだ。素晴らしい思い出は心の中で反芻するだけに止めておかなければいけないんだ、と強く強く反省したくらい。
というか「超実力派が余裕を持ってギャグをやるから面白い」というのを再確認したな。二線級がイッパイイッパイでやるギャグって、同じネタでもやっぱダメだよなぁ…。

相当放心していたけど、同行した森崎夫妻は(半分気を使ってくれて)「面白かった!」と喜んでくれた。周りの客もそれはそれは大笑いの大受け。ボクだけ「昔はもっと面白かった」とか贅沢なこと考えてヤな奴になっている状況。いかんいかん。マジでヤな奴。

終演後ヘルズキッチン地区を歩く。アイン・ランドの「水源」の重要場面のエリアである。ああ、なるほど、ここらへんがゲイルの、とか思いながら。

小腹がすいたので、通り掛かりの「PAM」というタイ料理店に3人で飛び込み、カレーを食べる。「なんかそろそろ辛いのが食べたい!」という森崎夫妻に「あぁそういえばそうかも」と同行した感じ。思ったよりまぁまぁの店。小洒落たタイ料理屋だけど日本酒が揃っていて、テーブルには割りばしがデフォルトで置いてある。日本食は違和感なく浸透しているな。もう特別な存在ではない感じ。

食後、これから2本観る森崎さん(彼は今日3本観る)、そしてショッピングに行く奥さんと別れ、23丁目まで24ブロック歩いて前から行きたかった「F&B」でひとりホットドッグを食べる。なんというかフレンチ系味付けでオシャレにしたホットドッグという感じ。この店の横にいま東京で異様に並ぶ店として有名な「クリスピー・クリーム」があったのだが、つぶれたみたい。こっちではもう波が終わったらしい。

で、部屋に一度帰って支度して、夜は「JERSEY BOYS」を観る。
フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズの歴史を、彼らの数多いヒット曲で綴るミュージカル。知ってる曲ばっかりだし、歌唱も素晴らしいし、ストーリーと会話とモノローグと曲の入り方の構成が自然で素晴らしい。セットもシンプルでよく出来ていた。でも2005年トニー作品賞を取るほどのミュージカルとは思わなかったかな。4人で始めたバンドが大成功しつつも別れ別れになっていき、終盤でひとりきりになったフランキーが「君の瞳に恋してる」を熱唱するところはちょっと涙が出たけど(ここに向かっての盛り上げはうまい!)、曲の派手さに比べて、内容は意外と真面目で地味なミュージカルという印象だった。
フランキー役のJohn Lloyd Youngが凄まじいハマリ方で、ファルセットなど完璧。フランキーに似すぎ。絶賛。トミー役のChristian Hoffも良かった。ちなみに席が後ろの方だと二階席がせり出している関係で見えない部分があるので、これから席を取る方はお早めに前の方を取った方がいいと思うです。あ、それと、フォー・シーズンズの曲をあまり知らない&英語が不得意だと、このミュージカルはつらいかも。どうもミュージシャン系スラングが多いっぽく、ヒアリング不能な場面がいっぱいあった(泣)

つか、真後ろの席にひとり座っていた日本人男子が9割方眠っていて、しかもイビキをかいていて、静かな場面とか同胞として冷や汗かいたよ。目立つ。時差で死んでいるんだろうけどイビキだけはかくな。休憩時間も寝ていて、まわりから「あいつかー」と指さされていた。ヤだなぁ…。

森崎さんが観てる演目が終わるのが24時近い予定だったので、夜中のディナーはパス。胃を休める日。明日はまた2本ミュージカルを観る。そういえば昨日会った松尾さんに今回の観劇予定を話したら、「それって何かの罰ゲームですか?」と真面目な顔で聞かれたっけ(笑)

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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