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C.C.ハウス なかしま
大阪市北区曽根崎新地2-2-11
06-6312-2621
18〜24/土日祝休
4000円〜
バー。
大阪のお初天神の東側路地にある渋いバー。
1999年4月、朝日新聞での連載(「さとなおの自腹で満足!」)で、ボクはこの店をこう書いている。
渋いバーである。古くてシンプルで気楽で、そのうえダンディー(死語)だ。座席はカウンターのみ。老夫婦ふたりでやっている。店名からわかるように、お酒は基本的には「C.C.」しか出さない。え? 「C.C.」って何って? そのくらい知っていてくれー! カナディアン・ウイスキーの「Canadian Club」の頭文字だ。で、この「C.C.ハウスなかしま」が出す「C.C.」の水割りはまさに日本一なのである。職人の技だ。そのうえグラスもいい。手に持ったときの重さが完ぺきなのだ。
こういうバーだから、料理もしっかり職人技である。メニューに並ぶ料理はどれもこれもおいしいが、中でも「ヒレカツサンド」(1500円)は抜群である。ひょっとしたら「C.C.」の水割りと同じく日本一ではないか、とひそかに思っているくらいなのである。
ちょっとレア目の分厚いビーフがちょうどいい具合に焼けたトーストに挟まって、口の中でゆらりととろけるのである。ヒレカツ自体の香りも高いのだが、それがトーストの香りと混じりあって、あ、実はカツというのはトーストが正式な女房なのかもしれない、とふと思う。「カツ+白いご飯」が最上の組み合わせと信じていた自意識が、ことりと崩れおちそうになるのである。うーん、罪なカツ。
何年前だったか、一緒にカウンターの中に立っていた息子さんが独立して北新地に店を構えた。「レストラン&バーなかしま」(大阪府大阪市北区曽根崎新地1-1-41 田中ビル4F/06-6341-1172/18〜26/土曜〜24/日祝休)。こちらでも同じレシピのヒレカツサンドが食べられる。ご両親の店よりももっとカジュアルだから、若い向きにはこちらもお薦めだ。 (元記事はこちら)
この連載ではビフカツサンド(まじで日本トップクラスの味)をメインに取り上げているが、バーとしてもこの店は相当いい。
とても古い店で、いかにも古いスナックみたいな意匠のカウンターのみ。
早い時間に行くとラジオから野球中継が流れ、親父さんは将棋盤をカウンターに持ち出して老年の常連客と将棋をやっている。その感じが好きで、いつもわざと早めにひとりで行っていた。ボクみたいに若いのが混じると(通っていた当時は30代中盤)、場の雰囲気が少し変わってしまうので申し訳ないなぁと思いつつ。
でも、ラジオの野球中継がBGMで、将棋盤がBGVなふるーいバーって、魅力的じゃない?
親父さんの作るグラスも芸術品だった。
上に書いているようにグラス自体もすでに名作なのだが、彼がそこにペンで絵を描いていくのである(ペン先にダイヤモンドの粉をまぶしてあるペン)。ご趣味であったイワナの絵を始め、野球とか川とか。
労作もお客さんが酔って少しずつ割り、最後には数品しか残っていなかったけど、飾ってたのではなく、ちゃんとお客に出していたあたりもいいよね?
でも、この親父さん、とっても絵になったし佇まいも良かったのだけど、
2006年4月24日に亡くなられたようです。
あの名人技である、C.C.の水割りがもう飲めないのかぁ……。
でも、その技はずっとご夫婦のとなりに静かに立っていた息子さんに引き継がれていると思う。
彼は(2006年現在)、お母さんと一緒に古い方の店のカウンター内に立っている。独立して作った新しい店は他のメンバーに任せて。
そうそう、ヒレカツサンドも健在だ。
東京に転勤になってしまったのでなかなか行けないが、あのカウンターがとても恋しい今日この頃である。
90年ころ初訪問。再訪多数。
2006年08月29日(火) 7:36:11・リンク用URL
@satonao310