北方謙三著「楊家将」

2008年5月17日(土) 10:17:34

楊家将〈上〉 (PHP文庫) (PHP文庫)北方謙三の本は本当にイヤだ。

読み始めから「惚れざるを得ない男たち」をズラリと濃密に描いて、主人公たちにしっかり胸をときめかされ、もう彼らは永遠の命を生きるのだと信じるくらいの強さに痺れまくらされる。中盤には必ず敵役が出てくるのだがこれも敵役側から緻密に描いてきっちり惚れさせられる。それはもう見事な描写。
で、おもむろに「イヤな予感」が行間から立ち上り出す。誰かが死ぬ。まさか…。いや、でも、死ぬはずのない男が死ぬのだ。きっと死ぬのだ。そんなの絶対読みたくない。惚れた男の死など見たくない。

そうして読み進めるのがイヤになる。ガッデム北方謙三!

四川大地震

2008年5月16日(金) 7:30:05

12日に起きた四川省の大地震。
まだ瓦礫の下敷きになっている人が1万数千人。行方不明2万数千人。推計死者5万人超。

規模が違いすぎる。総被災者は1000万人超と東京の人口近くまで上り、被災面積は日本の1/6(6万5000平方km)に当たるという。関東一都六県が約3万2400平方kmだから、関東地方のちょうど倍ほどの面積が被災していることになる。

ボクは阪神大震災経験者で、あれと比べるしか基準がないのだが、あのときは電車で20分の大阪に出たらみんな普通の生活をしていてビックリした記憶がある。つまり、歩いて逃げられる距離を避難すれば物資は豊富にあり、なんとか生きていけた。それでも救援は滞り、避難も大変だったのだ。

トニー賞ノミネート発表

2008年5月15日(木) 7:34:25

一緒にNY観劇旅行に行ったモリから「トニー賞のノミネートが発表になりましたよ!」とメール。
去年はノミネート後(そして本戦発表前)に観劇旅行をしたのでノミネート作品を中心に観れば良かったが、今年はノミネート前だったのでまさに手探り。当たったかなぁ、どうだったかなぁ、と、ちょっとドキドキしつつサイトを見た。

予想通り「In The Heights」が強い。
最優秀ミュージカル作品賞、最優秀ミュージカル脚本賞、最優秀ミュージカル主演男優賞ほか、14部門にノミネートされた。まぁ2008年はこれに決まりじゃないかな。ノミネート直前の脂が乗りきってる頃に、オリジナル・キャストで、しかも前から5列目の真ん中でこれを観たのは相当自慢できるかも。

予想を大きく裏切ったのが「Young Frankenstein」。最優秀作品賞も最優秀作曲賞も主演男優賞もノミネートされなかった。というかほとんど黙殺に近い。去年の「Legally Bronde」みたいな黙殺のされ方。んー、腑に落ちない。ボクは大好きだけどなぁ。

千葉の奥の奥の方

2008年5月14日(水) 21:36:29

NYから帰ってきてからさすがにバタバタしていて、企画・雑務・人事・会議・講義と折り重なっている。まぁ連休明けということもあるけど実に慌ただしい限り。連載もそろそろ〆切だ。あぁ台湾も仙台もNYも「おいしい店」まとめたい…。あ、メールのお返事など、とんでもなく遅れてます。すいません…。

今朝は6時半すぎに家を出て千葉の奥の奥の方まで2時間半かけて出かけた。と、遠い!

会社の研修所での講義が目的。
この講義を3月にオファーされて、そのときの勢いでちょっとハードルの高い講義テーマを設定しちゃったのだが(そのときはそれで出来る気がしていた)、そのテーマが今になってプレッシャーとなり、昨晩も今朝も「あーでもない、こーでもない」とパワポをいじりまくってた。やべっ、できないっ、話せないっ、と切羽詰まる。

ニューヨーク旅 総括(レストラン編)

2008年5月13日(火) 8:36:14

アメリカはまずい、というのが定説だが、少なくともニューヨークはおいしい。
おいしい上に、スターシェフたちが競い合って新コンセプトの新店を出すので、旬が次々に変わっていく。旬の地域も次々変わっていく(MPDからロゥワーイースト、ヘルズ・キッチン…)。スターシェフたちも新店の成功を請け負って見事達成したら、その店を他の人に任せて次の出店に関わる。
そういう意味ではミュージカルのオジリナル・キャスト(初演メンバー)にシステムが似ている。初演メンバーで評判をとって、ロングランを狙うのだ。そして豪華な初演メンバーは次へと移っていく。

ブロードウェイとは層の厚さも似ている。
スターシェフの次に虎視眈々と上を狙っている若いシェフが待ちかまえていて、彼らが移っていった後の店の質をきっちりキープする。数店の支店を持つチェーンでも、コンセプトだけスターシェフが作って、あとは他のシェフに任せていたりするのに、意外とどの店も素晴らしいということがよくある。ここ数年躍進している「BLTグループ」もそういった例のひとつだろう。「BLT=Bistro Laurent Tourondel 」で、Laurent Tourondel というシェフが展開しているレストランなのだが、「BLT Prime」「BLT Steak」「BLT Fish」「BLT Market」「BLT Burger」など、どの店も評判がいい。David Chang の「Momofuku」もそんな感じになってきている(「Momofuku」についてはこちらでくわしく書いた)。

日本だとシェフが変わったり手を広げたりすると途端に店の質が落ちることがよくある。少なくともボクは、支店を出した店は警戒してしばらく行かなかったりする。でもニューヨークでは飲食店ビジネスが一桁違う規模で展開されているので、その辺の事情が違うようだ。ちゃんとお金が入った店はそれなりにちゃんとおいしい。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。