四川大地震

2008年5月16日(金) 7:30:05

12日に起きた四川省の大地震。
まだ瓦礫の下敷きになっている人が1万数千人。行方不明2万数千人。推計死者5万人超。

規模が違いすぎる。総被災者は1000万人超と東京の人口近くまで上り、被災面積は日本の1/6(6万5000平方km)に当たるという。関東一都六県が約3万2400平方kmだから、関東地方のちょうど倍ほどの面積が被災していることになる。

ボクは阪神大震災経験者で、あれと比べるしか基準がないのだが、あのときは電車で20分の大阪に出たらみんな普通の生活をしていてビックリした記憶がある。つまり、歩いて逃げられる距離を避難すれば物資は豊富にあり、なんとか生きていけた。それでも救援は滞り、避難も大変だったのだ。

関東地方の倍ほどの面積が被災しているとなると、想像の域を優に超える。
東京を中心点とすると、愛知や新潟、宮城のあたりまで逃げてようやく避難完了となる(避難を受け入れてくれる場所があることが前提だが)。
大雑把に言って250〜350kmほど逃げないといけない。地震で傷ついた身でそんなに歩けるか。家族や荷物があったりする身で逃げ切れるのか。歩いている途中がずっと被災地域であり、水や食べ物にもコトを欠く(はっきり言って、ない)。寝る場所もない。土砂崩れなどの危険地帯も多いだろう。地獄だ。

車で行けばいいじゃん、とか、被災したことがない人は簡単に思うだろうが、地震の被害というのは被害の全貌が明らかになるまでに時間がかかり、どっちに逃げればいいかわからないことが多い。
逃げた方向がもっと酷いことになっていることも多いし、道の選び方によっては超大渋滞し、前にも後ろにも進めない地獄となる。抜け道行こうにも家が倒れてて道がふさがっていることも多いのだ。第一、安易に車を出すと救助の車の機動力を阻害することになり、救助活動の妨げになる。車で逃げるのは賢い選択ではない。

こうなると、被災地で救助を待つしかない。
流言飛語が飛び交い、家族や親しい人の生存もわからず、夜は真っ暗。幸い春だから冬ほどの厳しさはないとは思うが、不安すぎる状況は続く。水も電気もガスも来ない。場所によっては犯罪も多発する。ケガをしても水で洗えず、不潔な状態が長く続く。周りはほこりが舞い、道は地割れでボコボコ。思うように情報も入らずイライラする。

考えるだにつらい。してはいけない、と思いつつ、ニュースから目をそらして生きている。あまり思い出したくない経験なのだ。

大震災については、「地震が起こる前にこれだけはしておけ!」「地震が起こったら、まずこれをしろ!」「震度7の朝、妻は妊娠9ヵ月だった」などもお読みください。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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