小松政夫の生舞台

2008年11月12日(水) 8:15:29

ちょっと前だが、舞台「小松政夫 vs コロッケ 爆笑街道まっしぐら」を観た。新宿のシアターアプルにて。この劇場もコマ劇場とともに今年でオシマイ。

昭和最後のコメディアンだとリスペクトしている小松政夫を生で観たい!というのが行った理由。
予想通り「昭和の笑い」の連続で、はっきり言って「古い」のだが、そのテンポの遅い古さが逆に心地よく、昔のお茶の間感覚でダラダラとくつろいで笑い続けられた。そう、こういうおバカでくだらない笑いを欲していたのだ。満席の客席は60代中心。昭和時代にバリバリがんばっていた人々が大声で笑いながら観ている。こういうのイイな。

もともと昭和の笑いを舞台にするのが狙いだったらしい。なにしろラストは「電線音頭」なのである。
電線マンが登場し、金色スパンコールのジャケットを着た小松政夫がおたまをマイクに司会をこなす。客席からも数人舞台に上げ、「♪チュチュンがチュン、チュチュンがチュン、あソレ、電線にっ、雀が三羽止まってたっ。それを猟師が鉄砲で撃ってさ。煮てさ。焼いてさ。喰ってさ。ヨイヨイヨイヨイ、オットットット、ヨイヨイヨイヨイ、オットットット」と繰り返し踊るのだ。冷静に考えると「なんでこの程度のギャグであんなに笑えて、あんなに流行ったのだろう」と思うのだが、ふと気がつくとゲラゲラ笑っている自分がいる。あぁ「電線音頭」を生で観ちゃったよ。一生の思い出だ(ホントか)。

「出し惜しみしちゃダメよ」

2008年11月11日(火) 8:18:55

秋田往復には新幹線を使ったのだが、座席の背に「トランヴェール」という薄い無料雑誌が挟んであった。手持ちぶさただったのでなんとなくそれを眺めていたら、巻頭エッセイを脚本家の内館牧子さんが書いていた。その中の一文。ちょっと長いが引用させていただく。 脚本家の橋田壽賀子先生が「おしん」を書かれている最中、私は先生の熱海の仕事場に通っていた。膨大な資料を整理する程度の手伝いだが、卵以下の私にとって、一流脚本家のそばにいられるのは、何ものにも替え難い幸せだった。
 それから約十年後、私はNHK朝の連続テレビ小説「ひらり」を書くことになった。先生は大喜びされ、一席設けて下さった。私は暮色の熱海が一望できる一室で、たったひとつだけアドバイスを頂いた。
 「出し惜しみしちゃダメよ」
 これは強烈だった。さらにおっしゃった。
 「半年間も続くドラマだから、ついついこの話は後に取っておこうとか、この展開はもう少ししてから使おうとか考えがちなの。でも、後のことは考えないで、どんどん投入するの。出し惜しみしない姿勢で向かえば、後で窮しても必ずまた開けるものよ」
 実はその時、私はすでに半年分の大まかなストーリーを作り終えていた。出し惜しみと水増しのストーリーだった。熱海から帰った夜、私はそれを全部捨てた。向き合う姿勢が間違っていたと思った。
 「出し惜しみしない」という姿勢は、人間の生き方すべてに通ずる気がする。たまたまではあるが、今の自分にとても響いたので備忘録的にここに載せておく。あぁ今読めて良かった。書いてくれてありがとう内館さん(面識ないが)。

以前、ボクも「出し惜しみしないこと」について、不定期日記に書いた。ムツゴロウさんのエピソードである。これは加筆修正してエッセイ集「人生ピロピロ」(角川文庫)にも収録した。「出し惜しみしないこと」はボクの中でとても大きな位置を占める言葉なのである。

でも、ふと気がつくと忘れている。今こそ必要な言葉だったりするのに肝心なときに忘れている。人生とはそんなことの繰り返しだなぁ。こんな体たらくでも少しはじわじわ前に進めているのであろうか。

角館の紅葉、横手の焼きそば

2008年11月10日(月) 8:34:09

昨日は昼前に秋田を発って角館へ。
先月も行ったんだけど、もう少し行ってみたい店があったので出かけた(「しょうじ」と「じん市」。後者は入れなかった。残念)。そしたら武家屋敷周辺、紅葉真っ盛り。溜息どころか涙までこぼれそうなくらいキレイだった。黄と赤と橙と緑。見事なバランスで混じり合う。その背景には黒塀と茅葺きの武家屋敷。日本の美しさここに極まる。地球広しと言えども希有な美である。こういう美を浴びている瞬間に頓死したい。とか思う。

角館から花火で有名な大曲を経由して奥羽本線で横手へ。
かまくらで有名な街らしいが、食べ好きには「横手焼きそば」の地でもある。横手には50店以上焼きそば屋があるという。決して大きくない町なのにスゴイな。

発祥の店「元祖神谷焼きそば屋」にまずは詣でる。
駅前からずいぶん郊外に移転したとのことでタクシーで行ったが(片道1300円くらい)、タクシー運転手さんが「あそこは旅館みたいに立派になった」と教えてくれた。行ってみたら確かに「焼きそば御殿」みたいな感じ。郊外にいきなり現れる立派な焼きそば屋。うわーっ。よっぽど流行ったんだなぁ。この店の焼きそばがその後全国で「横手焼きそば」として有名になるくらいだもん、そりゃそうか。

地酒天国 秋田

2008年11月 9日(日) 23:19:17

秋田には川反(かわばた)という繁華街があって、昼は寂しいが、夜になると一変して賑やかになる。昨晩はそこでいくつかハシゴ。「ちゃわん屋」「比内や」「酒盃」。あ、「酒盃」は山王か。山王は秋田のもうひとつの繁華街。この店は再訪である。前回はもう少し肩が凝る感じの印象だったが、今回はガラリとかわって楽しい楽しい。夜おそいと店主にもずいぶん酒が入り、話がいろいろ弾んだ。

秋田の人はびっくりするくらい酒が好き、とはよく聞くところ。
さもありなん。なぜなら酒が異様にうまい。

今回も「刈穂 六舟」「酔楽天」「まんさくの花」「飛良泉」「雪の茅舎ひやおろし」「やまとしずく」「出羽の雫」「天の戸 Land of Water」「天の戸 黒」など、いろんな銘酒を知った。途中、川反の素晴らしい酒販店「酒屋まるひこ」でもいろいろ教えてもらった。しばらくは秋田の酒に凝ってみたいと思わせるくらいうまい。うまいなぁ。

仙台から秋田へ

2008年11月 8日(土) 17:15:36

仙台を経由して秋田に来ている。
仙台は「都留野」で牛タンを食べた後、「一心」を再訪して日本酒を堪能。先月訪れたときよりずっといい印象。うまかったなぁ…。仙台は相変わらず美しい街。一瞬しかいなかったのでいろんな方にお会いできなかったが、またここには来ると思う。来るたびに好きになる街。

飲み過ぎて頭が多少痛かったが、昼前から移動して秋田へ。
秋田は仙台よりさらに寒い。紅葉がきれい。でも仙台よりずいぶん寂しい雰囲気である。あまり人が歩いていないのだ。観光客がいないなぁ。市民市場も空いていた。安いし美味そうで楽しかったけど。

これから川反(かわばた)に出て飲む予定。寒いけど、逆に鍋とか美味しいもんね。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。