天才の根っこ  --00.09.21





うう。久しぶりの更新だー。

9月になってからこっち、仕事が忙しかったうえに、外泊が多かったから仕方がないのよ。マジで。

ムツゴロウ動物王国に仕事で2泊3日したり、会社の泊まり込み研修で2泊3日したり、遅めの夏休みで名古屋・志摩に3泊4日したり・・・
その合間に平常の仕事があったから、なんつうか、まるで落ち着かない9月前半であったのだった。

むぅー。それぞれ面白かったので、書きたいことばかり・・・。

とりあえず短めにご報告だけしておこう。
もっと書きたくなったら、きっと後追いで書くことでしょう。





■ムツゴロウ動物王国

ムツゴロウさんには約4年ぶりにお会いした。

ある時期、仕事で毎年1ヶ月弱は北海道のご自宅(動物王国)を訪れていて、合計すればいままでの人生で6ヶ月くらいはベッタリご一緒させていただきていることになる。

いや、もっとかな。10ヶ月くらいは動物王国にいる気がする。

一生のうちの、10ヶ月・・・。
もともと彼の著書を読みあさった中学時代を送っているボクとしては、光栄至極の10ヶ月なのである。
ほとんど「同じ時代を生きている光栄」「同じ場所で空気を吸っている幸せ」「彼の脳細胞の片隅にボクという存在が刻み込まれている至福」みたいなものを、お会いするたびに感じている。

彼は一部で動物系「お笑い」エンターティナーと思われているムキもあるかもしれないが、まぁそれもある種の彼の守備範囲のひとつではあるのだが、ここでハッキリ断言しておく。前にも書いたかもしれないがもう一度断言しておく。

彼は「得難い天才」なのである。

いや、マジで。お会いするたびにその思いを強くする。
動物と話せる天才、とかいうのではない。そんなの彼のほ〜んの一部である。
彼はボクがいままで見た中で一番の「万能選手」だ。なにやらせても、なに語らせても「広すぎて、深すぎる」。彼の前だと自分が卑小な存在に思えてくる。登るべき山の高さに腰が抜けてしまう。いや、山じゃないな。山脈だ。世界トップレベルの山をいくつも持つ山脈なのだ。

広すぎて、深すぎる・・・。
彼の、そのあらゆる分野についての引き出しの多さは驚愕である。そしてその引き出しすべてに渡ってかなり「極めている」。
これだけ万能な人間を、ボクは他に知らない。
これだけパワフルな人間を、ボクは他に知らない。
広すぎて、深すぎる。その広さ、その深さは、会って話してみると誰でも驚愕することだろう。



さて。

何度もお会いして何度もお話ししたりしているうちに、彼のその「広すぎて、深すぎる」根っこが、実はある一点に収束していることにだんだん気がついてきた。
それは「彼はなんでも出来てスゴイなー」と単に驚いたり、「我々とは違う人種ー!」とカテゴライズして安心してしまってはいけないのではないか、と思わせる部分である。
ボクたちでもやれば彼に届くのではないかと思わせる部分。
その根っこがあったからこそ彼は「広すぎて、深すぎる」人生を手に入れた、そういう部分。

何百時間と一緒にいて、やっとわかってきた。
彼は「ある才能」を伸ばすことで、すべての才能を伸ばしてきたのだ。
でもって、それは一般人にも十分可能だし、手が届く才能なのである。


それはなにか。


彼の根っこ・・・彼の秘密・・・あるレベル以上の偉人は誰でも持っている才能・・・




はは。
たいした答えじゃないよ。
でも、ムツゴロウさんにお会いするたびにひしひしとその才能の大切さに気がつくのである。

才能、というより、姿勢、かな。





それは、「出し惜しみしないこと」





もちろん他にもある。「なんでも面白がる精神」や「なにかに集中したときのパワー」や「自分を運気に乗せる能力」など、いろいろ秀でたところはある。
が、それらも結局「出し惜しみしないこと」を原点としているような気がするのである。



出し惜しみしないこと。



例えば。
なにかを面白いと思ったら中途半端で止めないで、文字通り寝食を忘れて没頭する。
面白がる精神を出し惜しまないのだ、彼は。
ボクはすぐ「そろそろ寝ないと明日にひびく」とか思って適当なところで切り上げようとする。でもムツゴロウは切り上げない。翌日会社があろうがきつい仕事があろうが、寝ない。ヘタすると1週間、寝ない。面白がる自分を出し惜しまず100%自分が満足するまでやり切る。

え? 彼は丈夫なのよ、私はカラダがきついわって?
彼だって常人なのだから、カラダはきついだろう。でも「出し惜しみをしない」のを続けているうちにカラダもそれに応えてくるようになるのだ。ちょうどボクがあんなにダメだった徹夜がいまは平気なように。出し惜しまないと、カラダは別の力を提供してくれるようである。



出し惜しみしないこと。

例えば。
ある分野を得意になってやろうと思ったら、そこにすべての力をぶつける。
パワーを出し惜しまないのだ。
極限までそれに打ち込む。先人の門を叩く。独自の近道を編み出して工夫する。もうここいらでいいや、とは思わない。自分に負けない。世界でもトップクラスになるほどやりこむ。

え? そんなパワー、私にはないわって?
あるさ。出してないだけ。ずっと温存しているだけ。休養したら戻ってくるのに出し惜しみしているのだ。ボクもこの頃楽な方楽な方に流れがちだ。パワーは出さないと出し方を忘れる。テンションの上げ方も忘れる。疲れるから、しんどいから、と、いままでどれだけ出し惜しみをしてきたか。



出し惜しみしないこと。

例えば。
話に興に乗ったら、聞いている方がどう思おうが、止めない。
興に乗った自分をそのまま解放する。放流する。自分の中で盛り上がっている想いを止めない。出し惜しまない。自分に柵をもうけない。自分を出しっぱなしにする。出しっぱなしにすると違う自分がひょこっと顔を出す。そこまで自分を解放する。くだらない例のようだが、こういう生活の細部まで彼のその精神は徹底している。

え? そんなことやっていたら人に嫌われるわって?
いやいや。その人に嫌われても倍の人が好いてくれる。だって「解放されたアナタ」はめちゃめちゃ魅力的だから。そんでもって、話しているうちにどんどん違う想念が湧いてきて「あ、これ面白い!」とか思ってまた没頭するネタを見つけたりして・・・。





出し惜しみしないでいると、さらにすごいことが起きる。
その姿勢を維持することで、それ自体のスキルが上がっていくのである。出し惜しまないことを習慣づけているとそれが増幅されていくのである。それがどんどんいい方向に回転していくのである。

つまり、例えばパワーなら、

パワーを出すべきときにそれを出し惜しまない
 →→ 出しているうちに出すパワーが大きくなってくる
 →→ どんどん際限なくパワーが出るようになってくる
 →→ 出しているうちに出し方も心得てくる
 →→ いつでもどこでも自由自在に出し入れが出来るようになってくる




ムツゴロウの真骨頂は、この「自由自在さ」なのだ。

出すべき時に、すぐ最大出力で出すことが出来る。
出したくないときは、ゼロ出力に自分をコントロール出来る。

だから賭事も強い。
出し惜しまない習慣が、運気を呼び寄せる訓練になり、麻雀はもとより競馬でもちょっと信じられないような勝率を誇っているのだ。




振り返ると、ボクは出し惜しみばかりして生きてきた。
「まぁこのへんでいいや」「そろそろ寝ないと明日がきついな」「あまりがんばる姿を見せるのも格好悪いしな」「健康に悪いからこのへんにしておこう」「まぁ他人に比べるとよくやってるしな」「この程度がボクの限界かな」・・・

ムツゴロウさんにお会いするたびに、ボクは猛省を迫られるのである。
そしてそして。
出し惜しみさえしなければ、ボクもムツゴロウレベルまで行けるような気もしてくるのである。

ムツゴロウの歳までまだ20年以上ある。
出し惜しみしなかったら何でも出来るのである。


出し惜しみしないこと。


自分の中に眠っている好奇心やパワーややる気を、出し惜しまずに生きてみようではないか。






・・・ってなんか話が大きく逸れてしまったなぁ。

いや、こんな話を書こうと思ったのではなくて、単にムツさんのところで何があったかを書こうと思っただけなのだけど・・・


今回は2泊と短かったけどいろいろあったなぁ。
ムツさん自慢のサウナで5時間ハダカで打ち合わせしたり、乗りまくるムツさんの話に深夜まで書斎でおつき合いしたり、久しぶりに馬に乗ってストレス発散させたり、養老牛温泉の灯りもなにもない秘境露天風呂にゆっくり浸かったり・・・。

でもね、ハイライトはね、ムツゴロウさん自らの歓待料理。

彼の、世界中を食べまくった経験豊かな味覚で自ら手料理して歓待してくれたのだった。もちろん純子奥さんや悦子さんたちの心もびっちりこもっている。

イケム87をふんだんに使った牡蛎のオーブン焼きも良かったし、自家製プチトマトの中にホヤやウニを入れてブルーチーズと和えてオーブンに入れたのもとてもうまかった。
クコを使った食前酒や中標津のラ・レトリのジェラートにゴディバのリキュールをかけたのもうまかった。うん。全部が全部、たいへんうまかった。
でも特に秀逸なのは、サンマの刺身とサンマ寿司




ムツさんが例の調子で叫ぶ。

「いや佐藤さんね、わたしはね、30年北海道にいますがね、ここまですごいサンマを見たのも食べたのも初めてなんですねーーー。知り合いの漁師に1週間も前から頼んどきましたからねー。わしゃしゃしゃーーー。どーーぞどーぞ、存分に吐くまで食べてください!」








なるほどー。確かに色つやからしてサンマとは思えない。じゃーありがたく、一口、っと。

う、、、お、、、こ、このサンマは・・・!






そして、〆に出てきた逆イクラ丼(ご飯よりイクラの方が多い)もすごかった・・・・。


「イクラはね、口の中でプチプチするのがうまいと思うでしょ?思うでしょ? ところがですね、本当にうまいイクラはですね、口に入れた途端、とろけるんですねーーー。わしゃしゃしゃーー。いや、わたしはね、30年北海道にいますがね、ここまですごいイクラもめったに食べられませんねぇ。出たての初物です。北海道人でもなかなか手に入りません」








いやー、やっぱりイクラはプチプチするのがうまいのであって・・・ボクもいろいろ食べてるからね。まぁありがたく一口っと・・・

う、うぐぐ、なんだ・・・この・・・イクラは・・・!!









え?

どううまかったか教えろって?
文章で表現しろって?





むははは・・・・もったいなさすぎて、表現したくないっす。



これに関しては、きっぱり「出し惜しみ」させていただきます。





想像して苦しんでくれ。









ps
ああ、「会社の泊まり込み研修で2泊3日」の話や、「遅めの夏休みで名古屋・志摩に3泊4日」の話も書く予定だったのに、ムツゴロウ話が妙に長くなってしまった。

うー、そこらの話は、次回、ね。







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