角館の紅葉、横手の焼きそば

2008年11月10日(月) 8:34:09

昨日は昼前に秋田を発って角館へ。
先月も行ったんだけど、もう少し行ってみたい店があったので出かけた(「しょうじ」と「じん市」。後者は入れなかった。残念)。そしたら武家屋敷周辺、紅葉真っ盛り。溜息どころか涙までこぼれそうなくらいキレイだった。黄と赤と橙と緑。見事なバランスで混じり合う。その背景には黒塀と茅葺きの武家屋敷。日本の美しさここに極まる。地球広しと言えども希有な美である。こういう美を浴びている瞬間に頓死したい。とか思う。

角館から花火で有名な大曲を経由して奥羽本線で横手へ。
かまくらで有名な街らしいが、食べ好きには「横手焼きそば」の地でもある。横手には50店以上焼きそば屋があるという。決して大きくない町なのにスゴイな。

発祥の店「元祖神谷焼きそば屋」にまずは詣でる。
駅前からずいぶん郊外に移転したとのことでタクシーで行ったが(片道1300円くらい)、タクシー運転手さんが「あそこは旅館みたいに立派になった」と教えてくれた。行ってみたら確かに「焼きそば御殿」みたいな感じ。郊外にいきなり現れる立派な焼きそば屋。うわーっ。よっぽど流行ったんだなぁ。この店の焼きそばがその後全国で「横手焼きそば」として有名になるくらいだもん、そりゃそうか。

目玉焼きが載っているのが横手焼きそばの特徴だと思っていたが、必ずしも目玉焼きは載せなくてもいいようだ(普通に肉焼きそばとかを頼むと載らない。肉玉を頼むと載る)。
ストレートの茹で麺が柔らかくブニャッとしている。ソースが濃くて全体に黒くて塩辛い。福神漬けの付け合わせ。んー。なんだかとっても素朴だ。ご夫婦はとっても親切でいい感じ。焼きそば御殿が建ったのも「焼きそばで儲けた」というよりは「焼きそばをメインの店にしたら想像以上に流行って、大勢の客のために長年必死に作って生きてきたらいつの間にか儲かっていて、もう欲もないので郊外に移ってのんびりやることにした」みたいな流れだろうかとか想像しちゃったくらい素朴な料理と親切なご夫婦、そして人通りがまったくない郊外立地。

二軒目は駅前から駅裏に移転した「まいど」。
ここは元祖ホルモン焼きそばが名物。焼きそばの具がホルモンなのだ。濃くて下世話だけどクセになる味。ここのは紅ショウガが付け合わせだった。このホルモン焼きそばは東京でも受けるかも。
もう一軒、駅前の「食い道楽」にも行こうと思ったが、時間的に限られていたことと「まぁ焼きそばは焼きそばだ」という普通の結論に達したので東京に帰ることにした。お腹もいっぱいだし。

一生縁がないだろうと思っていた町に今回も行けた。一生通るはずのない道。一生出会うはずのない人。一生食べるはずのない店。旅ってやっぱり人生の必需品だな。自分が棲む世界の狭さをこっそり教えてくれる。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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