鬱について書かれた本の中でも白眉。『うつ病九段』先崎学
2018年8月 9日(木) 6:38:43
すさまじい本だった。
鬱について書かれた本の中でも白眉。鬱と隣り合わせの現代人は必読だと思う。
プロ棋士の先崎さん(先ちゃん)の文章はとても好きで、週刊文春で連載していた「浮いたり沈んだり」とか愛読していた。「そういえば最近読んでないなぁ」と思っていた矢先の出版。衝撃的な内容。絶頂とも言える順調な日々に、鬱は突然やってくる。
将棋の九段のプロが、七手詰めの詰め将棋すら解けなくなるくだりは涙なしに読めない。鬱とは一般に言われている「心の病気」ではなく「脳の病気」なのだと理解する。
ボク個人で言えば、今年の3月のある晩を境に魚を食べられなくなり、外食や旅も制限された。人生として重きを置いていた分野だったこともあってかなり抑鬱状態に追い込まれた。
そこから「本物の鬱」に落ちないように、毎日すごく慎重に暮らした。
急峻な稜線をよちよち歩く日々。ちょっとしたことで崖下に落ちそうな予感があった。
この本を読むと、本当に危なかったんだろうなと思うし、いまでも気が抜けない。鬱はちょっとしたことで突然やってくる。
それにしても描写がリアルだ。
鬱病患者が思うこと感じること、そして復活していく過程で起こることなども一人称でしっかり辿ってある。よく復活途中でここまでリアルに書けたなぁと思う。
そして、書くことが治療になっているんだな、ということもわかる。何しろ脳の病気だからね。脳に客観視させるのに、書くことはとても効果的。
ボクももうちょっと書こう(鬱に落ちるのが怖くて逆に少し離れてた)。そう思った。
