2007年生まれの日本人の約50%は107歳まで生きる 〜グラットンの新刊『ライフシフト』の衝撃

2016年10月 8日(土) 21:10:33

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2007年生まれの日本人、というと、いま9歳か。
小学3年生?
そのくらいのお子さんをもっている人もたくさんいらっしゃると思う。
このお子さんたちの約50%は、なんと107歳まで生きるらしい。

ベストセラー『ワークシフト』の著者、リンダ・グラットンの新刊『ライフシフト』は、アメリカの人口学者たちによるそんな衝撃的な予測結果から始まる。

つまり、人類は、いままで誰も経験したことない「人生100年時代」に本格的に突入する、ということだ。

一昨日、この本を読んで感想を言い合いながら軽く飲む会、というのを、例によって4thコミュニティでやった。まだ発売前の仮刷(写真右)を東洋経済新報社から提供いただいて、3週間くらい読み込んで、25人くらいで語り合ったのである。

この会がめっちゃ面白かった!

社会人になると「人生ってさぁ」みたいな青い話って、あんまり大っぴらにしないじゃないですか。してもたいていは年長者による説教になっちゃうし。

そういう青い話を大っぴらに大勢で話す会である。
それ自体がまず面白いけど、なにしろ「誰も経験したことない人生100年時代」のお話しなので、わたしら50代もこれからどうすればいいかわからないわけです。というか、逆に途方に暮れるわけですよ。つまり「年長者=経験者」という式が成り立たない。だから説教とか経験談にならない。20代も50代もフラットな議論になる。それが楽しい!

楽しかったけど、場は不安で満たされた。
本来は「長生きできる」というのは幸せでうれしいことのはずだ。
でも、20代から50代まで、一昨日の参加者はみんな不安がった。「そんなに生きるのかー」って。

それはなぜか。
「人生設計」が根本的に変わるから不安なんですね。

人生100年時代に突入すると、いままで人類が確立してきた「学習→仕事→引退」という3ステージ的考え方だと「仕事ステージ」が長くなりすぎる。早く引退しちゃうと「引退ステージ」が長すぎて生活できなくなるからね。

でも、普通に考えたら、それは辛い。「えー90歳まで働くのかよー」ってなる。

ただそれは「3ステージしかない」ということが前提の考え方。
つまり、その考え方を変えないといけない。
4ステージと考えたり、5ステージと考えたり、複数ステージを並行して持ったり。

わりと分厚い本なのだけど、この本が一貫して訴えているのは、ざっくりそういうことだ。

いままで「人生設計」という言葉を使うとき、我々は「学習→仕事→引退」という3ステージを前提に考えてきた。でも、これ、人生100年時代には、根本的に考え直さないといけないよ、ということ。

そのことを具体的なライフモデルを引きながら書いている。

ん?
「自分たちよりずいぶん若い人たちの話でしょ?」って?

イヤ、これ、たぶんあなたの話です。
医療の進化や意識の変化が前倒しされると、わりとすぐこうなると思うから。
というか、いま定年前(60歳前)の人でも、3割くらいは100歳くらいまで生きる気がする(あと40年以上だ)。

定年→引退を普通に考えているそこの40代50代のあなたも、定年後、会社人生と同じくらいの時間が残されてるかもですよ。
(この世代は子どものころに添加物をたくさん摂ったこともあって戦後世代より短命じゃないかと言われていたけど、どうもそうではないくさい)

つまり、たぶん今読んでいるほとんどの人は、特に「仕事ステージ」を根本的に見直さないといけなくなる。

これは、仕事とは何か、という問いかけにもつながるですね。
仕事=労働、と考えていると、仕事ステージの長さに身が持たなくなる。
仕事=生き甲斐、だとしても、一社・一分野に長くいることはリスクになるだろう。だって、人生100年時代は世の中も100年分大きく変わる。安定期でも企業寿命30年と言われるくらいなのだ。今後の激変期を見据えた対応を迫られるだろう。

人生はダブルスタンダードだ。
明日死ぬかもしれないし、100年生きるかもしれない。

でも、もし100年生きてしまう可能性と向き合うなら、根本的に「人生設計」を考え直すためもこの本は必読かもしれない。
オススメです。


ちなみに。
ボクも55歳にしていろいろ迷いまくっているけど、でも著者と(というかこの本の内容と)かなり考え方が近いかも。
ずっと「80歳、人生ピーク説」で生きているので、わりと以前から100年時代の覚悟をしてきたし、仕事ステージも本業以外にいろいろ持って「小分け」してきた。また、有形資産(お金)的な価値観から無形資産(つながり)的な価値観に大きく舵を切っている。

だから、この本の内容には共感しかしなかった。
なんだか背中を押された気分です。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター
(株)ツナグ代表。(株)4th代表。独立行政法人「国際交流基金」理事。復興庁政策参与。公益社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。東京大学大学院非常勤講師。上智大学非常勤講師。
朝日広告賞審査員。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。
現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。
本名での著書に「明日の広告」「明日のコミュニケーション」(ともにアスキー新書)。「明日のプランニング」(講談社現代新書)
“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(光文社文庫)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。
花火師免許所持。
東京出身。東京在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園夙川芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao[a]satonao.com まで(←スパムメール防止のため、@を[a]にしてあります)。

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