南仏旅行2013 その3「アルル〜エクス・アン・プロバンス 娘が微熱」

2013年9月11日(水) 18:50:36

「東京オリンピック」の話題で一回空いたうえに、ネット環境の悪い状況が続いて書けず。もうリアルタイムではないけど(いまは東京への帰路、シャルル・ド・ゴール空港にいる)、南仏旅行の記録をひとつずつ残していこう。

南仏旅行のここまでの日程は、

・飛行機内1泊(家からトゥールーズのホテルまでちょうど24時間)
・トゥールーズ2泊(夜中着だったので実質1泊)
・カルカッソンヌ近郊の村で1泊

で、5泊目はエクサン・プロバンス、6泊目はプロバンスの小さな村、7泊目もプロバンスの小さな村を回ってボーヌへ、8泊目はブルゴーニュの畑巡り、9泊目は飛行機内、で、東京着、とこんな旅程。

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で、今日は5泊目を備忘録的に。

泊まった「Domaine du Soleil Couchant」の朝食は朝9時だった。
パンとチーズとハムと「nutella(ヌテラ)」と「SpeculooS(スペキュロス)」を並べただけのもの(写真は同宿したお客さん)

「並べるだけなんだからもっと早くできるじゃん?」と思ったけど、オーナーの奥さんから前の晩に「昨日泊まったドイツ人夫婦がなんと今朝6時半に出発だったのよー。明日の朝ご飯は9時でいいかしら。今日早起きしたから眠くて」という破天荒なお願いをされ、その破天荒さに逆になんとなく我々も納得してしまい、超おそい朝ご飯となったのだった。なぜかフランスでも朝4時台に目が覚めるボクにとって「腹減り地獄」的仕打ちだったのだけど、仕方ない・・・

このホテル(というか、フランス風B&Bらしい)、こういう破天荒さも含めて、全体的にとても楽しい体験だったのだけど、唯一文句があるのはカードが使えなかったこと(!)。カード社会のヨーロッパでは(たぶん)珍しいこと。マジか! 一気に手持ちのキャッシュが減ってしまった。

fromage_ferme.jpg

泊まりは一部屋130ユーロ(エキストラベッド代は別)。環境を考えると安い。それに夕食が22ユーロ(ひとり)ついて、オーナーが勝手に開けたワインは客同士の割り勘になるw でもまぁラテン系かつ南仏なので、この辺のいい加減さはご愛敬。

で、移動。

娘の響子の体調が急降下し微熱が出たので、後部座席で眠らせ、アルルへ直行。

あ、アルルの前に、その宿で出たシェーブルチーズの農家が近いというので、小さな農家へ行ったっけ。そこでシェーブルチーズやトムなんかを仕入れて、アルルへ。

アルルというと「アルルの女」とかゴッホの絵とかを思い浮かべ、なんとなく柔和な印象を持っていたけど、「全然柔和じゃないじゃん?」というのが初印象。バラ色の街かつ女性的な風景を持つ街トゥールーズやアルビを見てきたせいかもしれない。

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というか、ちょうど円形闘技場で名物「復活祭の闘牛」が行われていて、なんだか猛々しい雰囲気さえ漂っていた。街はなんだか「スペイン祭り」風な賑わい。カフェ・ヴァン・ゴッホ(写真)がある広場なんて渋谷みたいな喧噪。カフェはどこもパエリアを路上の大鍋で作っている。

ボクたちもあやかって共同浴場跡の近くにあるカフェでパエリアとスープ・ド・ピストーの昼ご飯。娘は調子が悪くジュースのみ。近くにローヌ川が広がっている。

アルルは、あまり時間をかけなかったこともあるけど、なんだかイマイチ合わなかったかも。

古い街並みだし、円形闘技場や古代劇場とか立派だけど、なんかそんなにワクワクしなかった。期待してただけにちょっと残念。というか、人生も半ばを過ぎ、自分の趣味を明確に出すことに躊躇しなくなってきた気がする(やっとかよw)。若い頃はなんでもフラットかつ肯定的に受け入れていたけど(意識してそうしていたけど)、いまは積極的に取捨選択している感じ。そういう意味では、アルルはもういいかも。

gogh.jpg

クルマに戻って、アルル郊外にあるゴッホの『アルルの跳ね橋』のモデルとなった橋へ。

ゴッホが実際に描いた橋は第二次世界大戦で消失していて、これは1960年に復元されたものらしい。
そのせいなのか、観光客も人っ子ひとりいなかった。
とはいえ、このあたりの風景はゴッホが描いた1888年ころとほとんど変わってない気がするなぁ。美しい川が独り寡黙に流れている。跳ね橋自体よりもそっちの方が印象的。本当に静かでのどかで美しい風景だった。

相変わらず、娘の微熱が下がらない。
彼女をベッドに寝かしたいので、寄り道せずにそのままエクス・アン・プロバンスへ。

ただ、車窓は楽しみたいので、レ・ボーを通って行った。

olive2013.jpgあの独特のゴツゴツ岩山とオリーブ畑を見ながらドライブ。10年前に来たレストラン「ボーマニエール」の前も通ったり。懐かしいなぁ、ボーマニエール。食事の質としては噂ほどではない気がしたけど、環境は抜群だった。

午後5時ころ、エクス・アン・プロバンス到着。ここも土曜の夕方のせいか、大変賑わっていた。

響子の調子が戻らない。
幸い、泊まったホテルがアパートメント形式で、キッチンがあるので、ディナーはスーパーで買い物をしてホテルの部屋でとることにした。そしたら娘も一緒に食べられるし。

ちなみにこのホテル、「Adagio」というホテルチェーンなのだけど、家族連れにオススメだ。

アパートメント形式で、1LDKと広いので、3人とか4人で泊まっても息が詰まらない。そして清潔かつ比較的安価。Wi-Fiフリー。トゥールーズでもこのチェーンに泊まったのだけど、満足した。あちらはわりと素朴な設えでバスタブもなかったが、エクス・アン・プロバンスで部屋はモダンで新しく、バスタブもある。文句はないなぁ。

そして、夜10時。
東京オリンピックの開催発表を、その「Adagio」のホテルの部屋でCNNで見た(それが前回のブログ)。

日本でのその瞬間の空気は共有できないけれど、「あのとき南仏のあのホテルでワイン飲みながら一緒に発表を観てたよねー」と家族で共有できるのはそれなりにうれしいかな。

「ほら、あのとき、7年後のオリンピックって言ってたから、2020年の東京五輪の7年前、2013年に南仏旅行したんだよ!」「そうそう、発表があった夜、キミは微熱だして弱ってたんだよ」とか、将来、家族で振り返ったりできる。

そんな家族の共通体験のトリガーになったエクス・アン・プロバンスの夜だった。

次回はプロバンスの小さくも美しき村々のお話し。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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