南仏旅行2013 その4「プロバンスの小さな村々、そしてボニューの想い出のホテル」
2013年9月17日(火) 7:09:28
さて、もう日本に帰って来ちゃったけど、せっかくなのであと3日分、地道に続けるぞー。
今回はエクス・アン・プロバンスに泊まった翌日のことを書く。
この日の白眉はたくさんある。旧友に会えたこと、ルールマランの美しさ、そしてボニューの想い出のホテルの素晴らしさ!
前日早めに寝たこともあって娘は復調。熱は下がり、動けるようになった。でもまだ胃腸の調子がいまいちで、食事はだましだましする感じ。
エクスには小仲律子(りっちゃん)という旧友が住んでいる。
彼女の実家が京都の酒屋さんで、彼女自身もワインの専門家。フランス人と結婚してこの街に住んでいる。すでに二児の母。
1996年ごろだったかなぁ。彼女がボクのサイトや妻の優子のサイトを読んでくれて、まだチーズ中級者レベルだった優子と「ワインとチーズの会」みたいのを共同で何度も開いてくれてたりした。それ以来の仲である。いや、懐かしい。会うのは15年以上ぶりかも。
そのりっちゃんと優子がマルシェを回っている間(日曜なのでやっているマルシェが少ない)、ボクと娘の響子はミラボー通りを中心に散策(写真はミラボー通りのプラタナス並木)。裏道に入ったら入ったでなかなか魅力的。スムージーなんかを買いつつぶらぶら1時間くらい歩いたあと、りっちゃん親子と一緒にミラボー通りの老舗カフェへ。ヤスオとヨージ(10歳と9歳)という息子たちがこれまた実に可愛いんだ!
いろいろバカ話をしたあと、りっちゃんたちと別れ(今度は東京オリンピックのときに東京で!)、ボクたちはプロバンス(リュベロン地方)へ向かった。エクスはセザンヌの街でもあるのだけど、セザンヌ関係は次回かな。
リュベロン地方の美しさは、ピーター・メイルの世界的ベストセラー「南仏プロバンスの12ヶ月」(←リンク先はKindle版)でブームになり、一大観光地になったのだけど、いまは少し落ち着いている。ボクは10年ぶりの再訪だけど、やっぱり美しい。
今日の宿泊地はボニュー。
10年前に泊まったレストランホテル「La Bastide de Capelongue」が忘れられず、再訪する。
ただ、ナビの優子が道を間違えて高速に乗ってしまい、リュベロン地方のずいぶん東の方に出てしまった。でも、そのおかげで、行く予定がなかったアンスイやルールマランを見られた。
まずアンスイ。
ここ、「フランスで最も美しい村のひとつ」に選ばれているらしい。
素朴で控えめで美しい小さな村だった。
写真は教会前の広場からの景色。観光客も少なく(日曜なのに極少)、散策がとても気持ちよい。教会は牢獄を改造したものらしい。独特の雰囲気。とにかく観光客が少なく、中世がそのまま保たれている感じだった。普通、フランスで最も美しい村のひとつとかって指定されてるともっと観光客とか多そうだけど、本当に少なかった。気持ちよい。お城のすぐ下にあったB&Bとかに泊まったらきっと楽しいだろう。
次はルールマラン。
実はほとんど期待してなかったのだけど、ここ、よかったなぁ。
ここはね、観光客的にちょうどいいのです。なにしろ土産物屋が(素朴すぎて土産物屋がどこにもないリュベロン地方では出色に)多い。カフェも多い。別荘が多くて生活雑貨の店もたくさんある。優子と響子のショッピング熱に火がつき、前に進まんw
観光客も多く、観光バスが何台か来ているレベル。アンスイとは天と地の差だなぁ。
でも雑然とした感じはなくて、その賑わいが楽しい。
それに、第一、村が美しい。カミュも晩年をこの村で過ごしたという(お墓もあるらしい)。カミュに一時期凝った自分としてはお墓参りがしたかったけど、ここがまたまったく観光ポイントになっておらず、どこにあるのか見つけようがなかった・・・
写真はお城の入口の小さな庭。そのまんま印象派の絵になりそうな美しさ。しばらくここでボーッとしてた。
満喫し、ボニューへ。
ここには10年前にカンヌ国際広告祭に参加したあと、後輩の三島英人とふたりでプロバンスを旅したときに泊まって感動したホテル&レストランがある。それが「La Bastide de Capelongue」。
当時「おいしい店リスト」の海外のページに書いているが、ここに再録してみると、
La Bastide de Capelongue(プロバンス、リュベロン)
04-90-75-89-78/84480 Bonneiux en Provence,Luberon,France/
ホテル&レストラン。ラ・バスティード・ドゥ・カペロング。日本人がまだほとんど訪れていない穴場(2002年現在)。ここのレストランは宿泊しないと利用できない。でもこのレストランが「なぜこんないいレストランを宿泊者以外にも公開しないのだ」レベル。うまい。野菜から肉、はちみつ、チーズ、ワインに至るまで「ホテルから数百メートル範囲でとれたもの」しか出ないのだが、その地でとれたものをその地の空気の中で食べる快感をここまで明確に味わったことがない。要は料理が上手なのだな。名門レストランにヘッドハンティングされてもおかしくないシェフがいると見た。味付けは自然で豊か。ひと口食べては連れと「うーむ」と言葉を失い続けた。食前は庭に面したテラスでボーニューの街を眺めながら至福の時を過ごせる。夜中の庭も素晴らしいし、早朝のこの地方といったら至福以上のなにものでもない(リュベロン地方といえば、あのピーター・メイルが気に入って住んだ地区である)。昼はプールも気持ちいい。部屋は小さめだが可愛らしくくつろげる。なんとも癒される宿だった。完璧。余談になるが、ここの「ラベンダーの蜜だけを集めたハチミツ」のあまりのうまさに業務用の大きい容器をそのまま分けてもらった(もちろんお金は払った)。これとシェーブルチーズの相性は衝撃的だった。長く我が家の宝物的ハチミツになっている。02年6月。
そう、こんな感じを家族に体験をさせたかったので予約した。
でも、着いた途端なにかが違う。んんん?
聞けば、8年前に新棟が道の反対側に増築されたらしく、そちらは「La Ferme de Capelongue」というらしい。今回の宿泊は(3人ということもあり)本棟ではなくそちら。で、ディナーを食べるときに本棟の「La Bastide de Capelongue」に向かう、という段取りらしい。
![]()
ううむ。
10年前の印象だと、もっと閉ざされていて、不便で素朴で、でも超うまくて、でも部屋は狭くて、という感じなんだけど、えらい「高級リゾート」風になったなぁ・・・
至る所にアート作品が置かれ、なんと新棟の庭にはヘリコプターが置かれている(観光用だと思う)。
ぬぬぬ、つまり「儲かった」ということかw 急にバブルな宿になってしまった。
ボクも10年前にサイトやら連載やらで大絶賛したので、多少は貢献していると思うのだけど、それにしてもこの大規模ぶりはどうだ・・・
それはともかく、まずは本棟のテラスでシャンパーニュ。
あー、これこれ。この感じは変わらない。
ボニューの街を眺めながら、プールとラベンダーを眺めながらのシャンパーニュ。この極楽。まずはこれを家族と共有したかった。
そして部屋にはいる。
いやー、まぁ素朴感はゼロなんだけど、この新棟の部屋が超ひろくて超快適。センスもとてもよい。バスルームもふたつある。2階建てのメゾネットタイプに入ったのだけど、妻子おおはしゃぎ。あー良かった。これだけで家族孝行終了って感じ。
そしてそして食事。
いまではミシュラン二つ星らしい。全体的になんか「香り」をとても意識したトリッキーな料理が続いたなぁ。たとえば写真のトリュフを丸ごと包んだものなんかはポップコーンを付け合わせに。うん。とても美味しいし意外と合うのだけど、プロバンスの田舎で食べたい料理ではない。あと、全体にトリッキー続きだと少し印象が散漫になる。そこが残念。
まぁでも、やっぱりいいホテルだったなぁ。
やはり、旅の最中に一回は「極上のホテル」に泊まるべきだなぁ。旅の印象が大きく変わってくる。
このホテル、再訪して良かったです。バブル化してたしサービスレベルは前回よりかなり下がっている印象だけど、でもいいの。ここまで環境が良ければ。
ない後ろ髪を引かれながら、翌日はボーヌへ向かう。
