まるでファイナルファンタジーのよく出来たCGのようだ @上海
2012年9月 1日(土) 11:21:56
上海での講演は無事終了した。
上海電通でのソーシャルメディアについての講演だったのだけど、ご存知の通り中国はフェイスブックもツイッターもアクセスできない。検閲がかかる。でもインターネット総ユーザー数は5億4千万人、微博(ウェイボ)と呼ばれる中国版ツイッターは2億7千万人使っていて、利用者数が日本と一桁違う。
特に微博はツイッターより多機能で、フォロワー数が多い人は数千万人。影響力も格段に違う。そういう意味で、ある面では中国の方が進んでいると言えないこともない。だから講演内容をどうするかは迷ったですね。日本の現況や日本での使い方からの分析をしても仕方ないし。
結果的にはまぁまぁウケた模様。よかった(ホッ)
ソーシャルメディアを体系的に読み解いたのはわりと新鮮だったようで、3時間、みんな熱心に聴いてくれた(中国人半分、日本人半分)。みなさん、ありがとう。通訳をしてくれた伊藤さん、チェンさんも本当にありがとう。
あー、肩の荷が下りた、ということで、終了後ひとりで街に出たのだけど、なんと中国人3人から道を聞かれた。
中国語でどこかを指さしながら早口で疑問を呈してくる。
英語で「ここの人間ではない」と言っても通じない。困ってるとプイといなくなる。3回それが起こった。
フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」に同じような場面がある。
自分の家にいないので詳細は確かめられないが、たしかこんな感じ。東部に引っ越してきた主人公のニックは、しばらく孤独を感じていたが、その土地で知らない人に道を聞かれて気持ちが前向きに変化する。「もう自分は孤独ではない。案内者であり開拓者だ」
そんな場面を思い出しながらぶらぶら歩いた。
上海が急に親密に感じられてくる。
金曜の夕方ということで、人出は多く、アップルショップなんかは人で溢れていた(ラッシュ時のようだ)。
上海は(地域によるけど)おしゃれなデザインの店が多く、そのデザイン性においては日本より上とすら感じる。街路樹が多いことと相まって、街並みまでおしゃれ。古い家々(これがまた格好いい)と、にょきにょき建っているユニークなビル群(建築家やり放題!)。街行く人も意外とおしゃれ。ここにいると中国に対するイメージが随分変わる。他の都市はもちろんこんなんじゃないんだろうけど。
夜は「Lost Heaven」という流行の雲南料理店へ連れて行ってもらった(江副さん、遠藤さん、伊藤さん、チェンさん、ランさん)。
ニューヨークの先端の店にいるような感じ。暗くて隠微でファッショナブル。来ている客もかなりの洗練度。すごいなぁ。素直にびっくりだ。雲南の珍しいハーブやキノコを使った料理群は、かなりこねくり回していて印象に残りにくいのが難だけど。つか、ここでも節制断酒は出来なかったw
その後、上海外灘の18号ビルの屋上のバー「バー・ルージュ」へ。
浦東(プートン)地区が一望できる絶景のバー。外国人比率が高く、着飾っている女性も多い。
写真はそこからの景色。
照明で派手に着飾った船が次々に現れては消える。
伊藤さん、チェン・リンさん、ラン・スーさんとボクの4人で、いろんな話をしながら景色を眺めてた。
すさまじくも美しい景色なのだけど、なんか違和感しか感じない。それが正直な印象かな。
人が生きている匂いがしない。
まるでファイナルファンタジーのよく出来たCGのようだ。
人の生活の積み重ねが自然に作り上げた夜景ではなく、欲望と虚栄が作り上げた人造的夜景。だからまったく「共感」出来ない。自分の中に同じ要素を見つけてそこに歩み寄る、という感情過程を作り上げられない。
まぁでも、若い人にはこの景色は「希望」であり「未来」に見えるかもしれないな。
ボクにはちょっとTOO MUCH。
そろそろ「人の心」にひとつひとつ向き合う年齢なのだろうと思う。
夜遅く、ホテルに帰る。
東京からの仕事をひととおり終えて就寝。同じ月の下。
