">

親近感に「尊敬」が加わった 〜アレクサンドロワ「白鳥の湖」

2012年2月 5日(日) 18:14:21

前にアレクサンドロワ主演の「白鳥の湖」を観たのは2008年の12月の大阪公演だった。取り壊し直前のフェスティバル・ホール。

そのときの印象をそのまま引用すると、

オデット/オディール役のアレクサンドロワは、やっぱり異様にうまい。
でも、なんというかマッチョな白鳥で、どうにも哀しさが伝わってこない。逆に黒鳥は素晴らしかったけど、なんというか黒鳥というよりは鷹か鷲な感じ。猛禽類系の凄みがありすぎてちょっと怖かった。このヒトの踊りは大好きだしテクニックも抜群だと思うけど「白鳥の湖」は向いてないかも。

である。
ボクの中では特に「猛禽類系」というイメージが残り、今回も実はあまり期待していなかった。「アレクサンドロワかぁ。大好きなダンサーだけど、オデット役はなぁ…」

そんな感じで、昨日のボリショイ来日公演「白鳥の湖」を観に行ったのだが!

いやいや。3年会わざれば刮目して見るべし! やはりトップダンサーを舐めてはいけない。ありえないくらいの完成度になってボクを裏切ってくれた。トップになってからどんだけ伸びるっていうんだ。舌まいたよ。マッチョぽさも猛禽類系もまったく匂わない。ものすごく安定した超絶技巧の中での静と動の対比、悲と喜のめりはり、喜びと絶望の落差。すごいなぁ。指の先の先まで丁寧に繊細に演技し、白鳥としてふんわり浮かび上がる。

そして、第1幕のラスト、浮かぶように静かに飛んで姿を消す見せ場中の見せ場で、あの腕をやった。アナニアシヴィリの腕(と勝手にボクは呼んでいる)。肩先から指先へ細かくうねるように伝わる翼の羽ばたき。ほぅと息が止まる。アナニアシヴィリ以来の感動。うわー。まいったな。すばらしい。思わず涙。

王子役のスクヴォルツォフは優柔不断でマザコンな王子を上手に演じ、ロットバルト役のラントラートフもとても良かったが、昨日はなんといってもアレクサンドロワに尽きるなぁ。眼福だった。しばらくはおかずなしでご飯が食べられるレベル。

素顔の彼女はまったく普通の感じで、なぜかよくすれ違う。モスクワのボリショイ劇場楽屋でもとてもよく出会ったし、一度パリの街でもすれ違った(岩田くんが一緒で挨拶もしたから間違いない)。日本でも一度五反田だったかですれ違っている。そんなこともあってとても親近感があるのだけど、そこに「尊敬」が加わった今回の白鳥。無理して観に行って良かった良かった。

ちなみに、ボクの席の前列に、NHK「おはよう日本」の鈴木奈穂子アナが、前の担当の首藤奈知子アナと一緒に座っており、周囲はなぜか朝気分w 毎朝テレビで見る人が間近にいるって不思議な感覚だねw

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

アーカイブ

同カテゴリーの他記事