早く若者にバトンを渡そう

2011年7月18日(月) 8:28:19

この土日は被災地に行っていて、「仮設住宅アート」と勝手に名付けたプロジェクトを黒田征太郎さん、内藤久幹くんらと一緒にやってきた。

収容所みたいに無機質に立ち並ぶ仮設住宅。
表札もなく、お互いに名前ではなく「3の5の方」みたいに棟と部屋の数字で呼び合う仮設住宅の住民たち。そんな無味乾燥な生活で「心の復興」が出来るわけがない。生活再建へのモチベーションが上がるわけがない。だったらアートのチカラで何かできないだろうか。そんな想いから始まったプロジェクトである。後援:助けあいジャパン。助成:ROAD PROJECT 日本財団。

で、宮城県名取市で土日たっぷり動いてきて、腕も頭皮も真っ赤になるくらい焼けて、もうカラダぼろぼろなのだけど、そのことを詳しく書く前に、なにはともあれ、今日の話題はこれでしょう。

なでしこジャパン、世界一おめでとう!

先制点を取られ、追いつき、追加点を取られ、追いつき。
あんなに決定力不足が言われた日本サッカーであるが、ここ5年で男女ともに見違えるようだ。技術力が上がったというより、精神力が上がったのだと思う。上がったというか「変わった」のだな。そう、いまの若者たちは本当にたくましい。普通なら何度も諦めている。

ギリシャ時代の昔から、年長者は「いまの若いもんは」と愚痴るものと決まっている。
でも、いまの日本において、それは当てはまらない。大人たちに若者を愚痴る資格はないんじゃないかな。

高度成長日本の成功体験にがんじがらめに縛られている今の年長者たち(40代〜70代)は、すべからく若者にステージを譲るべきだと思う。何が成功かはおいておいて、成功体験に酔えるほどの成功は享受してきた。でもそのおかげで思考が硬直化し、負のスパイラルに入っても抜け出せる知恵も手段ももてないでいる。

そこを根本的に変えるのは、決定的なリーダーの出現なんかではなく、「世代交代」だとボクは思う。

ボクが知っている若者たちは(会社の後輩にしても大学の生徒たちにしても)本当にしっかりしているし、ビジョンもちゃんと持っている。いまの40代〜70代よりよっぽど真面目で陽気でたくましい。ハラハラどきどきしながら女子サッカーをテレビで応援しつつ、マジで「日本は早く世代交代したほうがいい」と思った。

いまの若者たちは次を託すに足る。早く彼ら彼女らにバトンを渡そうよ。

って、中年以上は去れ、みたいなことを後ろ向きに言っているのではないよ。
もっといい世の中になるための、前向きなバトン渡しだ。

譲りたくない、まだまだ第一線で働ける、という方も多いと思う。
わかるけど、できればその位置を若者に譲って道をあけ、環境整備やバックアップでチカラを発揮しよう。それも立派で有意義な仕事だ。将来、高齢化社会で迷惑をかける若者たちのために、彼らがチカラを発揮できるための仕事環境や法整備、支援体制を急がないといけない。

というか、「被災地にボランティアに行く若者が減っている」とか言われているけど、若者より40代50代60代70代がもっと行くべきだと思わない? 若者には次の日本を作ってもらうんだから、彼ら彼女らにはこっちで働いてもらって、40代50代60代70代が被災地で復興に手を貸そう。それに、被災したご老人たちの気持ちが本当にわかるのは、若者より中年・熟年世代だ。仮設住宅や避難所の方々の心のケア役にうってつけ。

って、話がなんだか違う方向に行ったが、とにかく、なでしこジャパン、おめでとう。
ワールドカップ優勝って、本当にすごいこと。おめでとうおめでとうおめでとう!

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター
(株)ツナグ代表。(株)4th代表。独立行政法人「国際交流基金」理事。復興庁政策参与。公益社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。東京大学大学院非常勤講師。上智大学非常勤講師。
朝日広告賞審査員。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。
現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。
本名での著書に「明日の広告」「明日のコミュニケーション」(ともにアスキー新書)。「明日のプランニング」(講談社現代新書)
“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(光文社文庫)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。
花火師免許所持。
東京出身。東京在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園夙川芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao[a]satonao.com まで(←スパムメール防止のため、@を[a]にしてあります)。

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