佐々木俊尚著「キュレーションの時代」
2011年3月 4日(金) 9:29:43

佐々木俊尚著「キュレーションの時代」
を読んだ。
実は先月中旬に読了していたのだが、「あー、こんなに同じようなことを書かれてしまったのなら、ちょっと執筆中の本の内容を変えていく必要があるかもなぁ」とかボンヤリ考えているうちに時間が経ってしまった(ついでに出版時期も延びてしまったw)。
実際、ボクが「明日の広告」の次の本で書こうと思っていたこととずいぶんとかぶる部分がある。
ボクの本はこんなに高尚じゃないし、より実践的に書こうと思っているし、広告とか既存メディアについての視点も違うので、結局内容は変更しないことにしたけど、まぁでも時代の変化の捉え方はこの本と大きくは変わらない。
会社のサトナオ・オープン・ラボで一緒に研究をしている京井くんの本「ロングエンゲージメント」は、一緒に研究しているだけあってボクと考え方がほぼ一緒なのだけど、彼もこの本を読んで「前半は、僕の『ロングエンゲージメント』とほぼ同じ主張。いや、びっくりするくらい一緒でした。」とブログで驚いている。
というか、たとえばボクの「ソーシャルメディアが大きく変えてしまうもの」という記事(「キュレーションの時代」の出版ちょっと前の記事)に佐々木俊尚さん自身、深い共感をツイッターで表明してくれた。この記事の内容とこの本は考え方の根っこはほぼ一緒。つまりとても近い場所をお互い歩いているのがよくわかる。まぁ佐々木さんの方がずっと多面的に掘り下げているけどねw
いや、似てる似てない、近い近くないを問題にしているのではなくて。
やっぱり「そっちの方向」に時代が行くんだろうな、と再確認した次第。旬の論客である佐々木俊尚さんと考えている方向性が合致しているのは実に心強い。
ということで、ボクはこの本の内容のほとんどに賛同します。
賛同というか、時代の当事者として「そっちに行かせたい」と思って日々活動しているくらいで。
ただ、ボクは既存メディアや旧来文脈の人とソフトランディングしていくことを模索するタイプ。
どっかに道はある、みんながハッピーになるカタチがある、ということを諦めたくない。大鉈ふるって古いものを切り捨てて、さぁ次へ進もう!とかはあまり考えない。
それに比べると、佐々木さんは(たぶん)最前線を独り行くと決めた人。大鉈で藪を払いながら道を作っていく覚悟と意欲を持っている。彼のこの「藪払い作業」が旧来文脈の方には乱暴に見えると思う。
でも、ボクはそんな彼の大鉈による藪払いを、実はとても共感を持って見させてもらっている。根っこは共有しつつ、誰かが大鉈を振るい、誰かがソフトランディングを目指す。そういうことはとても健全なことだと思うし、その方が世界の「無数のビオトープ」が息づく。エジプト革命のポイントは「リーダーがいなかったこと」。変革はいろんなところでいろんなカタチで、同時並行的に起こっていくのである。
いずれにしても、この本は必読本。
キュレーションとかビオトープとかいう言葉が普及する力を持つかどうか、という危惧はあるものの、2011年から始まる「真の21世紀」の劇的な変革を見届ける基礎素養として読んでおくべき本だと思う。
