八戸、また行こう
2011年3月 3日(木) 8:28:29
NYでカメラマンの橋村泰臣さんと飲んだことがある。
彼は「HASHI」と呼ばれ、アメリカでは超有名なカメラマン。最速10万分の1秒という瞬間撮影で不動の地位を築いていた。
で、一緒に飲んでいた黒田征太郎さんと一緒にスナップを何枚か撮ってもらったのだが(贅沢!)、彼はいわゆる「ハイ、チーズ」のタイミングより一瞬遅く、ファインダーを覗いていた顔をカメラの横に出して「ニッ」と笑うのである。で、被写体のボクらが「え?」と驚いた瞬間にシャッとシャッターを切る。
笑いながら「なんで普通にシャッターを切らないんですか!」と聞いたら、「いや、ほら、構えちゃうでしょ。写る人が。 でもこうするとみんなが一瞬ポカンとしていい表情になるんだよ」と言っていた。
それ以来、ボクもよくこの手を使わせていただいているが、特に多くの人との記念写真で威力を発揮する。みんなの顔がイキイキとなる。笑ったりボクを指さしたり。そこをパチリッ。いいね!
そんなことを梅佳代の「みんな、シャッター押すのが遅い。もっと早く押さなくちゃ」を聴きながら思い出した。
HASHIも梅佳代もタイミングをはずして被写体の「素」を撮るんだなぁ。
「はっち」の「八戸レビュウ」に参加したあとふたりのカメラマン、浅田政志さんと津藤秀雄さんはまた全然違う手法とテイストで被写体に迫っていた。
浅田政志さんは「浅田家」という写真集を買ったけど、この「手をかけた悪ふざけ」に愛がいっぱい詰まっていて感動。津藤秀雄さんは、その人を丁寧に丁寧にフィルムに定着させる、その丁寧さが伝わってくる撮影でこれまた感動。
津藤秀雄さんはシアターで写真展示をしていたのだが、天井から写真をたくさん吊した空間で、その被写体の人のピアノと、ライターの人のバイオリンの共演で演奏会が行われた。これが(結果的に)すごいインスタレーションになり、思わず涙。ボクだけでなく、泣いていた人多数。丁寧に丁寧に撮られたその写真たちが曲に乗って何かを語り出す。あの不思議な空間と時間は今回の白眉のひとつだった。
それにしても「はっち」は良かったな。
ポータルミュージアム、と位置づけているだけあって、基本はミュージアムなのだが、それが「展示」ではなく「インスタレーション」になっていて、八戸市民が八戸を再認識でき、八戸市民じゃない人が八戸を知ることもできるように作られている。両立しているのだ。地方自治体がむやみに作るありがちな箱物のひとつかと少し心配していたが全然違う。ちょっとそのレベルの高さにびっくりした。お客さんも常に満杯。このオープニングの大成功を受けて、今後の運営が問われるけど、他の地方自治体も参考にして欲しいいい試み。
そして「八戸レビュウ」という企画展もとてもよく練られていて素晴らしかった。
自治体との仕事は理不尽な壁だらけだと思うけど、吉川由美ディレクターが相当粘り腰でやっている模様。市民が参加できるだけでなく、みんなが八戸を再認識し、そして外からの目として3人のカメラマンとライターがそこに複層的な視点を入れて相乗効果を上げていく。この作りは簡単そうでいて実はなかなか奥が深い。
八戸。
雪はほとんど降らないし(晴れた日がとても多いお土地柄)、人はみんなラテン系かと思うくらい明るいし、なんかイメージが全然違うところである。
気に入ったので、次回は八戸三社大祭(7/31〜)に行ってみたいと思っている。えんぶり(2/17〜)も行ってみたいな。いまからスケジュールを空けておこう。
