アルテ イ ソレラ『道成寺』
2010年11月29日(月) 9:24:02
昨日書いたように土曜日はダブルヘッダーだった。
ひとつめは和田裕美の『わくわく伝染ツアー2010』。ふたつめはフラメンコ、アルテ イ ソレラの『道成寺』だった。今日はフラメンコを書く。@ル テアトル銀座
フラメンコを観た経験は、アイーダ・ゴメス「サロメ」くらいだろうか(感想はこちら)。
これは物凄かった。いまでも印象に残っている場面がいくつもある。あれでフラメンコ好きになったはずなのだけど、あれから4年以上観ていないことになるなぁ。あっと言う間の4年間。まさに光陰矢の如し。
「アルテ イ ソレラ(ARTE Y SOLERA)」は「鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団」の別名らしい。
この鍵田真由美、フラメンコにおいては日本で第一人者なんだって。友人に勧められて、そんなことすら知らずにひとりで観に行ったんだけど、観終わってしっかりその名前とダンスが脳にこびりついた。もう忘れない。
とてもクリエイティブな舞台で、フラメンコが和のエッセンスを得て別物に。
まず、音楽は邦楽系。ギターがないフラメンコって珍しいよね(まぁ三味線はあったが)。「鼓童」の吉井盛悟(笛・胡弓)、山口幹文(笛・箏)。そして金子竜太郎(太鼓・鳴物)、中田誠(三味線・鳴物)の4人が舞台の下手で演奏する。この演奏がまた素晴らしい。情景音の表現とか特に。
背景(美術)は一面の桜。もちろん静止画だが、舞台の進行、そして照明によって動いて見えるようないい美術。
その前に鐘のカタチで組み上がったダンサーたち。「道成寺」はそんなオープニングを迎える。そして日本の盆踊りのような独特のダンスにタップ(サパテアード)が絡んでいき、安珍に対する清姫の恋慕のシーンになっていく。
見せ場は「清姫が正気を失い、大蛇になる」ところ。
鍵田真由美の迫力あるダンスによってその狂気が真に迫って伝わってくるが、前半からの流れで「狂気の肯定」であることがよくわかる。ひたむきに人を愛することへの肯定。狂気で大蛇に変身し安珍を鐘もろとも焼き殺すのに、それを肯定するという難しいダンス。途中からフラメンコ特有の手拍子(パルマ)も加わり、舞台は最高潮へ。すごいなぁ鍵田真由美。
効果的な大蛇の表現。そして狂おしいまでに恋する女を表現しきった鍵田真由美。先入観なく見始めたのだけど、最後には「もう終わり?」と物足りないくらいだった(1時間半の舞台だった)。
うわーっと圧倒されたラストから、エピローグ的なダンスがあってカーテンコールになるのだが、最後の流れだけがちょっと不満。あのまま重く熱いラストで終わり、静かに挨拶に出てきて欲しかったかも(そのあとでダンスをもう一度するのはあり)。ラストの流れそのままにエピローグに入ったのでちょっと気持ちが途切れてしまった。
それはともかく、いいものを見せてもらったな。得した気分。来年4月に鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコライブがあるらしく、これがまた異様にイイらしい。観よう!
ちなみに、この「道成寺」、この土日のみの公演。つまりもうやらない。もしかしたら二度とやらない。もったいないなぁ…。予告編がYouTubeに上がっていたので、それで雰囲気を感じてみて下さい。でもクライマックスの感じはこれでは何もわからないけど。
