昨晩のNHK「激震マスメディア」を見ながらボンヤリ考えてたこと

2010年3月23日(火) 9:26:13

最近、「自分の老い方をどうするか」をよく考える。
どうやって60代70代を迎えるか、ということである。来年50歳になると実感してから急に気になるようになった。そろそろ準備をしないといけない。

もちろん「自分の人生的には60代70代はまだまだ上り坂。楽しい盛り」である。人生のピークを80歳と考えているので、それまではずっと上り坂(笑)。でもそれは「個人の人生」の場合。「社会での老い方」はまた別だと最近考えるようになってきた。

変化が激しいこの時代、今は変化についていけているが(変化を引っ張っているほうだとも思うが)、そのうち自分で気がつかぬうちに変化に遅れ始める(と思う)。そして少しずつ社会の障害になる。壮年時代にがんばって成功事例を作れば作るほどその可能性が高い。


昨晩22時からのNHK放送記念日特集「激震 マスメディア~テレビ・新聞の未来~」を見ていてもそう思った。

この番組、放送業界・新聞業界の代表と、IT系代表、評論家、学者などの対談で進められたのだが、代表者たち(社会的に偉い方々)の「変化に対して身を守ろうとする姿」「時代の変化を受け入れない態度」などが露わになってしまった。もちろん業界代表としてのポジション・トークもある。でもそれだけではない。映像は怖い。すべてが映ってしまう。いかに取り繕っても、裏側が透けて見えてしまう。

あそこまで上り詰めた方々が優秀でないわけがない。
若いとき、壮年時代、熟年時代と、業界で注目されるくらいはバリバリに働き、成功体験を積み重ねてきたはずだ。それには敬意を払う。ただ、現在の激烈な変化に対応するには成功しすぎた。既得権益を持ちすぎた。

嗚呼、がんばって成功体験を積み重ねれば積み重ねるほど、過去の成功にがんじがらめになって時代に遅れていくのだなぁ。変化に対応できなくなるのだなぁ。成功体験をどんどん捨てて、次々転身(転進)していくことが必要なのだなぁ。そうでないと知らず知らずに老害的になっていくのだなぁ。とか、テレビを見ながらしみじみ考えてしまった。

まぁ、いま上の方にいる60代70代と、変化の真っ直中で動き回っている20代30代を、しっかりつなぐ40代50代が逆に重要になってくる場合もある。そのために働くのも一手。でも、それをした挙げ句、結局「老害」になってしまったらイヤだ。いつの間にか自分がそうなるのが怖い。

そんなこんな。
思考がまとまってはいないけど、感覚的・本能的に「イヤだ」と思ってしまった昨晩であった。


ちなみにこの番組、内容的には目新しいことはなかったのだけど、NHKがこの問題に真っ正面から取り組み真面目な特集を組んだ、ということは素晴らしいと思う。テレビと新聞が「老人」になったことも(期せずしてなのか狙いなのか)浮き彫りになってしまった。それを狙ったのなら番組制作陣の勝利。そういう検証をやる若手・壮年が中にいるのなら(そしてそれを通す上がいるのなら)、NHKはまだまだ大丈夫だと思わせる。

そうそう、番組を見ながら、ボクはこんなことをツイートした。

佐々木さんも遠藤さんもよくキレないで忍耐強く語っている。ボクだったらキレそうだw おじいちゃん、何言ってるんだ?
多少酔ってますね(笑)
で、それに対して、あの「ハンバーグオリンピック」の迷言&見事な対応を残したNHK_PR(NHK広報局オフィシャルアカウント)さんからツイートが!
@satonao310 そこを、どうにかご辛抱して頂けると幸いです…
NHKにオフィシャルに慰められちゃったよ(笑)。

ちなみのちなみに、同じ時間にUstream で「この番組を見ながらツッコミを入れる放送」をやっていて、津田大介、山本一郎、上杉隆、小飼弾、堀江貴文の(空恐ろしい)5人がその番組を見ながらツッコミを入れ、ツイッターTL(タイムライン)でもみんなが話すということが行われていた。わりとグダグダなツッコミだったけど、とっても「イマ」っぽかったので、同時に見ていた。番組終了後もわりと長々と。

というか、「時間がないので今日はこの辺で」と終わってしまうテレビ番組って、もう「古い」よね。編集権が送り手側にあること自体が、たぶんデジタルネイティブには理解不能なことだと思う。これはテレビだけでなく新聞にも言えることだけど。

つまり、「限られた時間(紙面)」なので「ある視点で要約して(一部分だけ取り上げて)報道する」ということ自体、感覚的に古くなると思うな。それもあと数年〜十年くらいで。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター
(株)ツナグ代表。(株)4th代表。独立行政法人「国際交流基金」理事。復興庁政策参与。公益社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。東京大学大学院非常勤講師。上智大学非常勤講師。
朝日広告賞審査員。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。
現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。
本名での著書に「明日の広告」「明日のコミュニケーション」(ともにアスキー新書)。「明日のプランニング」(講談社現代新書)
“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(光文社文庫)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。
花火師免許所持。
東京出身。東京在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園夙川芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao[a]satonao.com まで(←スパムメール防止のため、@を[a]にしてあります)。

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