もっとちゃんと応援しないと
2009年10月18日(日) 16:36:23
昨晩は落語会に出かけたのだが、出かける直前に加藤和彦の自殺の速報がネットに。
久しぶりにかなり絶句。Mac前で固まった。汗かいた。うーん……。面識はないが、なんだかそういうダークサイドを笑って遠ざけちゃうようなものを彼の音楽から感じていたので「まさか!」という感じ。
そのショックも冷めやらぬまま、落語会へ。
洗足駅前の「カフェシオン」というカフェで「三遊亭落語会」をやるというお知らせを受け、家族で出かけたのである。娘は2回目の生落語。妻は初めての生落語。初めて行く店だが、タイミングよくメールをいただいたのがご縁である。
開演5分前に着いた。会場はお洒落な小さなカフェでジャズがかかっていた。ライブもやるようで、奥にライブスペースがある。そこにテーブルに敷物を敷いた感じで高座ができている。観客は20人ほど。NHK「ちりとてちん」において居酒屋で高座をやっていたが、言うなればあんな感じ。こぢんまりとしていてとても親密な空気感。なんだか「ちりとてちん」のDVDをまた最初から見たくなった。
落語は、三遊亭きつつきが「代脈」を。三遊亭道楽が「佐野山」をやった。
会場的に落語を初めて聴く人が多いと踏んだのだろう、ふたりとも枕をとても長くやった。三遊亭きつつきに至っては枕の方が面白かったし(笑)。まぁ直前までジャズが流れていた小洒落たカフェでいきなり落語をやるのも大変だ。空気作りから始めないといけない。しかも小さな子供から老人までバラバラに離れて座っている。やりにくいよなぁとかちょっと同情しつつ、最近よく聴く立川流ならまた違う感じの枕で会場を巻き込むだろうなとか、いろいろ想像しつつ聴いていた。
結果的には娘も妻も大満足で終了。うん、面白かった。
三遊亭きつつきが上手に場を温め、三遊亭道楽はさすがの安定感で「落語を聴いたなぁ」という満足感を残してくれた。「佐野山」というのはお相撲さんの噺ですからね、道楽の体型も噺に合っている(笑)
隣の席の合コン風若者たちも「落語って初めてだけど面白かったー」とか言っていた。カフェシオンさん、いい企画だったと思います。誘って下さりどうもありがとう。
しかし、なんというか、歳をとるに従って表現を成熟させていくことができる落語家と、歳をとっても新しいものにチャレンジしつづけないといけない加藤和彦のようなアーチストとの違いについていろいろ考えさせられたな。
もちろん伝統芸能も歳をとったなりの苦しさはあるだろう。でも若いときから飛び抜けた創造性で音楽業界をリードし広げてきた加藤和彦のような人は、歳をとってアグレッシブさが消えていく過程はそのまま苦しみの過程になるのかもしれない。
若いときから長く長く創造活動をやっているアーチストたちは、多かれ少なかれ同じ苦しみを感じながら創作活動をやっているのだろうと思う。身勝手に「今度のアルバムつまんねぇ。○○も終わったな」とか言えるのも聴く側の権利ではあるが、長く聴かせてもらっているファンとしてはそういう客観評価とは違う軸で応援していく態度が必要なんだろうな。
家に帰って、ユーミンとか桑田とか達郎とか元春とか、若いときからずっと聴いているアーチストたちのCDジャケットを見ながらそんなことを考えてた。せめて借りずに買わなきゃなぁ(最近の数枚は借りた)。頭の隅でユーミンや桑田が自殺したらどう思うかを想像した。うぅ。心が痛すぎる。もっとちゃんと応援しないと。
そして一回だけ「悲しくてやりきれない」を聴いた。もう一度絶句。
