ワインが主役なのではなく、会話が主役なワイン会

2009年9月19日(土) 18:47:34

昨日は大阪から帰ってきて会社に出て仕事をしたあと、誘われてワイン会へ。

ワイン会は30代によく参加した。第一次ワインブームだったあの頃(1990年代)、毎週のようにワイン会があったし、物珍しかったことも手伝ってボクもよく参加した。覚え始めはなんでも楽しいからね。第三世界のワインもまだ入り始めで、ワインの世界もわりかし狭かった。フランスワイン全盛の時代で、イタリアワインですらまだ輸入されているワインの種類が少なく、スペインやチリやカリフォルニアのものがようやく輸入され始めた頃のことである。

覚えるのが楽しかったから、ワインのメーリングリストにも参加していたし、フランスの畑は暗記した。日本初(?)「ボージョレー解禁チャット祭り」を主催したりもした。
ただ、ワイン・マニアが苦手で、ワイン蘊蓄をたれる人が多くなるに従ってだんだん疎遠になっていった。ワイングラスをぐるぐる回しながら「この前飲んだロマコンがさぁ」とかねちっこくつぶやく輩が嫌いなんですね。90年代後半はだんだん家飲みが多くなり、「ワイン発展途上日記」なるものもつけていた。読み返すと毎晩毎晩よく飲んでいるな。「ワインの鼻」なんていうのを買い込んで楽しんでいたのもこの頃。そんな時期を経て、いまでは「知識はソムリエに任せて、ド素人として飲む」のが好き。酒は脇役。主役は会話。お酒ってその程度でいいと思う。

てな流れで、いまではワイン蘊蓄にほとんど興味がないので、ワイン会のお誘いがあってもほとんど参加しないボクなのだけど、昨晩は「ワイン蘊蓄などしない、ただ楽しく飲める方がメンバー」ということなので、いそいそと出かけることに。
というか、沖縄で奇跡的な夜を過ごしたメンバーである小山薫堂さん、飯島奈美さんも参加してるので、あの夜の再現的に。あとは有名女子アナやカメラマン、航空会社の方など、総勢10名の会だった。

主催はひとりのおじいさま。穏やかで上品でずっと笑顔を絶やさない。場所は彼の秘密のスペース。とある素朴なビルにさりげなくあるプライベートなスペースである。

彼は趣味でワインをセラーふたつ分買い込んでいる。見せていただいたが、1901年くらいの古酒から現在の超プレミアワインまで、少しでもワインをわかる方なら卒倒するようなコレクションが数千本、大きな特製ワインセラーにしまいこまれている。メンバーみんなで「うわーうわー」と叫びながら見ていたが、最後の方にはだんだん無言に。なんというか目の毒に近いからね(笑)

で、これらのワインを「惜しげもなく」ぽんぽん開けて飲むのである。
その方、カリフォルニアワインに特にくわしいこともあって、希少かつ美味しいカリフォルニアワインが多く出された。その「比較対象ワイン」としてフランスワインも開けられるのだが、前座的にラ・ミッション・オー・ブリオンやらムートン・ロートシルトやらの古酒が開けられる贅沢さ。いつもはトリを飾るクラスのワインが一本目とか二本目とかに「ま、比較として」と出てくるのである。なんだか麻痺する(笑)。

印象的だったワインは「Araujo "Eisele" Sauvignon Blanc 2002」「Amuse Bouche 2006」「Rock Syrah 2006」「Behrens & Hitchcock 2004」「Bond "Melbury" 1999」かな。特に「Araujo」のソーヴィニヨン・ブランは絶品だったなぁ。一番お高いのは「Amuse Bouche」だって言ってたっけ。もちろん初飲み。つか、いったい何本開けたのか定かではない。

でも、フランスより美味しいと断言されるだけあって、出されたカリフォルニアワインは本当に美味しいものばかり。アタックが強いのに上品で華やか。後味もいい。フランスワインの繊細な感じも捨てがたいけど、ナパの凄さを再発見した気分だった。

料理は彼自ら作ったおいしい前菜の数々(かなり絶品。お世辞抜きで)。そして近くのレストランから届けられた焼きたてのステーキ。その後の〆に銀座有名鮨店からの職人自らの持ち込み鮨。テーブルには栓の開いたワインが摩天楼のように乱立し、途中から何がなんだかわからない状況になった。ラストは会長さん手作り(&秘蔵)の20年梅酒。この出来がまた素晴らしく何杯もおかわりしてしまった。

メンバーはとても気楽で楽しく、なんだかとっても発散したなぁ。
たまたまラベルをiPhoneで写しておいたものだけ上に書いたけど、他のワインは名前もビンテージもあんまり覚えてないや。でもいいの。ワインが主役なのではなく、会話が主役なワイン会。うん、こういうのだったらまたぜひ参加したい。

今朝はワインの酔いもまったく残っておらず、というかむしろ元気で、朝起きて50分ほど軽くジョギングをした(散歩より遅いペースのジョグ)。
あとはマックの調子さえ直れば人生に暗雲なしなのだが、そうはうまく行かない。今日もマックと格闘中。つらすぎる。この連休で書かないといけない原稿がたくさんあるんだけど、いよいよ修理に出そうと決心したところ。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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