極寒長時間行列

2009年2月22日(日) 19:19:27

毎年この時季の恒例になっている「媚竈(びそう)」の澤畠夫妻との食事会を土曜日にした。
ブルゴーニュにある日本料理店のご夫妻で、冬のこの時季、食材調達なども兼ねて毎年来日する。もう4年にわたり、その時に食事をご一緒する仲である(去年はこんな感じ)。

去年はフランスの「ワインジャーナリスト協会賞2008年度グランプリ」を受賞したり、コート・ドール県で最も活躍した人(店)を称える賞「Les Cote d'oriens en lumiere」のレストラン部門で受賞したりするなど、ものすごく活躍中の彼らである。今回も無事に来日され、あちらの希望もあって「スタミナ苑」に行くことにした。

この「スタミナ苑」、個人的にも7年ぶりくらいかなぁ。久しぶりに行ったが全く変わっておらず、変わったところと言えば店の正面に店主の豪邸が建ったことくらい。

で、予約を取らないこの店、土日は16時30分開店なので、念のため1時間前の15時30分に並びに行ったのである。でもその時点で40人待ちだよ…orz ま、でもなんとか一回転目で入店できそうなので(全部で50席ほどある)、ほっとしつつ澤畠夫妻を待つことに。昨日は天気は良かったがわりと底冷えし、じぃっと立っていると寒さが身に染みる。でもまぁ1時間後にはおいしい焼肉にありつけるわけだし。

ただ、ここでボクは致命的なミスをふたつ犯した。
まず「入店時に全員揃ってないグループは、どんなに早くから並んでいようが店に入れてくれない」ということを澤畠さんに知らせていなかったこと。それと、1年に1回フランスからはるばるやってくる彼らに足立区鹿浜の遠さを教えていなかったこと。

時間は刻々と16時30分に近づく。行列はどんどん伸びる。一回転目に入れない人たちはここからあと1時間半以上待つわけなのに、それでもどんどん行列は伸びる。どんな店やねん。
たまに見回りにくる店のお兄さんに「まだ揃ってないですか、困りましたね」と言われつつ、なんとかギリギリまで待つ。あー携帯の番号も教えてなかった(3つめのミス)。どうやら店の方に「遅れます!」と焦った電話が入っていたようだけど、電話を取り次いでくれるタイプの店ではない。うー…。

結局彼らが着いたのは16時33分。3分遅れで入店できなかった(泣) 惜しい!
もうその時点で寒さは頂点に達していたんだけど、ボクもミスっているし、当然澤畠さんたちも平謝りだし、なんだか「こうして長時間並ぶのも乙」という気分になり、そのまま妙に楽しくなっちゃって親しい会話へ。寒い中で話しているうちに親しさも増したような感覚。そう、こういうハプニングこそ人を親しくさせるからね。

15時30分から2時間30分強並んでようやく入店。
そうしてありついた焼肉のうまさたるや! これは「苦労を共にした人しか共有できないおいしさ」。レバーあぶり塩、上ミノ、上ハラミ、中落とし、ミックスホルモン、テグタンスープなんかが昨日の白眉。白眉多すぎ。ただでさえもうまいのに「待ちわびた気分」が味を数倍にしているんだもん、そりゃ白眉も多くなる。

食べ終わって外に出たらまだ40人くらい並んでいた。いったい何回転するんだろう。10年以上前から焼肉の概念を変え、新鮮な内臓のうまさを広めた功績ある店がいまだに流行っているのはなんだかうれしい。毀誉褒貶ある店ではあるけど、やっぱり安いしおいしいし、意外と店員のサービスいいし、ボクは好き。

まぁでも焼肉臭くなる意味では都内随一の店ではあるなぁ(大阪の鶴橋にはもっとすごい店があるけど)。焼肉の匂いをプンプンさせて電車に乗り、上野で澤畠さんたちとお別れ。また来年のこの季節に会いましょう! 来年はどこに行こうかな。いまから楽しみ。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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