三浦しをん著「風が強く吹いている」
2009年1月18日(日) 13:31:27

舞台がとても良かったので、急いで原作を読んだ。
三浦しをん著「風が強く吹いている」(新潮社/1800円)
舞台で先にストーリーを知っていたのだが、知っていたのにとても泣けた。知らなかったら号泣だろう。三浦しをんは「仏果を得ず」を読んでとてもよかったが、逆にああいうコミカルタッチのさらりとした芸風だと思っていたので、この濃い描写力と感動させかた方向はちょっと意外。というかこっちが本領発揮っぽい。他の作品も読んでみよう。
10人のランナーそれぞれを描いているので、少しずつ描き込みが薄いのは仕方がないかな。ただ、是非「外伝」を出して欲しいとか思う。キングやユキや神童のその後が読みたい。舞台化に引き続き映画化も進んでいるそうなので(ハイジが小出恵介、走が林遣都らしい)、人気が出れば出るほど外伝の可能性も増える。ちょっと読んでみたいな。
あと、素人たちが走りに夢中になっていく過程や、ハイジや走の過去への言及などももう少し欲しいとも思った。でもそういうのやっていると、ただでさえ500ページ超の分厚い本がこの倍くらいになっちゃうんだろうな。著者としても泣く泣く削ったのかもしれない。
舞台が先で原作が後になった分、舞台の脚本を書いた鈴木哲也氏がどこをどう脚色して舞台化(シンプル化)していったのか、思考経路や悩んだ部分などまで手に取るようにわかって面白かった。原作にない足し算も多用している。なるほどね。でもこういう風に舞台化しないとわかりにくいよな、確かに。
関係ないけど、表紙の装画を担当した山口晃の絵がとてもいい。
実は寡聞にして知らなかったが、有名な人のよう。ちょっと追ってみたい作風。
