「風が強く吹いている」観劇

2009年1月16日(金) 8:34:59

三浦しをん原作の舞台化「風が強く吹いている」を見てきた。@ル・テアトル銀座
東京公演は18日まで。その後、富山、愛知、宮城、大阪、福岡などを回って2/13までやるみたい。とりあえず駅伝好きや陸上好き、経験者、市民ランナーなどは観て損がない舞台。いや、走るのに興味がない人でも楽しめるな。事実ボクがそうだし。実はぜんっぜん期待せず観に行ったのだが、とても良い舞台だった。泣いている人も多かった。客席は7割の入りだったからまだまだチケットは手に入ると思う。

題材は、今年初めてじっくり観戦して初めて沿道応援にも行った箱根駅伝。
お誘いを受けたのも何かの縁。いままで自分の人生に全く関係なかった箱根駅伝が、今年になってたった2週間で急に「自分ごと」になったなぁ。もう目が離せない感じ。原作もすぐ読もう。駅伝ファンには定番本らしい(映画化もされるらしい)。

脚本(鈴木哲也)と演出(鈴木裕美)が上手。3時間の長丁場なのだけど、途中全く飽きさせない。
駅伝に縁もゆかりもない素人たち10人がひょんなことから箱根を目指すことになり、それぞれに悩みや過去をかかえながら練習し、記録会や予選会をぎりぎりクリアして箱根駅伝に出場を果たし、本番でも大健闘するというベタなストーリー。でもベタって泣けるよね。

駅伝の舞台化ってどうやるんだろと思ってたけど、終盤までは昭和的なオンボロ寮が舞台で、人間模様をいろいろ描ききり、このままラストまで行くのかなと思ったら、終盤の1時間でセットが替わって走る孤独を感じさせる暗い舞台になった。ルームランナーを利用した駅伝場面。背景にランナーのシルエットを映し出しつつ、舞台中央でルームランナー上を正面向いて走るランナー。それを支えるように集う各中継所で待機する他のランナーたち。それぞれの想いが襷でつながっていく。シンプルで美しい舞台だった。ちょっとコーラスラインを思い出させるような演出で上手に10人の想いが描けていた。

出演俳優は若手ばかり。
まぁ大学生10人がそれぞれ主人公みたいなものだし(駅伝は10区走るので、ランナーだけで10人必要)、若手が多いのは当たり前なんだけど、見分けがつくようになるまで1時間かかった(笑)。登場人物多いからなぁ。
主演は黄川田将也。そして和田正人。あとは渋江譲二、高木万平、高木心平、松本慎也、荒木宏文、鍛治直人、瀧川英次、粕谷吉洋、デイビット矢野、伊藤高史、樋渡真司、近野成美、花王おさむ。どの人もこの人も熱演。若手ばっかりで大丈夫かなと思ったけど、セリフも多い長丁場をよくぞ乗りきったと拍手を送りたい。一人二役の樋渡真司と花王おさむも渋く支えた。

昔、映画「ロッキー」を初めて観た後、映画館を出ながら「よし走るぞ!」と誓ったっけな。仕事がこんな状態じゃなければ、観劇後「よし走るぞ!」と誓ったかもしれない。とか思った。とりあえず長距離が走ってみたくなる舞台であった。教えてくれた市民ランナーのYさん。どうもありがとう。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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