小田和正ライブ@東京ドーム
2008年11月28日(金) 8:01:30
小田和正ツアー2008「今日もどこかで FINAL きっとまたいつか」@東京ドームに行ってきた。
席はアリーナ。東京ドームでのライブはいろんなアーチストで見ているが、ここまでアリーナ全域に張り巡らされたステージは見たことないな。メインステージから花道が四方に伸びてほぼ球場を一周している。
ボクはステージに向かって左側の真ん中あたりにいたが、花道を歌いながら歩いてくる小田和正が、一番近いときで5メートルの距離。というか、花道すら頻繁に降りて、普通の通路を歩きながら歌うので、アリーナに座ってた人はほぼ全員、数メートルの距離で「歌っている小田和正」を見られたはず。花道はフェンス間際まで行っているので1階席や2階席でも相当近かったと思う。そういう意味ではものすごくサービス精神旺盛なライブだった。
いつもは「歌いながら走り回る」らしいし、そのために花道が縦横に伸びているのだと思うが、リハーサルの時自転車で転倒して足を強打したらしく、「今日は走れません」と謝っていた。でも「キラキラ」の時には自転車に乗って球場のフェンス沿いを一周して歌った。それでもまったく息を乱さず歌う61歳。すごいよ。
チケットを取った方がいて一週間前に誘ってくれたのだが、行こうかどうか最初は少し迷った。
ボクはオフコースが相当好きで(→座右のCD)、学生時代には様々な想い出がある。特に初期のアルバムが好きで、ボクにとってのオフコースはいつまでも小田&鈴木のデュオなのだ。正式に5人になった「Three & Two」からはなんか違うバンドみたいな感じでそんなに聴いていない。いわんやソロにおいてをや。だから小田のソロライブを聴くのはちょっと違和感があった。違和感というか、想い出が壊されそうな恐れ。
その恐れは、ある意味当たったし、ある意味はずれた。
当たった部分は小田和正の怪人化。ボクの知っている彼とは別人。ただ、ある時期からの彼の「抜け方」は(ボクもある程度の歳になったこともあって)よくわかる。理解もするしリスペクトもする。カッコいいことがカッコ悪いと心底わかってしまい、それを実行に移してカッコ悪い自分を全面的に露出していったあたりは相当ハイブロウな成長過程だと思う。ライブ途中で彼が全国を回ってレポートする映像が流れたが、なんというか単なる変人。昔の彼のカタクナサを知っている身としてはホント別人。でもその成長はなかなか眩しい。
ただね。ボクの中ではね。小田和正っていう存在は1979年あたりで止まったままなのです。あの頃の彼はそれはもう繊細で透明でカッコよかったわけで。その彼を心の中で大事にしていたボクとしては、この違和感はなかなかに激しい。
恐れがはずれたのは歌唱力。
年齢を重ね、以前の数倍「心に届く」歌唱になっていた。想い出を壊すどころではない。きっちり重ね塗りしてくれてありがとう、という感じ。「思いのままに」「さよなら」「もう歌は作れない」「生まれ来る子供たちのために」「言葉にできない」「YES-YES-YES」「君住む街へ」。このあたりはちょっとうますぎて呆然とした。
曲の話をすれば、懐かしメドレーがやっぱりよかった。「あなたのすべて」をやってくれなかったのが残念だが、一番好きな「夏の終わり」をやってくれ、他に「眠れぬ夜」「こころは気紛れ」「風に吹かれて」「やさしさにさようなら」「言葉と心」とアコースティックギターで。良かったなぁ。
盛り上がったのはやはり「Yes-No」「ラブ・ストーリーは突然に」「キラキラ」の連続。新曲の「さよならは言わない」も良かったな。
ソロになってからの曲は、耳覚えはあるもののあまり知らない。でも大スクリーンに歌詞字幕が出ていたので、歌詞とともにじっくり味わえた。以前の小田和正の詞とは少し違い、ある種の飄々とした味が加わっていて、なんだか共感を深くした。年齢なりにわかってくるものがある。そこに響く。
新しいのも聴いてみようかな。土日にちょっと聴いてみよう。
そうそう、ライブの感想とは関係ないが、ステージを縦横に伸ばして球場を丸く使ったライブだったおかげで、アリーナの真ん中当たりにいると拍手の音をほぼアーチストと同じ感じで聞くことができる。おかげで東京ドームの満場の拍手を体感できた。感想は…、意外とすごくない。そっか、これが5万人の拍手か、と、脳味噌は感動しようとするのだけど、意外と拍手が遠いんだよな。なるほどこんなもんなのね。
