福田康夫首相辞任

2008年9月 2日(火) 7:32:10

昨晩の21時半、友人のワンセグ携帯で、ライブで突然の辞任会見を見た。
横で「ヤベ! 明日は動くぞ!」と若いサラリーマンたちが騒ぐ。円が売られる、とかそういう話。為替相場の話か。

それを聞いたせいか、海外からの視点でこの会見を見た。そして「辞任が数日早かったらイヤだったなぁ」と思った。

ボクは一昨日まで海外にいた。海外でこれを知ったら恥ずかしくて道を歩けない。海外の知り合いに「日本のトップはなぜ1年も我慢できずに政権を投げ出すのか」と聞かれたら全く答えられない。「日本人は責任を最後まで持たずに投げ出すから重要な問題について任せられないな」と言われても拳を握りしめて下を向くしかない。安倍首相から2代続けてトップがそれをしたのだから。

アメリカでは47歳の大統領候補や44歳の副大統領候補が真っ正面を向いて「夢」と「希望」を語っている。その一方、日本では72歳の総理大臣が「調整」と「駆け引き」に疲れ、敵を批判して自ら退く。彼我の差は限りなく大きい。でも、これは個人的資質の差というよりは、国民性の差に近いかもしれないな。

ボクはこういう場合、心情的に「何かよっぽどの事情が…」と同情する方であるが、ボヤキと嘆きで始まった会見にはがっかりした。
自分が辞めた方が政策実行がうまく行くだろう、という客観的判断はわからないでもない。でも首相の役目は政策実行だけではない。国民のトップとして「希望」になることも役目である。まぁ頭のいい人だからそのこともわかっていて、その上で「自分はその器ではない」と判断したのだろうけど、国民のトップが「思うように行かなかったら投げ出していいんだよ」と範を示してしまったことの影響は少なくない。特に子供たちに対して。「首相だって投げ出すじゃん!」とか子供に開き直られたらどうやって説得するか。

んー…。無理矢理ポジティブに考えるとすれば、「権力にしがみつかないトップがいる希有な国」ということか。潔いといえば潔い。無責任と裏腹ではあるが、権力にしがみつかれて機能不全に陥るよりマシと考えることもできる。なんか哀しくなってきたので、今はとりあえずそう考えておくことにしよう。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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