ニューヨーク観劇旅行2008 第7日目

2008年5月 9日(金) 19:16:05

最後の朝。
ニューヨークとの関係も長く、キザに言えば「もう別れに慣れてしまった」というのが実感。また会えるかもしれないし、もう一生会えないかもしれない。でも、慣れた。特にさよならも言わずに別れる感じ。

結局ほぼ徹夜。ソファで30分ほどまどろんだあと、アメリカのきつい薬でいよいよ調子を崩してしまったモリを起こして帰る準備を始める。

そうそう、そういえば書いてなかったが、今回も去年に引き続き激安旅行なので、モリたちと合宿状態だったのだ。
モリとはツインで同じ部屋(リビングつきの広めの部屋ではあるけど)。40も半ばになって合宿旅をするとは思わなかったが、逆に言うとこういう旅がまだまだ可能な年齢であることに気づかせてもらった。そりゃ高級ホテルの旅も快適だ。でも合宿もまた楽しい。モリたちの気遣いもあると思うけど、ボク自身も昔より神経質さが抜け、楽になっている。ま、髪も抜けたけど。って関係ないけど。

ラガーディア空港からデトロイト空港、関空と乗り継いで、いま関空のレストランで書いている。
ノースウェスト航空は離着陸が安定していて安心。世界でもトップクラスに飛行技術が優れている航空会社らしいし。特徴的な赤い尾翼への賞賛を込めて「Follow The Red Tail」と言われてきたとか。知らなかったな。でもこの赤い尾翼もデルタと一緒になっちゃうと消えるんだよね…。

デトロイトから関空までの機内では爆睡。
着く4時間ほど前に目が覚めて映画を一本だけ観た。「The Bucket List」。邦題は何なのだろう。ジャック・ニコルスンとモーガン・フリーマンが、ガンで余命半年を宣告された老人同士を演じている。病室が一緒になった同士が、死ぬ前にやりたいことをリストに書き出して、それをふたりで実行していく話。映画「死ぬまでにしたい10のこと」と同じテーマではあるが、ロブ・ライナー監督なので人間の描き方がもう少しハリウッド的ステロタイプ。ただ、ボク自身も余命宣告されたらこういうことをするかもな、とは思った。具体的に何をするか、映画を観ながら数え上げたくらいである。

まぁ「明日死ぬかもわからない」という意味では、毎日余命宣告されているみたいなものではあるのだが。

タイトル・ロールを観ていたら、ファースト・アシスタント・ディレクター&共同プロデューサーにフランク・キャプラ三世の名が! フランク・キャプラの子孫がこういう映画を撮るあたりにちょっと宿命を感じる。

前もどっかで書いたが「街との別れは人生との別れによく似ている」と、いつも思う。どこかでこうやって着々と人生との別れに対する心の準備をしているのかもしれない。今回のニューヨークとの別れのさりげなさは、そういう意味で少し感慨深い。個人的にその辺への執着が減ってきているのをこのごろ感じるな(死への準備が出来つつあるということか?)。

さて、羽田へ。そろそろ搭乗。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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