ニューヨーク観劇旅行2008 第4日目

2008年5月 6日(火) 18:59:28

ニューヨークは「自分の人生、結局、他人からどう思われても良いのである。うむ」と再確認するのに最適な街である。

誰も他人なんか気にせず街を歩いている。
いい意味で自分勝手の寄せ集め。でもそれでいいんだということを日本に住んでいるとすぐ忘れちゃうのだ。こうやって再確認しないと知らぬうちにまた他人の目や評価を気にして生き始めるボクがいる(まぁサラリーマンって他人から評価を受ける職業なので仕方ないのだけど)。

他人の目を気にして生きるということは、他人に合わせて人生を変えるということだ。変えるのは良い。でもそれが他人の尺度なら良くない。他人の尺度は自分のオリジナルな人生にはなりえない。
いや、実に青臭い話なのだが、もうすぐ50歳の男でもまだそんなあたりに留まってウジウジ考えている。この辺、28歳のころとほとんど変わらないかもね。

早朝、ユニオン・スクエアの広場の階段に座って2時間くらいそんなことを考えていたらとても気が楽になった。やっぱり1年に1回はニューヨークに来ないとな。なんか他力本願的ではあるけれど、そんな「人生の基本」に気づかされる街である。

今日はどっ晴れ。2日前は熱燗が飲みたいくらい寒かったのに、今日は暑くなりそうだ。
昨晩は朝2時半くらいに寝たのに朝6時すぎには目覚めてしまい、二度寝しようと努力するもなんだか眠れず、天気がいいこともあってユニオンスクエアへ独りで散歩へ。
グリーンマーケットをひと通り見てから広場の階段に座り込んで街行く人を眺め、上述のようなことを考える。空はあくまで澄み渡り、空気は冷涼。街は平日の朝の賑わい。結局2時間くらいボーッとしていただろうか。ある意味至福の時間であった。

月曜はマチネがないので夜までゆっくり。月曜はソワレもほとんど休み。でもいくつかはやっている。今晩のミュージカルは見逃していた「RENT」に行く予定。もう来月で終演しちゃうんだよなぁ。最後に見られるのは良かった。

昼は「BLT Steak」。
ここ、「Peter Lugar」や「Wolfgang's」よりひょっとするといいかも。PorterHouse(2人前より)を頼んでシェアしたのだが、歯で噛むとサクサクと音がするようなレッドミートで、ボクの好み。日本の霜降信仰とは別物の美味。うまいなぁ。最初にでたパンのPopOver(うますぎ!)や付け合わせのアスパラガスなどもおいしく、Bistroを店名に冠した意味もわかる(BLT=Bistro Laurent Tourondel )。ボクの中でいきなりNYのニューヨークトップクラスに躍り出たステーキレストラン。

そのままSOHOとノリータへ買い物へ。
ツマのリクエストであるKate Spadeや、ムスメ用のカバンなどを購入。ムスメ用にはこれで何回目かの「HIGH★WAY」。いろいろ歩いて探しまくるのだが、なぜか毎回この店に落ち着くんだよなあ。相性かな。話題のBleeker St.なども歩くが、どちらかというと女子向けな店も多く、そのまま地下鉄で部屋へ帰る。

部屋で1時間ほど寝ているうちに夜の公演の時間に。
今日は月曜なのでやっている演目が少ないが、その中から「RENT」を選ぶ。
毎年のようにNYに来ているわりには「RENT」をず〜っと見逃していて、今回が初見。いやー、泣いた。映画を観て予習しておいたので筋が完璧にわかっていることもあるが、演出的には映画の数倍いいかも。あと1ヶ月で終演してしまうのだが、名作だなぁ。舞台演出も曲も演技もすべてよし。周りもみんな鼻をすすっていた。No day but Today!!

終わってから28丁目のパークとレキシントンの間まで急ぎ、「resto」というモダン・ベルギー料理の店へ。ここも旬の店であるが、もう23時で空いている。
ベルギービールが50種類揃っている店で、23:30から深夜メニューになってしまうので急いでオーダー。本日のスペシャルである豚の顔肉のサンドが印象に残っている。ビールはうまいけど、ちょっと高め。味的にはわりと素朴な店かも。

その店では、1993年くらいから7年くらいに渡りすごくお世話になった「zazou」というプロダクションの岡田ディレクターと里見プロデューサーと一緒に飲んだ。懐かしくて懐かしくてなんだかうれしい。だって戦友だもんなぁ。どれだけ厳しい仕事をみんなと完遂し、様々な精神的問題を一緒にやりすごしてきたか。久しぶりに会っても全く違和感ない。いやー仲間仲間。厳しくツッコんでも気にならないし、ツッコまれても気にならない。やはり一緒に修羅場を体験した戦友はラクチンだ。

午前1時くらいに解散。
モリが風邪気味で調子が悪く、そこで別れたが、ボクともうひとりと彼らの4人でもう一軒流れる。
二軒目は「Nao」というミッドタウンの隠れ家バー。
ナオという名前の人がやっているなら話も盛り上がりそうだが(ボクもNaoなので)、実際は違う日本人がやっている純日本人バーである。客も店員も全員ジャパニーズ。背中に紋を背負ったバーテンダーさんが作るお酒は、まだ修行中なので微妙な味なのだが、とりあえず優しい味。

岡田さんや里見さんとは拙著「明日の広告」を端緒にいろいろ話が盛り上がり(わりと真面目で前向きな話)、ふと気がついたら朝の5時。うわーと宿に帰るも、もう6時だ。NYの朝焼けがやけにキレイ。

ボクがNY1と思っている朝ご飯のレストランの予約まであと4時間ちょい。やばい。寝よう。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

アーカイブ

同カテゴリーの他記事