ニーナ・アナニアシヴィリ「ドン・キホーテ」観劇

2007年7月28日(土) 10:05:26

月曜の「白鳥の湖」に引き続き、グルジア国立バレエ東京公演。昨日は「ドン・キホーテ」。
白鳥があまりにも素晴らしかったので、昨日もニーナ目当て。ニーナのキトリ。いったいどんな感動が待ち受けているのかとワクワクして行ったのだが、結果的に言うと昨晩はアンドレイ・ウヴァーロフ・ナイトだった。

おいおい、いままで観たウヴァーロフは一体なんだったんだよ、というくらい出来が良くノリノリ。明るくて大らかで高くて安定していて、まったく文句の付け所がない。第三幕のグラン・パ・ド・ドゥは特に圧巻。ニーナを片手リフトしたまま5歩歩くし(笑)。なによりも全身で喜びを表現していて良かった。なんかイイコトあったのか?

ドンキでは二年前に観たABTのホセ・カレーニョがめちゃくちゃ印象に残っていて、ジュリー・ケントとのペアはメリハリも決めもよくて素晴らしかったのだけど、昨晩のニーナとウヴァーロフのペアはまた全然違うキトリとバジルだった。なんというか優雅で柔らかくて善意溢れる明るいカップル。ケントとカレーニョが気っぷのいいフラメンコ・ダンスだとすると、ニーナとウヴァーロフは育ちのいい社交ダンスかな。どっちかというと前者の方がこの演目に合っているとは思うけど、もう全然世界観が違うので比較するものでもないなぁ。

お目当てのニーナはまさに「眼福」と言った感じで、白鳥ほどの感動はなかったものの、なんつうか同じ空気を吸わせていただいているだけで光栄、みたいな(笑) 一分一秒を惜しんで目を皿にしたよ。多少ミスもあったけど、技術を超えた表現力は相変わらず素晴らしい。キトリはひたすら明るいキャラなので、陰と陽の幅を見せられない分、白鳥より印象が劣ってしまったという感じかも。

白鳥のときは相当感心したグルジア国立バレエの面々だけど、昨晩はわりとバラバラで惜しかった。メルセデスやボレロは良かったけど。
それにしても白鳥に続いてのアレクセイ・ファジェーチェフ版。これがどうも気に入らない。昨晩のはファジェーチェフ版にニーナが手を入れたものだったようだけど、なんか順番が変だし、ない場面もちょっとあったし(家出の場面とかナイフの間をメルセデスが踊る場面とか好きな場面も少し違った)、白鳥と同様に違和感があった。良かったのは狂言自殺の場面とか、全員でポワントしながら両手を上げて拍手を強要するように盛り上がったラストシーンかなぁ。あ、ド頭でドン・キホーテが旅に出る説明をアニメで済ませちゃったのも良かった。プロローグはいつもかったるいので。

白鳥と違って大ハッピーエンドなせいか、カーテンコールもやたら明るくて楽しかった。
もともとサービス精神旺盛なニーナ・アナニアシヴィリ。以前もカーテン前でアチュード(?)のバランスを長時間してくれたことがあったけど、今回もいろいろ見せてくれた。カーテン前には7〜8回出てきてくれ、途中から二度もリフト(男性が女性を頭上に持ち上げるやつ)で高々と登場。舞台ギリギリ前でリフトやるって怖いと思うけど、ウヴァーロフもノリノリだったからなぁ。三度目のリフトはあるのか、と拍手を続けていたら、次はニーナが愛娘(2歳?)の手を引いて出てきた。会場中の女性達が「キャー!」と叫ぶ(笑)

あぁ楽しかった。おとといやったアンヘル・コレーラのバジルも観たかったな。自分の少ない経験の中ではホセ・カレーニョがベスト・バジルだけど、昨晩のウヴァ・バジルが実に良かったので、他の人と見比べてみたい気分。わりとキトリに注目していたけど、ドンキって実はバジルを観る演目なのかもしれない、とちょっと思った。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

アーカイブ

同カテゴリーの他記事