NY観劇旅行7日目

2007年5月31日(木) 9:00:00

明日は朝には空港に向かうので、今日が実質的最終日。今日2本観て、目的である「ミュージカル10本」を完遂。

まぁもう十数回目のNYなので他にしたいことも特にないとはいえ、今回はミュージカルとメシしかしなかったなぁ。でも会いたい友達にはほとんど会えたし良かった。時差に苦しむこともない快調な1週間に感謝。深夜メシの連続にも関わらず耐え続けた胃腸にも。一緒に行動した森崎夫妻にも。あ、それと勝手に行かせてくれた妻子にも(妻の優子はまたひとりでフランスに行くみたいだけど)。

朝は8時に起床。風呂に入ったりなんだりしたあと10時くらいから散歩。ユニオン・スクエアのグリーン・マーケットでようやく「短髪に入れ墨のオバチャン」を見つけた(その後モリたちとスコーン購入)。

11時30分にアッパーウェストの「Barney Greengrass」でブランチ。
ここは2回目かな。古くからメールをくださっているTomoさんと会食。久しぶりの再会。モリ夫妻と4人で絶品のサーモン、スタージャン(チョウザメ)、セイブル(銀鱈)のスモーク、そしてエッグとスモークサーモンをスクランブルにしたもの、超超絶品のチョップド・リバー、そしてベーグル。と、ユダヤ人の典型的ブランチを堪能。うまうま。やっぱりここの魚のスモークは世界一かも。こんなにとろけるスモークは他にない。特に今回びっくりしたのは銀鱈のスモーク。舌の上でふわりと溶ける銀鱈。うま〜。それとチョップド・リバーも異様にうまい。これだけを食べにまた来たい。
余談だけど、いまNYで銀鱈の西京漬けが流行っているらしい。味噌漬けと呼ばれているらしいけど。そういえば「Upstairs」でも握りに何かの味噌漬けが出たな(タネはなんだったかな)。

もう1軒、ユダヤ人に人気だというデリに寄ったあと、Tomoさんと別れる。次に会えるのはいつだろう。

んでもって、今日のマチネは「Wicked」。
劇団四季でも6月から公演されるヤツ。ブロードウェイでは2004年の公開で、当然これがトニーを取ると思われていたのに予想を覆して「AvenueQ」が取った。でも「ウィキッド」はいまだに席が取れないことで有名な作品。

子供の観客が多かったけど、アメリカの子供はなかなか舞台の盛り上げ方を知っていてピーピーキャーキャーとタイミングよく騒ぐ。またそういう騒ぎ方によく似合う派手な舞台であった。席も前列の方だったので相当楽しめた。第一幕ラストの「Defying Gravity」が最高。ちょっと細目で心配したエルファバ役のJulia Murneyがとても良かった。夢見る少女であったエルファバの雰囲気を上手にだしていて好演。グリンダ役のKendra Kassebaumはガーリーな演技がなかなか。しっとりした歌はもうひとつだったけど、明るく素直なグリンダで良い。オリジナル・キャストがそれはそれはすごかったらしいのだけど、このキャストもわりといい。
ちょっと舞台装置がディズニー的すぎて、その辺もう少しオズ独特の世界観を出して欲しかったとは思うけど、席が取れない&劇団四季が取り上げるのがよくわかる良作。こりゃ楽しい。

終演後、モリたちと「劇団四季になったら、あの歌の歌詞はやっぱり『越えてーいけー、じゅーりょくぅー』とかなるのだろうか」などと話しあいながら、チェルシーマーケットへ。モリたちを案内しつつ、小腹が減ったと訴えるモリにつきあってスープを食べる。

その後ほとんどお隣のミートパッキング・ディストリクトへ。ソワレまでの時間はココでつぶすことに。いまNYで一番オシャレで先端な地区。数日前の夜に行ったが、昼にもアンテナショップ的なブランドショップを隈無く見回ることにする。やっぱオシャレ。面白い。でもグルリと一周したわりには意外と店数も少ない。もうちょっと増えて欲しいかも。

ソワレは20時から「Legally Bronde」。
数年前に機内で見た映画「キューティー・ブロンド」(邦題)のミュージカル化。なんつうか、まさに「ガーリー天国」な作品だった。ブロンド娘が彼を追って法律の世界に入り巻き起こす騒動を描いているのだが、あくまでも明るく、あくまでもピンキー。ここまで正面切ってガーリーに来られると認める。というか、素晴らしく楽しい。
まだ4月29日にグランド・オープンしたばかりの作品だが、来年のトニーのノミネートは確実な気がする(ノミネート止まりだとは思うけど)。
映画でリーズ・ウィザースプーンがやった主役のエル役はLaura Bell Bundy。とてもいい。ピンヒールでよくあそこまで踊れるなぁと感動するレベル。「スパマロット」でハーバート役など何役もこなしたChristian Borleもなかなか。彼の本質はコメディだと思うが、そこそこ真面目な役をちゃんとこなしていた。あとは犬! 生舞台で犬が二匹活躍する。ちょっとドキドキ&びっくりするよ。

ということで、今回の目的「7日で10本ミュージカル観劇」を達成!
パチパチパチ。おバカなことを真剣にやるのは楽しいな。
それにしてもここまでミュージカルに近しくなるとは思わなかったけど、だんだん役者名まで覚えるようになってきたし、CDとかも買いまくっているので、ちゃんとサイト内にコーナーを作るべきかもしれない。観たものだけでも記録するように。「PLAYBILL」も昔からずいぶん溜まっているし。毎年は無理でも数年に一回はブロードウェイに通いそうだし。

そんなことを思いながら地下鉄で移動して、NY最後のディナーを23時すぎからソーホーのメキシコ料理「La Esquina」にて。
この店、K堂さんから強く勧められた店で、アプローチが異様。地上はしょぼいメキシカン・デリなのだが、秘密のドアから地下に降りると暗くて広いレストランが広がっているのだ。入るのはデリの中の従業員専用ドアみたいなところ。ドア番なのか客なのかわかりにくい場所にごつい店員が座っており、そいつに名前を言ってドアを開けてもらい、暗い階段を降りる。そうするといきなり厨房。料理人が殺気だって働いている中を躊躇せず通りすぎると、いきなり異空間が現れる。そんなアプローチ。

なんつうか古城の地下室みたいな空間だ。地上部の小さな店からは想像できない広い空間で、大音量のロック(懐かし系が多い)がかかっている。オシャレで怪しげな人々が100人くらいとぐろを巻いている。この意外なアプローチを含めた隠れ家感がNYでは人気で、ビヨンセを始めとするセレブたちも頻繁に来ている先端な店とか。なるほどー。隠れ家&こんなシチュエーションのくせに(くせに?)料理もとても良いとか。

前回NYに来た時にお会いした萩尾さんが今日東京から帰ったばかりなのにこんな深夜に来てくれて旧交を温める。里見さんとモリ夫妻とで総勢5人。ただ、大音量なので声を張り上げて話さなければいけないのが難。ボクが明日の朝帰国するということで「打ち上げ会」的なものだったのだが、それどころではない。腹の底から声を出して叫ばないと会話が出来ない。

なるほどメキシコ料理はなかなかのもの。セビチェもタコス系もグリル系もよい。サボテンのサラダやグワバ味の豚グリルとかうまかった。深夜26時すぎまでやっているし、ここもアフターシアター、もしくは2軒目にいいかも。知らない人とか驚いてくれそうな店だ。

わいわい遊んで、26時ころ、みんなと別れる。
森崎博之夫妻ともお別れだ。7日間ありがとう。もともとボクひとりで行こうと思っていた旅行に彼らがついてきた経緯ではあったが、彼らに来てもらって旅の楽しみが倍以上になった。
マンションでの別れ際、思いがけず誕生日プレゼントをいただく。うわっ。ホントに予想してなかったので驚いた。そう、明日ヒコーキに乗ったら、機内で6月1日の誕生日を迎える。日本に着くのは誕生日当日の夕方。あぁもう二十数時間後はトウキョウか。

モリたちと名残を惜しみながら握手して別れ、部屋に帰ってパッキング。窓から見える月は満月。摩天楼のすき間にひっそりと。

今回は「全くの休暇&好き勝手旅」ということで、いつになく相当気持ちが開放されている模様。わりと毎日ハードなスケジュールなのだが、疲れがあまりない。ラクチンだ。ストレスがないんだなー。
一部の方に「ポルトガルに続いて休んで仕事は大丈夫なんですか?」と心配されたけど、実は勤続記念に長めの休みがもらえるという制度を2回に分けて利用しているので誰にはばかることなく堂々と休めるのでした。使わないともったいない有給休暇なので、家族も何も言わずに許してくれた部分があったり。家族を置いてのひとり旅ももうなかなか出来ないかもなぁ。

ミュージカルのCDを機内で聴くためにiPodに移して、とりあえず就寝。
なんだろうな、あまりに馴れすぎたNYのせいか、街への名残惜しさはない。でもあと10本くらいミュージカルを観たかったかも。続けて10本見続けた効用で、演技や歌や踊りや脚本の質の「相対化」が自分の中で出来はじめていて、いままで感心するだけだった作品への評価も変化しつつあるのを感じているからだ。今ここで離れるのは惜しいな。でも観た作品を機内を含めて帰国してからもよーく反芻して、自分の中に「ミュージカル基準レベル」を持とう。せめてそれをしないとこの10本が無駄になる。

ということで、旅はオシマイ。Life must go on!

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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