ポルトガル旅行7日目 〜リスボンのモーレツ家族

2007年3月30日(金) 5:58:01

アレンテージョ地方とも今日でお別れ。
個人的には南仏プロバンスよりコートダジュールよりアレンテージョの方が好きである。ピーター・メイルはアレンテージョに住むべきだ(笑)
というか、アレンテージョは確実に「来る」。いまはまだヨーロッパでも無名っぽいらしいが、今年「アレンテージョ・ブルー」という小説が出たりしてブームの兆しはあるようである。天国みたいなところなので、まず確実に「来る」だろうな。ちなみにベストシーズンは春だそうである。夏はあまりの日差しの強さに砂漠化するとか。

部屋の窓の真ん前から上がる朝日を見ながらのんびり朝食までの時間をつぶす。
カウベルの音。ひんやりした回廊。アズレージョが見事に美しい古い教会。なぜか遠くにダチョウの放し飼いが見えたりする。今日もド快晴。実質的にポルトガル最終日である。

上質な朝食を楽しみ、アライオロスの街をちょっとだけ見学したあと、リスボンへ。
ちょうど100km。1時間弱。車を返す場所までの地図はヤマザキマリさんの旦那さんであるベッピーノが手書きのわかりやすい地図をファクスしてくれ安心。とりあえず車を返してしまい、昼からまたヤマザキマリさんにおつきあいいただいてリスボンの街とポルトガル料理の総仕上げをする予定。

ポルトガル料理は代表的なものはほとんど食べた。あとは「アローシュ・ド・パト(鴨ご飯)」と「カタプラーナ(蒸し煮鍋)くらいかなぁ。ということで、昼は前者、夜は後者をお付き合いいただくことに。どちらも米を使った印象的な料理。アローシュは本当に日本人の口に合うので、今後流行る気がする。

車を返し、今晩のホテルへ。バイシャ地区にあるおんぼろホテル。そこでマリさんと待ち合わせた。
「いやーどうもどうも」と昔からの友達みたいに盛り上がり、土産話をいろいろしつつ「カフェ・ブラジリア」の前を通り過ぎてバイロ・アルト地区に入る。ここは若者やアーチスト系が住んでいる、昔のモンマルトルみたいなところらしい。目立たないお洒落な店などがあり、時間があったらいろいろ回ってみたい場所(まだ観光客にはあまり知られていないようだ)。その中の1軒、「Tasca do Manel」(Rua da Barroca,24 Bairro Alto 1200-050 Lisboa)へ。看板も出ていない穴場ちっくな店。

地元客のみで満席になっている。いかにもうまそう。
で、実際、ここで食べたアローシュ・ド・パトが絶品だった。なんじゃこりゃ。うまー。車の運転がないので思う存分ワインを飲みつつ。一口にアローシュと言ってもいろんなパターンがあるんだなぁ。雑炊みたいなタコ・アローシュや鳩アローシュに比べて、鴨アローシュは炒飯系。ううむ、うまい。

その後、ロシオ広場前の有名な食料雑貨店「マヌエル・タヴァーレス」でお土産のポートやチーズを買い込み、ベッピーノの車でベレンの塔を案内してもらったりした後、ヤマザキマリさん宅へ。天気はよく、気温も上がり、暑いくらい。
市場の近くのアパートの3階。ここでマリさんの息子さんのデルスくんとも対面。黒澤明監督の映画「デルス・ウザーラ」から名前をとったとか(笑)。このデルスくん、日本に長く住んでいたこともあって日本語ぺらぺら。イタリア語もポルトガル語もぺらぺら。んでもってまだ12歳。すごいなぁ。響子と同じ歳ということもあって、いろいろ話してくれ、楽しかった。とってもクレバーで人懐っこい。

ここでネットにつながせてもらい、3日分の更新をザザザッと書いてアップ。
その後、漫画の元原稿を見せてもらったり、デルスくんのいろんなコレクションを見たり、双方の本にサインしあったりしたあと、みんなで夜ご飯にでかけた。「近所にリスボンいちのカタプラーナを食べさせる店がある。しかも観光客は皆無」ということでその店へ。「o novo Tico Tico」(Rua Ferreira Borges,193-A 1350-131 Lisboa/21-386-5269)というレストラン。店のショルダーに「Restaurante Cataplana & companhia」とある。カタプラーナ専門店だね。

んでもって、これまた絶品だった。
日本でもカタプラーナは何度も食べたことがあるが、なんというかパエジャに近い方向に濃厚になっており、うまいうまいあーうまい。バカ話で盛り上がり、家族同士異様に親しくなって別れた。
響子はマリさんの漫画「モーレツ!イタリア家族」を超気に入って、もう5回くらい読み返している上に、そこで登場する主要人物であるマリさんやベッピーノやデルスと間近で話していることが不思議に面白いらしく、彼らと話をしながら漫画を広げて読み返す、という複雑な楽しみ方をしている。まぁ気持ちはわかるのだが(笑)。

さんざん食べて飲んで盛り上がり、次回は東京、そしてベッピーノのイタリアの実家(ベネト)での再会を誓い合い、お別れ。
名残惜しかったなぁ。響子は寝る寸前まで「おもしろかったねー」と繰り返す。ポルトガル自体もやばいくらい気に入ったようだけど、マリさん家族をこれまた気に入った模様。でも、マリさん家族がいなかったらここまでリスボンを知れなかったし、旅の最初と最後の楽しさ、そして旅中の心強さがまったく違っただろう。本当にありがとう。

こうしてポルトガルの最後の夜は暮れていった。
この国はこれから何度も再訪する予感がする。たった1週間強とはいえ、とっても濃い旅になった。あー面白かった。



んでもって翌日はまた24時間かけて東京に帰ってきたのでした。ちなみに機内では「Man of the year」「武士の一分」「ユージュアル・サスペクツ」の3本を観た。
これでポルトガル旅行記、おしまい。そのうち写真つきで1コーナーにまとめます。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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