5年後には9テラ

2006年8月 2日(水) 7:16:01

昨日夕方、優子から「響子が塾で具合が悪いらしい」とメール。私は仕事で遅いので早く帰ってくれと。すわ、プール熱がうつったか! もしそうならワシの責任! と、とりあえずぶっ飛んで帰ってみると熱はないし喉も痛くない、単にダルくて頭が痛い、と。うはは。夏の疲れが重なったか、単に塾の夏季講習が負担になったか。まぁ今晩はラクチンにしなさいと、ふたりでテレビ見てくつろぐ。あんまりテレビを見ない家ではあるが、こういう「なーんも考えずにラクチンにしたいとき」ってテレビは重宝するね。

テレビといえば、少なくとも5年後にはHDD-DVDプレーヤーのHDD容量は9テラとなるらしい。9テラって、1テラが1000ギガであるから、9000ギガ。これってどういうことかというと、テレビを10チャンネル分1ヶ月録り続けることが出来る容量、ということらしい。

「10チャンネル分1ヶ月録り続けることが出来る」とどういうことが起きるか。つまりは録りっぱなしにしておけば、1ヶ月前までの番組だったらどれでも今すぐ見られるわけですね。どのチャンネルのどんな番組でも1ヶ月前までであれば「見逃す」ということがなくなる。ちょっと前のNHK「プロフェッショナル」の吉兆の回が面白かったらしいが、それも「へー、そうなんだ」と知った時点でさっと見られるわけ(つか、今でも面白いのはすぐ「You Tube」にアップされちゃうから見られるんだけど)。

要するに、1ヶ月分の編成権がテレビ局から視聴者に移るということ。テレビ局は「この番組は日曜のゴールデンタイムに。これは水曜の深夜2時から」とか編成してるけど、視聴者にとっては全く関係がなくなる。だってぜーんぶ録りためてあっていつでも見られるから。早朝に編成された番組であっても自分が見たい番組であれば自分にとってはゴールデン。CM飛ばしの問題と相まって、テレビ局にとっても広告会社にとっても大きく発想の転換を迫られる事態である(というか死活問題)。

ま、それはそれとして、こうなるときっとワンテーマ番組が増えるだろうな。HDD内検索しやすいから。ブログネタ提供的なワンテーマ・ニュースショーとか増えるかも。編成の都合による時間潰し系バラエティとかは消え去るだろうし、ドラマとかはより良質さを競いあうようになるかもしれない。オリジナルで実験的な深夜番組が正当な評価を受けたり、逆に「深夜だから」と許されていた過激さを失ったり…。iPodとかでみんなが録画番組を持ち歩いて消費するようになると5分番組とか15分番組が増えるかも。そして本当のキラーコンテンツはスポーツとかの「ライブ中継」になるんだろうな。

というか、個々人それぞれの都合に合わせて見たい番組がいつでも見られるのだから、家族がテレビの前に集まるという構図は死滅してもおかしくない。高画質大画面で見たい映像以外は個人のパソコンやケータイ、iPodなどで見るようになるんだろう(若い世代はすでにそうなってきている)。検索とかメールとかチャットとかしながら見られるしね。そういう時代の「マス」って一体なんだ? とか、ま、この辺や広告の周辺について想像しだすと一冊の本になるくらいの量になっちゃうので省略。いずれにせよ一般人の生活や消費行動に相当な影響を及ぼすのは間違いない。変化はチャンス。おもしろい時代だとボクは思う。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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