国民として誇りが持てる一貫したスタンスが欲しい

2004年4月 9日(金) 9:17:41


イラクで日本人3人人質。犯行グループは自衛隊撤退を要求。

原点に戻ってみれば、まずこの戦争に大義名分はなかった。そして国際社会(国連)に認められていない戦争であった。その戦争に賛同し、武器を持った団体を派遣した日本は、占領軍の一部と相手から思われても何の不思議もない。
そのうえこの占領軍(日本を含む)は、復興という名の下で、民族状況や宗教を無視して拙速に民主主義を押しつけようとした。これは復興などではなくほとんどレイプに近い。挙げ句の果てモスクまで攻撃対象にした。

客観的に見て、わが国はそういうことをやっている国である。個人的に反対であろうと、多数決の民主会議で決定し、税金で海外派兵している。
その国民が敵国でNPOとして人道支援して何の説得力があろうか。無辜の民間人ではない。日本のパスポートを持って旅行している限り、イラクから見たら理不尽なる敵なのだ。いかなる善意や志があろうとも、まずは軽率である。

さて。起こってしまったことは仕方がないとして。
理屈だけで言うのなら、もし自衛隊が復興団体であるなら、人質救出に全力であたったうえでそれがかなわなければ脅しに屈服して引き上げるべきである。世界から笑われようとも。他国の復興のために自国民の命を見捨てる国がどこにあろうか。
逆に自衛隊が占領軍であるなら、絶対に屈服してはならない。戦時中であるのなら人質が取られることなど日常茶飯事である。屈服しないことを前提にタフネゴシエートすべきである。卑劣な脅しに屈服などすると悪しき前例になる。
一番中途半端なのは、自衛隊は復興団体だけど人質の命より派遣継続が大事、というスタンス。わけわからんぞ。復興団体なのにそんなことされたボクちゃん被害者ちゃん、ジャイアン助けて〜ってか?

国際問題は様々な要因が絡み合うのでシンプルに割り切れるものではない。犯行グループも大きな組織ではないようなので意外と拍子抜けな結末もあるかもしれない。ただ、国民として誇りが持てる一貫したスタンスはきちんと提示してほしい。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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