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一口
広島県尾道市久保2-20-2
0848-37-9723
17.30〜23
日休
串揚げの店。ひとくち。
のれんには「串かつ」と書いてあるが、肉を頼む人はそんなにおらず、瀬戸内の魚介の串揚げがメインである。
1964年創業。
ご主人の山本さんは元鮨職人で、26歳で大阪から尾道に移り住み、翌年この店を始めたというから、以降40年以上ずっとここで揚げ続けていることになる。
小さな店である。揚げ場をコの字に囲んだカウンター14席のみ。
大人気店なので、17時30分の開店と同時に満席になる。それを見越して開店20分前に店に着くように出かけたが、もう戸の前に5人並んでいた。夕方から夜にかけて相当寂しくなる尾道の街でここだけ行列が出来ているのは異様な風景。
その日も開店と同時に満席。その後もどんどんお客さんが来て、ご主人が「すいませんねぇ」と本当に申し訳なさそうに断る。断られた客も慣れたもので、隣の駐車場の椅子に座って飲みながら待っている。そんな店だ。
外観も内装もかなり古びているがとても清潔。
壁にメニューが貼ってある。アサリの唐揚げだけ800円。あとは200円前後の値付け。どれもおいしそうだが、とりあえずご主人と息子さん(たぶん)の段取りがあるので、あちらから聞いてくるまではよく冷えた生ビールとキャベツ(おいしい)を囓りながらじっと待つことになる。
準備が整ったら、端の客からオーダーを聞いてくれるが、これがとても親切丁寧。柔らかい口調のご主人と何を食べるか話し合っているだけで至福の気分になる。これだけでいい店だとわかるなぁ。
厳選された瀬戸内の魚が目の前で次々に揚がり、そのまますぐ自分の皿やバットの上に置いてくれるのがうれしい。まさに揚げ立て。そこに「レモンをかけてね」「塩がいいですね」「これはソースでね」と優しく指示してくれ、熱々を食べていく。
ハモ、キス、タコあたりで、もうこの店のうまさがわかる。
薄めの衣の揚げが絶妙。衣が厚いともたれやすいのだが、ここのは全くもたれない。しかも食材によって衣の厚さや揚げ方を少しずつ変えている。素揚げ、極薄、厚めと様々な衣パターンを14人の客それぞれ勝手なオーダー順に合わせて普通に揚げ分けるのがすごい。油はラードみたいだが、これが魚介と合わさっていい感じのコクになっている。
穴子は一匹丸ごと。「切ったのがいいか一匹丸ごとがいいか」と聞いて揚げてくれる上に「この穴子はレモンと塩で。尻尾の方から食べてみて」と食べ方も教えてくれる。確かにその方がおいしい。んでもって「ああせぇ、こうせぇ、言うてすいません」とか謝ってくるご主人。こちらこそスイマセン。
小イワシは醤油で。4〜5匹づけのもの。うまひ。実にうまひ。イワシ好き、かつイワシフライ好きのボクであるが、ここのうまさには痺れた。
貝柱はバカ貝のものらしいが、アワビくらいな大きさのモノを素揚げする。「今日のはまだ固いんですわ。それでもいい? すいませんなぁ」と謝られた。「でも食べるときは、その左の方から食べてな。その方がうまいけぇ」と説明してくれる。確かに固かった。でもおいしい。噛めば噛むほど味が出る。
ひとつだけ高価なアサリの唐揚げは、アサリが15個くらい下味つけてほとんど素揚げ。普通のとピリ辛の2種類ある。2種類とも頼んだがどちらもうまい。ピリ辛の方が生ビールに合うかも。
他に、エビ、タコ、クジラ(うまひ)、レンコン、タマネギなどなど。素朴な美味の数々。
魚介や野菜ばっかり食べたので、ふと気づいて「串かつ」「とんかつ」も頼んでみた。
ほとんどの客が頼まないので不安だったが、これもうまい。特にとんかつはイメージしていたものと全然違ったな。でもまぁ魚介の方がオススメだ。
食べ損なったのはニシ(瀬戸内の貝)と牡蠣。これは次回まで取っておこう。
ちなみにわりとお腹いっぱい食べて、(たしか)5000円弱だった。だいたい3000〜6000円で足りるだろう。質から考えたらとても安い。
ご家族でやっているほんわかした雰囲気。熱々でうまうまな串揚げ。ゆったり流れる尾道の空気。すべてが合体して溶け込んで、なんとも至福ないい時間が過ごせる店。
また来たい。また来よう。
2008年9月初訪問。
2008年10月13日(月) 9:24:44・リンク用URL
@satonao310