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吉冨寿し

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福岡県福岡市中央区舞鶴3-6-23
092-741-3490 
12~14/17.30~20.30 
日祝休


鮨。

博多の長浜市場から程近い舞鶴にある小さな店だが、入り口からして只者ではない雰囲気。
一見古く寂れているように見えるが随所に凝った設えが感じられる。昼間にフリで入ったので、玄関の待ち合いで待たされたのだが、レトロ風味の待ち合いの雰囲気がすでによい。ちょうど回転するタイミングだったようで15分ほど待って入れたが、夜は二回転する予約制のようだ。気まぐれで行くなら昼遅めの時間が狙い目かもしれない。

店内は調度品を削ぎ落とし、シンプルでミニマルな造りになっている。
花瓶に花一輪。絵がひとつ。そのくらいしか飾りがない潔い清潔な空間に、柱時計のコチコチという音だけが響き、頭の禿げあがった柔和なご主人がひとりでつけ台に立って迎えてくれる。無口なお弟子さんもいるが、お茶出しと会計のみで出てくる。

と、こう書くと肩が凝りそうな店であるが、さにあらず。実にくつろげる店である。それはすべて柔和で親切なご主人が醸し出す空気に寄るのだろう。無口でニコニコしているのだけど、とっつきにくくなく、こんなに静かな店でなければ(カウンターの他の客を気にせず)いろいろ聞いて楽しむのだがなぁと思った。カウンターは8席で、内装のシンプルさもあって、鮨を食べ慣れない客はちょっと緊張するかもしれない。

特筆すべきはタネ箱に並べられた魚のきれいさ。ここまできれいかつおいしそうに魚を並べるタネ箱は銀座の「すきやばし 次郎」くらいしか記憶にない。こういうところをきちんとする職人さんは期待が持てる。

ということで期待たっぷり食べ始めたのだが、味もそれを裏切らないものだった。
サウスポーの腕から繰り出される握りは細かい仕事がなされた江戸前で、酢飯がちょっと弱いかなと思わされるものの、バランスは上々。玄界灘の魚を鮮度重視で握る博多の大多数の鮨店とは一線を画すもの。柔和なご主人だけあってどれもこれも柔和で優しい握りである。口の中に静かな幸せを与えてくれる。主張は強くないが印象は強い。そんな握りである。

おまかせは、赤ムツにカブを合わせた握りから始まり、エビ、ブリのヅケ、太刀魚を昆布締めにして炙ったもの、貝柱、蒸し穴子、赤貝、ふぐをアサツキと紅葉で合わせたもの、しめ鯖、トロ、イカのウニ乗せ、赤カブの握り、菜の花の握り、と続いた。

どれも工夫がきちんと効果を出していて印象的だったが、特に記憶に残ったのは、冒頭の赤ムツと太刀魚、ふぐ、赤カブ。

普通、味の淡いものから濃いものへと進行することが多いが、ここのおまかせは違った。
一見バラバラな進行のように見えて、あとで思い返すと味の強弱が見事につけられて、単調にならない流れ。地方の鮨店って意外と単調な流れになることがあるけど、この店は適度に、炙り・蒸し・締め、そして酸っぱい・甘い・辛いなどを混ぜて楽しませてくれた。
実はボク、この店は昼の二軒目だった。一軒目も鮨を一通り食べてわりとお腹一杯だったのだけど、飽きずに最後までするする食べられた。これもこの流れのおかげ。

お勘定がどのくらいだか知らずに行ったのでわりと覚悟したのだが、13貫食べて5000円だった。博多ではどうだかわからないが、東京の感覚からすると、このクオリティと雰囲気でこの値段は安すぎる。どうやら夜も基本的にこの値段のようだ(これにつまみとか追加とか赤だしとかつくが)。

なんというか、満足度の高い店だ。あぁいい時間だったと嘆息ひとつ、店を出た。

長浜の鮮魚市場の真ん前に東芝の高いビルが聳えるが、その正門真ん前である。
博多に行くならぜひ再訪したいし、オススメもしたい。そんな店。

2008年2月訪問。



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2008年02月17日(日) 19:17:04・リンク用URL

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