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奴寿司

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大阪府大阪市福島区福島5-6-16ホテル阪神B1F
06-6455-0088
11.30〜14/17〜22.30(日祝11.30〜22)
無休


鮨。
西天満に同名店があるが、そことは別。

ちなみに、この店は、ボクの思い出とともにあり、読者の方と「味」を共有できないかもしれない。ボクは思い出を含めてLOVEだけど、客観的にはどうかわからない、という意味で。


もともとは曽根崎2丁目の雑居ビルの地下でひっそりやっていた小さな店であった。
カウンターのみのその店に20代のボクはよく通った。安くて気楽でおいしかったからである。

というか、鮨屋にひとりで入ってカウンターに座ったりしたのはこの店が最初かもしれない。

脱サラして始めたというご主人の谷裕志さんが一人で丁寧に楽しく仕事している。
明るくて感じがいい方で、谷さんとの会話を楽しみに来る客も多い店だった。一人で握っていてよくしゃべるので、しばしばオーダーが「通り過ぎる」のもご愛敬。忘れちゃうのだ。でもその握りはバランスのよいもので、あじ、さば、たらこなど、実に良かった。特に穴子はお勧め。いったい何回通ったかというくらいよく行った。最後にサービスの味噌汁が出るのだが、これは谷さんのお母さんが作ってくれ、なんとも家庭的で温かい味だった。当時一人暮らしだったボクはうれしい限りであった。

ボクはこの店で、「鮨屋のカウンターで楽しむ」という、20代では非常に敷居が高い食べ方に慣れ、ご主人と話すという行為にも慣れていった。そういう意味でこの店はボクの「教室」であったのだった。

1998年だか99年だかに、福島のホテル阪神がグランドオープンしたときに、その地下のレストラン街「ラグザ大阪」に支店が出来た。
新しくなって力入ってるホテル阪神に誘致されるくらいは「味が良かった」店だったわけである。知る人ぞ知る「奴寿司」を誘致するとはホテル阪神もなかなかやるなと当時舌を巻いたものだ。もちろん常連であるボクも快哉を叫んだわけであるが、でも、どこかで大きな店になるのを憂いてもいた。アットホームな小さな店の雰囲気が良かったから。

でも、谷さんはさすがで、元の小さな雑居ビル店も続けるという。ホテル阪神は奥さんの悦子さんと弟子(最後の頃数人弟子をとった)に任せ、自分はひとりで元の小さな店を守っていた。

ただ、何度か過労と病気で倒れたようで、2003年には元の曽根崎店は閉店。谷さんもホテル阪神店に移り、営業を続けたようである。


その後ボクは東京に転勤になり、谷さんとは年賀状のやりとりだけになった。

2006年冬、大阪に用事があり、思い立って久しぶりに谷さんの握りを食べに行った。いよいよお身体の調子がよくないと聞いたからである。

谷さんはいまでは若手に任せて週数回しかカウンター内に立っていないらしいが、運良くその日は立っていた。

最初はお互いぎこちない感じ。
でも、「どうも! お久!」「……あれ? あ! あ〜!!」とか、照れ臭く再開の挨拶を交わしているうちにだんだん昔の調子に戻ってきた。

お互いの老け加減をからかいあいながら何貫か握ってもらう。
あぁ懐かしい。そうだった。これが谷さんの握りの味だった。鮨リテラシーが上ってしまった今ではいろいろ思うこともあるが、それでもボクは「谷大将の手で握ってもらった鮨が好き」である。あの手でボクのために握ってくれた鮨はとても特別な味がする。

彼は思ったより元気にやっていたが、確かに少し気弱になっているっぽかった。
「最近元気がなかったけど、佐藤さんの顔みて少し元気そうになった」と奥さん。
でも握りはちゃんと元気な頃の谷さんの味だったよ。また来るから絶対握り続けてな。

とか、ちょっとセンチになりつつ店を出た。

ボクにとっては、そんな店です。


1988年ころ初訪問。再訪多数。
※この店は多少面割れしているので、面割れバイアスがかかっているかもしれません。


奴寿司
※クリックすると拡大表示

2007年06月06日(水) 19:00:12・リンク用URL

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