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もり田

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福岡県北九州市小倉北区魚町2-5-17 インクスポットビル2F
093-531-1058
11.30〜15/16.30〜19
水休
5000円〜。わりとお腹一杯食べても1万円はしないと思う(酒抜きで)。


鮨。
九州は小倉の「創作鮨」の名店。

小倉の創作鮨というのは和菓子のように細工が施された鮨のことを指すようで、一般に「小倉細工鮨」という言い方も普及しているようだが、この店で聞いたところ「うちのは細工鮨ではないです。むかーし、全部の鮨を和菓子のように細工して、それこそ細工鮨と呼んでもよいようなものを作っていたことはありましたが、いまは時間も手間もかかるからそこまではやっていないので、創作鮨と呼ぶにとどめています」とのことだった。

実際食べた印象だと、細工とか創作とかいうよりも「ひと工夫された仕事をした握り」という感じ。奇をてらった感じはあまりない。細工とか創作とかいう言葉だけが一人歩きしているようだが、きわめて真っ当な握り鮨だと思った。ただ、地方港町はどうしても鮮度重視の鮨になりがちなので、その手の鮨とは一線を画したものとしてそういう呼び方が定着したのかもしれない。

というか、この店に来てカウンターに座ればわかるが、ご主人はたぶん「お客さんにおいしく食べてもらいたい」という想いしか持ってない。おいしく食べてもらえるための工夫をしたら、結果的に創作鮨となったという感覚であろう。そのくらいこの店のご主人は真摯で真面目で親切。ニコニコと楽しそうに、かつ真剣に握ってくれ、客としても極上の時間を過ごせる。
1935年生まれ、もうすぐ70代中盤になろうかというお歳のご主人だが、いまでも定期的に東京まで鮨を食べに(つまり勉強に)行っているようである。息子さんが東京のどこそこの鮨屋に修行に入ったと喜んで話してくれた。

で、握りが始まる。

始まりは壱岐のマグロ。まずは創作もなくストレートに始まった。
ふーん、と思っていると次に紫蘇と浅葱、そして紅葉おろしが透けたフグの握りが出てきて「むぅ」と唸る。うまいのだ。これは絶品だった。

シャコを炙ったもの、さわらを炙ったもの、しめ鯖、と、比較的緩やかに来たと思ったら、細かく包丁を入れて波のような形に細工した甲イカの上にウニと木の芽を乗せたものが来た。来た。創作。これがまたうまひ。ううむ。

この辺から創作鮨の真骨頂。
サザエの上に輪切りにしたオクラを乗せて海苔で巻いて握る、貝柱とウニを和えて海苔で巻いて握る、フグの白子を炙って丁寧に握る、ウニとアボカドと数の子にウニとアボカドを乗せて握る、サヨリは昆布締めにして一味が散らしてある、牡蠣を炙って握る、などなど。いろいろ食べたなぁ。最後は菜の花の握りとタケノコの握りをもらって〆。

シビアに言えば、狙いがわかりにくい握りもあった。もしくは狙いほどおいしいバランスになっていない握り。でも、握りだけ単体で取り出すとそう思えるとしても、このご主人を前に座っているとそんな想いが霧散するのがこの店のすごいところ。
「鮨は握っている人を食べる」というが、まさにその通り。このご主人が工夫してくれた鮨なら何でもうまく感じる。余計な講釈など吹っ飛んでしまい、単純にご主人の「おいしいものを食べて帰って欲しい」という想いに身を任せていく感じ。同じものを普通の若い職人が握ったらこんなに感動しないだろうなぁ…。

全体に酢飯は甘めで人肌。握りは柔らかく、油断すると崩れるくらい。酢飯はもう少し強めの方が好きだが、なんか全体に金沢の「弥助」を思い出す。ご主人の感じも握りの感じも。
タネにはわりと一味を多用する。柑橘系の味付けと炙りも多用。これは特徴的だ。生姜の横にキュウリもあり、これが意外と口をさっぱりさせるのに良かった。

金沢の「弥助」もそうだが、ご主人が元気なうちにもう一度行きたい店。同じ握りでもこのご主人が握らないとおいしくない鮨。そのくらいご主人の魅力が全面に出た店だ。

ちなみにカウンター8席しかない。ちゃんと予約して出かけたい。

2008年2月訪問。



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2008年10月01日(水) 19:25:32・リンク用URL

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