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小松弥助

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石川県金沢市池田町2番丁21-1 アパホテル金沢片町1F
076-261-6809
11.30〜15.30(昼のみ営業)
水休
7000円〜


鮨。

この店、金沢では超有名店なのだが、握りがどうのと言う前に、とにかく客席みんなが微笑んじゃうところがすごい店だ。

ご主人はもう相当なお歳で、現役でいること約60年。
若いときは相当な無茶をしたらしく武勇伝も漏れ聞こえてくるのだが、いまや肩の力も抜けきり、常に微笑んで握っている。愛想がいい鮨屋のご主人はいるが、常に微笑んでるご主人ははじめて。

客への語りかけも「よかったねぇ」「ありがとねぇ」「おいしいやろぉ」とニッコニコ。しかも超自然体。これが客に伝染しないわけもなく、カウンターは笑顔で埋まり、知らない客同士が笑顔で会話し出す。すごいなぁ。久しぶりにここまでのポジティブ・パワーを見た。

握りは丸っこい独特形で随所に工夫が活かされたものだが、なによりも特徴的なのはその「柔らかさ」。
ここまで柔らかく握る握りはあまり経験がないかもしれない。口に運ぶと同時にふんわりほぐれる。だからこちらの手を出させてその上にそっと載せてくれる握りもある。なるほどここまで柔らかく握るなら「丸っこい」のも当たり前かも。細長いと必ずや崩れてしまうであろう。

酢飯を、いっぱい空気を含ませて柔らかく握るとなると、タネも相当柔らかくしないとバランスが取れないと思うが、一部を除いてそれはちゃんとそう考えられている。
この握り方に合うタネは、ヅケ、イカの糸作り、甘エビ、トロ焼き〆など。
ご主人の微笑みに釣られて微笑みながら食べると、超柔らかいバランスでタネと酢飯が同時にとろける極上の快感が味わえる。

ただ、他のタネ(鯛昆布〆、バイ貝、鯖、小肌など)は多少タネが勝ってしまいバランスは崩れた。
この店の名物と言われる穴子(柚と塩で味付け)や白ネギを使ったネギトロ、ウニとヅケのとろろ丼(極小の丼)は、最近この手のものを出す店が東京でも増えたので目新しさは特にない。もしかしたらこの店のマネをしている店も多いのかもしれない。

アパホテルの1階という立地は、引退しようとしたご主人をアパの社長(?)が引き留めてスペースを提供したから、と聞いた。ホテル内にある店なのに昼しか営業をしていない(ご老齢のためらしい)。
外観は回転寿司店のようだし、店内はちょっと雑然としているし、とんでもないところに大きな柱があったりして、「ここがあの有名店か」と疑うような感じではあるが、そういう事情なら仕方ないかも。

握りの完成度としては多少「どうかなぁ」と思われる部分もあるが、極限まで柔らかいその握りと、食べている人を微笑ませてしまうご主人のお人柄には、ここ金沢に来ないと触れられない。江戸前握りではない、金沢ならではの「弥助握り」を一度は経験したいところ。いつ引退してしまうかわからないこともあって、必訪の店であると思う。

なお、「小松弥助」出身の職人は、「志の助」をはじめ、金沢市内にいろいろ店を出しているらしい。ほぼ皆同じような柔らかい握りを出すらしい。


2007年10月訪問。



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2008年01月04日(金) 12:07:19・リンク用URL

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